投稿日:2017年12月23日 (土) 07時27分
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デュトワの今回のセクハラ報道。大変残念です。
欧米のセクハラに対する対応は厳しいようで、既に契約打ち切りや、公演中止が相次いでいるようです。 もちろんセクハラは決して許されないことではありますし、権力や権威のある人はことさらに慎むべきことであります。 その意味で、今回の欧米での対応は、それが事実であるとすれば当然であるとはいえるのですが、一方で、ウーンと思ってしまう部分もあります。
わたし自身は、デュトワ個人に対する思い入れは全くありません。 しかしながら、デュトワの紡ぎだす音楽には非常に思い入れがあります。 NHK交響楽団の常任指揮者、音楽監督として独墺系色彩の強かったN響を国際的な機能的オーケストラに仕込んだのは間違いなくデュトワです。デュトワが音楽監督になる前、N響は弦楽の音は素晴らしかったですが、管はそれほどでもなかった。しかし、彼が指揮するようになってから、管楽器の実力がどんどん上がっていきました。とにかく、N響に対する貢献、功績は多大なものがあります。
N響での演奏は100プログラムを超え、私もそのうち60以上聴いていますが、オーケストラ音楽の最高を聴かせてもらったのも多分デュトワです。この12月もN響でオールラヴェルプログラムと、ストラヴィンスキー「火の鳥」を中心としたプログラムで深い感動を覚えたところです。
来年12月のN響出演も決まっており、その詳細は発表になっていませんが、期待しておりました。
今回の報道で、N響は「今回の事態を踏まえて適切に対処していきたい」と言っています。
今回の報道が事実であるとするならば、デュトワがそれに見合った法的・社会的制裁を受けるのは当然ですが、社会的制裁に関してはバランスのとれたものにしていただき、またあの素晴らしい音楽をなくなることがないように望みたいと思います。 |
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