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[1924]藤原歌劇団「ルチア」感想 投稿者:どくたーT@管理人

投稿日:2017年12月11日 (月) 20時59分

事情でサイトの更新が週末までできませんので、掲示板に書かせていただきます。

2017年12月10日 
3FL4列3番 B席 9800円
主催:公益財団法人 日本オペラ振興会
藤原歌劇団公演

オペラ2部(3幕)字幕付原語(イタリア語)上演(リコルディ版)
ドニゼッティ作曲「ランメルモールのルチア」(Lucia di Lammermoor)
台本:サルヴァトーレ・カンマラーノ

会場:オーチャードホール

スタッフ

指揮:菊池 彦典
オーケストラ:東京フィルハーモニー交響楽団
合唱:藤原歌劇団合唱部
合唱指揮:須藤 桂司

演出:岩田 達宗
美術:島次郎
衣裳:前田文子
照明:沢田 祐二
舞台監督:菅原 多敢弘

出演
ルチア:坂口 裕子
エドガルド:西村 悟
エンリーコ:谷 友博
ライモンド:東原 貞彦
アルトゥーロ:曽我 雄一
アリーサ:二瓶 純子
ノルマンノ:青柳 明

感想

周回遅れ-藤原歌劇団公演「ルチア」を聴く

悪い演奏だったかと言えば、そんなことはないと思います。でも良い演奏だったかと問われれば、「かなり微妙」というしかない舞台でした。いろいろな意味で不足を感じました。私がルチアを実演で聴いているのは、今回で8回目だと思いますが、その中ではなかなか評価しがたい舞台と申し上げるしかない。

特に本年春、新国立劇場があれだけ素晴らしいルチアの公演をやったわけですから、それに負けないような心意気の舞台にして欲しいと思って伺ったのですが、残念ながら周回遅れの舞台だったと言わざるを得ません。

歌手陣について言えば、ルチアからノルマンノに至る全歌手が、新国公演の方が良かったです。もちろんその差は役柄によってさまざまで、例えばエドガルドに関して言えば、新国公演のジョルディはよかったのですが、今回の西村悟だってかなりの出来で、決して不満を申し上げるようなレベルではありません。95点と93点ぐらいの差だったと申し上げましょう。西村の甘い声はエドガルドにぴったりだと思いますし、表現や表情も柔らかくて独特の魅力を感じました。十分にBravoを申し上げてよい演奏でした。

谷友博のエンリーコも良かったです。ただ見せ方として谷は大仰しく見せないということはあると思います。その点敵役としての存在感が薄くなっていたのかな、という風には思いました。冒頭のアリア「冷酷で不吉な苛立ちを」は、立派ではあるのですが、新国の時のルチンスキーの凄味のある歌唱とは一線を画するものでした。谷の抑えた表現はもちろんありだとは思いますけど、けれんみ溢れるルチンスキーの歌の方が一般受けはすると思いました。

以上二人は新国立劇場の時のメンバーよりやや足りないぐらいのレベルでしたが、それ以外の方はもっと差があったと申し上げざるを得ません。

ルチアの坂口裕子。頑張っていました。ただ、役が身についていないのですね。藤原本公演デビューということで、かなり硬くなっていた、ということはあると思います。登場のアリア「あたりは沈黙に閉ざされ」がガチガチで、歌の制御が上手く行っていませんでした。上がっていたのでしょう。しかし、その後は少しずつ調子を上げて、序幕フィナーレの二重唱は、坂口の本領を発揮していたのではないかと思います。西村の甘い声と坂口の軽い声とが上手くあっていてエンジンがかかったのかな、と思いました。しかし「狂乱の場」は物足りなかったです。もちろんしっかり正確に歌っていたように思います。ただ狂気が足りないのです。見ていると狂っている感じがしないのです。冷静に正しく楽譜の音を追いかけているという風にしか見えなくて、もう一工夫あってもいいのではないかと思いました。

ライモンドもアルトゥーロもアリーサもノルマンノも新国のレベルではありませんでした。というより、相当差があったと申し上げたほうがただしいかもしれない。ただ、それをここであげつらうのはもう止めましょう。

菊池彦典の指揮。これまた肩透かしでした。彦典さんと言えばイタリアオペラの手練れで、その熱気あふれるカンタービレの引き出し方は菊池ならでは、という魅力があったと思います。また歌手への寄り添い方も手慣れていて、菊池が指揮することで魅力的だった公演をこれまで何度聞いたのかな、と申し上げてよいほどです。しかし今回は、歌手への寄り添い方はさすがだと思いましたが、音楽そのものの運び方が凄く淡白な感じがして、これでいいのかな、と思いました。これを指揮者の責任にして良いかどうかは分かりませんが、第2部第1幕のフィナーレの大コンチェルタート。もちろん恰好は付いていましたが、揃っている感じはしなくて、そのあたりは指揮者のオーラの影響があるのかな、と思ってしまいました。

しかし、音楽面の齟齬は未だ許せる範囲だと思います。一番不満なのは演出です。あの演出が恐らく音楽的な良さをスポイルしたのではないかと思います。演出の岩田達宗は今回の舞台を能舞台に見立て、できるだけシンプルにしたと演出ノートに書いていますが、良く言えば、その視点が全く伝わらない舞台でしたし、はっきり申し上げてしまえば、その見立て自体がナンセンスと申し上げてよいと思います。

幾何学的で直線的な舞台は柔らかさを嫌います。狂気も嫌います。能舞台は現世とあの世との境目かもしれませんが、ルチアの狂気は全然直線的ではないですし、それに至る道筋も直線ではありません。むしろ曲線的ですし、緩急もある。それを無理やり直線にされてしまえば、音楽をやる方が、演出との兼ね合いを苦労するのです。坂口のような経験の少ない歌手にとってはどうやって良いか分からなくなって、自分が見えない歌唱になっているのではないかと思いました。またルチアの背景にはスコットランドの気候の厳しさがあると思うのですが、岩田の演出は気候の厳しさを描くものではなく、舞台の昏さだけを強調している。そこも違和感を感じました。




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