投稿日:2014年09月28日 (日) 14時15分
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今週末までホームページの本文が更新できない状況なので、代わりに掲示板に掲載します。 2014年9月27日のNHK交響楽団定期演奏会の感想です。
N響第1789回定期演奏会 於:NHKホール 指揮:ヘルベルト・ブロムシュテット
プログラム モーツァルト 交響曲第41番ハ長調K.551「ジュピター」 チャイコフスキー 交響曲第6番ロ短調作品74「悲愴」
主な演奏者(敬称略) コンサートマスター:篠崎史紀 セカンドヴァイオリントップ:白井篤 ヴィオラトップ:佐々木亮 チェロトップ:藤森亮一 コントラバストップ:吉田秀 第一フルート:甲斐雅之 第一オーボエ:青山聖樹 第一クラリネット:松本健司 第一ファゴット:宇賀神広宣 第一ホルン:福川伸陽 第一トランペット:菊本和昭 第一トロンボーン:新田幹男 チューバ:池田幸弘 ティンパニ:植松透 大太鼓:石川達也 シンバル&タムタム:竹島悟史 弦楽器の構成 モーツァルト:変則12型(12-12-8-6-4) チャイコフスキー:変則16型(16-16-12-10-8)
感想 いつものブロムシュテットで、ヴァイオリンの左右対抗配置。 それにしてもブロムシュテットはお元気です。先日マゼールが亡くなるなど、1920年代生まれの指揮者がどんどんリタイアされる中、87歳のブロムシュテットは若いころと変わらない指揮姿を見せています。 音楽のつくりはそれでも昔とはずいぶん変わってきているように思います。 モーツァルトは指揮棒なしでの演奏。指揮姿がやわらかで、それに伴うN響の演奏も優美です。ただ精密な演奏というのとは違って、輪郭が僅かに霞んだ演奏なのですが、それがまた魅力的です。 第二楽章などは、休符でしっかり楔を打ちながら演奏していくので、優美ですがだれない。アクセントの付け方が、ピリオド楽器での演奏のように露骨ではないけれども、きっちり入っていて、一寸ロマンティックな味わいがあるところなど、流石ブロムシュテットと言うべきでしょう。オーソドックスというほどにはありふれておらず、だからと言って過激では決してない、老成した指揮者の芸だと思いました。 チャイコフスキーは、モーツァルトよりも音楽の振りが大きい。勿論、これは音楽作品自身の持っている特徴の違いなのですが、それ以上にブロムシュテットの音楽の運び方に違いがあると思いました。モーツァルトの自然と比較すればチャイコフスキーの人工と申し上げてもよいかもしれません。 第二楽章は、通常の演奏と比べると遅め。アレグロという感じではありません。トリルの部分は「もたもたしているかも」と思えるほど。一方、第三楽章のマーチはかなり早い演奏で、「そこまで急がなくてもよいのでは」と思うような演奏でした。この対比の強調が、チャイコフスキーの「悲愴」交響曲では必要とブロムシュテットは考えたのでしょう。 第4楽章の沈鬱はオーソドックスに攻めました。最後のコントラバスのピチカートが切なく響きました。 以上
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