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[1764]The TARO Singers 第13回東京演奏会「神の業・聖母の愛」に行ってまいりました。 投稿者:どくたーT@管理人

投稿日:2011年07月19日 (火) 22時23分

鑑賞日:2011年7月18日
入場料:4000円 全席自由

アカペラ混声合唱団
The TARO Singers
第13回東京演奏会
「神の業・聖母の愛」

会場:津田ホール

指揮:里井宏次
合唱:The TARO Singers

プログラム

G.アレグリ「我を憐れみたまえ」(Miserere mei, Deus)
D.スカルラッティ「スターバト・マーテル」(Starbat.Mater)(上塚憲一(vc)/堀江光一(org))
休憩
F.メンデルスゾーン=バルトレッティ「三つの詩篇 作品78」(Drei Psalmen Op.78)
F.プーランク「悔悟の時のための4つのモテット」(Quatre motetus pour un temps de penitence)
アンコール
F.プーランク「サルベ・レジーナ」
文部省唱歌「故郷」

感想

The TARO Singersは、アカペラ合唱曲を専門に歌う合唱団として、その存在感を示しています。私が彼らを知ったのは、「武満徹 Songs うた」というCDを購入してです。本当にすばらしい合唱で、そのレベルの高さに感動しました。

合唱は子供のときから大好きで、児童合唱団で歌っていたこともあります。それだけに、アカペラで上手に歌える合唱団が、どんなにすごいか、というのは実感としてわかります。逆に申し上げれば、アカペラで難しい合唱曲を歌える合唱団は稀有な存在と申し上げてよいでしょう。

TAROシンガーズは、アカペラ合唱団のプロですから、当然すばらしい演奏を期待されます。それを表現するために、第13回になる東京演奏会では、17世紀、18世紀、19世紀、20世紀の宗教的アカペラ合唱曲を一曲ずつ取り上げるというプログラムでそれに答えました。

ちなみに、私は、今回演奏された作品を一度も聴いたことがありません。でも、みな、宗教的感興の大きな名曲です。このように4世紀にわたるそれぞれの音楽的特徴を示した宗教曲でコンサートを企画できるところが、ヨーロッパの本当の宗教的土壌を感じます。

アレグリのミゼレーレは、地上と天上の相聞の形で書かれた二重合唱曲。天上を受け持った、女声3人と男声一人のアンサンブルが見事。特にソプラノソロの澄んだ高音は実に見事なものでした。

スカルラッティの「スターバト・マーテル」は典型的ポリフォニー音楽。さすがのTAROといえども完璧とはいえませんでしたが、10声の二重合唱と通奏低音のみの伴奏による音楽は、人の声の豊穣さを見事に感じさせるものでした。

メンデルスゾーンの「三つの詩篇」。独唱と二重合唱によるホモホニックな感興。すばらしいものだと思います。

最後がプーランクの宗教音楽。プーランクは自分自身で、「わたし自身の最良の部分、何よりも本来の自分に属するものをそこに注ぎ込んだつもりです。(略)わたしが何か新しいものをもたらしたとするならば、それはまさにこの分野の仕事ではないかと思います」といっているだけのことはあって、不安の中にも神への親愛を感じられる音楽。
音楽としてのまとまりの点では、一番よかったかもしれません。

全体でいえば、細かいミスもあり、必ずしも最良の演奏ではなかったと思いますが、それにしてもこれだけの難曲をよくここまで歌えるものだ、と率直に寒心いたしました。



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