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[1918]藤原歌劇団「ノルマ」感想 投稿者:どくたーT@管理人

投稿日:2017年07月03日 (月) 06時20分

事情で、サイトの更新が週末までできませんので、掲示板に感想を公開します。

2017年7月2日 
入場料:B席9000円 2階D列29番

藤原歌劇団共同制作公演
主催:公益財団法人びわ湖ホール/公益財団法人ニッセイ文化振興財団/川崎市スポーツ・文化総合センター/公益財団法人日本オペラ振興会/公益財団法人東京フィルハーモニー交響楽団

平成29年度劇場・音楽堂等活性化事業
ベッリーニ作曲「ノルマ」(Norma)
台本:フェリーチェ・ロマーニ

会場:日生劇場

スタッフ
指揮:フランチェスコ・ランツィロッタ
オーケストラ:東京フィルハーモニー交響楽団
合唱:藤原歌劇団合唱部/びわ湖ホール声楽アンサンブル
合唱指揮:須藤 桂司
演出:粟國 淳
美術:横田 あつみ
衣裳:増田 恵美
照明:原中 治美
舞台監督:菅原 多敢弘

キャスト
ノルマ:小川 里美
アダルジーザ:米谷 朋子
ポリオーネ:藤田 卓也
オロヴィーゾ:田中 大揮
クロティルデ:但馬 由香
フラーヴィオ:小笠原 一規

感想:名曲にして難曲

今回日本オペラ振興会のご厚意で、ゲネプロを見せていただきました。ゲネプロは時間の関係で一幕の後半からだけだったのですが、それでも、今回のキャストで2回の演奏を聴くことができた訳です。その感想を一言で言えば本番は大変だな、ということに尽きます。

全般的に申し上げれば、小川里美はゲネプロよりも本番に本気を出してきてそれがうまく回っていた感じがします。田中大揮も同じです。一方、藤田卓也も米谷朋子もゲネプロの方が良かったと思います。本番は緊張して本来の力を出し切れなかった、と申し上げてよいのではないでしょうか。

小川里美は本番の方が良かったと申し上げましたが、「ノルマ」は小川向きの役ではないのではないかという気がしました。小川は中低音は安定していて素晴らしい声を持っている方ではありますが、高音は本来そこまで立派な方ではありません。更に申し上げればアジリダの切れ味も今一つのところがある。ノルマは要するに高音も低音もしっかり歌えて、それで技術的にもしっかりしたソプラノでないと太刀打ちできない役柄です。マリア・カラスが「一番難しい役はのノルマである」と言ったそうですが、カラスほどの不世出の大歌手をしてそう言わせるわけですから、小川のような高音の厳しい歌手にはちょっと太刀打ちできないのかもしれません。ハイDのアクートもなかったですし。
 
では小川の歌唱が悪かったか、と言えばそんなことは全然ありません。ベルカント的技巧という観点では今一つだと思いますが、その代わり、彼女は役柄をよく研究して本番に臨んでいたと思います。中低音は細かいところまでとても丁寧に歌っていましたし、ブレスの取り方などもとても丁寧でした。言葉と音価が一致して、柔らかい表情が見事だったと思います。第二幕が、第一幕で頑張りすぎたのか、ちょっと集中力が散漫になり始めていたようですが、全体的に立派な歌だったと申し上げましょう。

アダルジーザはある意味ノルマより大変な役柄です。一応メゾが歌うのが普通ですけど、ノルマよりも高いところで歌わなければいけないところが何度もあり、普通のメゾ歌手にはなかなか太刀打ちできないと思います。実は私はノルマは実演三度目なのですが、最初のノルマとアダルジーザはリッチャレッリと松本美和子でした。松本は当時の日本を代表するソプラノ・リリコ・スピントですが、多分リッチャレッリと声質が似ていてハモりやすいということを意識したキャスティングだったのではないでしょうか。その意味で今回の米谷朋子の選択は小川里美との声のバランスを考えていると思いますが、米谷の弱点も高音です。メゾの音域ではそこそこ立派な声をしていると思うのですが、高音部は声自体が金切り声ぽくなっていて、あまりよくありません。それでもゲネプロの時は肩に力が入っていなかったのか、重唱の表情などとても良かったのですが、本日はさほどではありませんでした。第二幕のノルマとの二重唱。ゲネプロの時は綺麗にハモッテいて本番すごく期待していたのですが、本番は結構ずれていたようで、あまり綺麗には響いていませんでした。

藤田卓也は元々美声ですし、ポリオーネという役にあっていると思います。登場のアリアはなかなか素敵でした。唯彼も本番で緊張していたのかもしれません。一幕フィナーレの三重唱はちょっと肩に力が入りすぎていたのか、ゲネプロ時よりも空回り感がありました。この一幕フィナーレの三重唱。ゲネプロの時は熱気はなかったけど綺麗にまとまっていて、これで熱気が加わったら凄いだろうなと思ったのですが、本番では熱気の加わった分アンサンブルとしてのコントロールが甘くなったということはあるかもしれません。

そんな訳で、今回一番よかったのはオロヴィーゾ役の田中大揮でしょう。彼は響きが充実していて落ち着いており、とても立派な父親役を務めていたと思います。

それ以外の脇役勢は小笠原一規が美声で素敵。但馬由香も自分の役目を果たしていたと思います。合唱の充実ぶりはいつもの如くです。

フランチェスコ・ランツィロッタ指揮の東京フィルハーモニー交響楽団はなかなか生々しい音でよかったと思います。日生劇場の広さと響きの感じによく合っていたということかもしれません。

粟國淳の演出は、オーソドックスでストーリーに即した分かり易いもの。私はノルマ実演3回目と書きましたが、1.2回目とも演奏会形式で、舞台を見るのは初めてです。このオペラは舞台を見なくても楽しめる作品ではあると思いますが、舞台があればその楽しみは拡大します。見ることができてよかったです。またほぼ15年ぶりで全曲を聴いたわけですが、ベッリーニの良さが詰まった最高傑作だと改めて思いました。









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