投稿日:2014年04月30日 (水) 02時11分
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件名演奏会を聴いて参りました。今年が生誕150周年にあたるリヒャルト・シュトラウス・コンサートでしたが、どれも聴きなじみのない曲ばかりです。 前半の、「祝典前奏曲」はウィーン・コンツェルトハウスのこけら落しのため作曲されたとのことで、オルガンや金管楽器が鳴り響き、壮麗でいかにもおめでたい曲でした。日本政府の委嘱で作曲されたという「紀元2600年祝典曲」も同様に、たいへん大規模なオーケストラでしたが、日本風を特徴づけるためか、大小のりんが複数用いられたりしていました。盛り上がりを持って終わりましたが、感動するというようなものでもありませんでした。 後半のバレエ音楽「ヨセフの伝説」は、旧約聖書にあるエピソードからの台本によるものだそうで、バレエが踊られることが想像できるリズム感や、様々な曲想があり、とても面白い曲でした。そしてN響の演奏が素晴らしく、高らかな金管楽器の咆哮も上手く行くし、弦のソロやソリが非常に美しかったり、リヒャルト・シュトラウスらしい複雑な織物のような響きや、水が滴るようなところなど、ゾクゾクするような気分で聴きました。ネーメ・ヤルヴィさんが、R.シュトラウスの知られざる名曲を日本に紹介しようとされる意気込みがよく伝わったと思います。 このコンサートは、なにしろ全曲オルガンが入りますすし、大編成で大音量のところも多く、生で聴く喜びに満ちたものでした。聴く方はそうであっても、演奏される側はきっとたいへんだっただろうと思います。N響の方々には心から「お疲れ様でした」と申し上げたいと思いました。尚、この定期演奏会では、ファースト・ヴァイオリン・トップサイドに札響のコンサートマスター伊藤亮太郎さんがお乗りでした。 |
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