投稿日:2009年06月11日 (木) 23時16分
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佐々木邦を取り上げているサイトが、果たして今ある だろうか、と思って検索していましたら、ここに来ました。
>もうほとんど知る人はいないでしょう とお書きですが、私は「少年倶楽部文庫」で復刻された 十代向け小説だけですが、佐々木邦と南洋一郎(『吠える 密林』、あの、一人称で書かれた猛獣狩りの小説です。彼の 全集の内一冊、猛獣狩り物中心のアンソロジーは古書店で 買って持っています)の作品は全部読みまして、大ファンに なりました。
大人向きの作品は知りませんが、佐々木邦の少年向け ユーモア小説の一番良いところは、登場人物に悪人が 絶対出てこない所だと思います。みんな基本的に善意の 人、そこから生まれるユーモアは良質で、後味が良いです。
「苦心の学友」も良いですが、私が一番好きなのは 「トム君・サム君」です。
大学生の頃、同じ英文学科で、大学院に進み、今では 大学で教鞭をとっている、ある女の子と友人でして、 彼女に、「まぁ読んで、面白いから」と、上に挙げた 作品を含めて、文庫本4,5冊をを貸した事があります。
学級肌の彼女には、この手の小説はバカバカしく思われ るんじゃないか、そう思っていましたら、さすがに大学院へ 進んで文学研究をする人は違います、翌日には全部読んで、 意外にも大変喜ばれました。彼女も、やっぱり善意の人々が 織りなすユーモアが良い、そう言っていました。
早いもので、あれからもうじき30年です……。
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