夕刻から始まった「そば処さくら」でのピアノソロコンサート、ひとときのくつろぎをありがとうございました。演奏中、飯田線の電車がときおり通過し、1日の仕事を終えて家路につく人たちの姿が車内のほのかな明かりの中で見え隠れしていました。こういうアットホームな雰囲気を身近に感じながらのコンサートもいいものだと感じました。音は自在なことばですね。人という違った身体に水のように形を変えてしみ込み包み込む、それが聴く人それぞれにある力を与えているように思います。特にウォンさんの演奏・曲にはそういう不思議な力があると思っています。
さて、お店でいただいたパンフレットの中の<拝啓>から始まる一文を読ませていただきました。私もまったくその通りだと共感しています。過日「アンフォルメル中川村美術館」で開催されていた「ガラス絵の宮沢賢治〜児玉房子展〜」を見に行き、（ちょうど小蕪亭の奥様とそこで偶然出会いました）その際、館内の売店で児玉房子氏のガラス絵の挿画による憲法9条のポスターを見つけ買い求めました。そこに掲げられた9条の文にひきつけられたのです。現代語訳憲法9条「やさしいことばで日本国憲法」とあり、池田香代子さんという方が訳したようです。ちょっとながくなりますが引用させていただきます。
わたしたちは、
心からもとめます。
世界中の国が、
正義と秩序をもとにした、
平和な関係になることを。
そのため、日本の私たちは、
戦争という国家の特別な権利を
放棄します。
国と国との争いを解決するために、
武力で脅したり、それを使ったり
しません。
これからは、ずっと。
この目的をまっとうするために、
陸軍、海軍、空軍そのほかの、
戦争で人を殺すための武器と、
そのために訓練された人々の組織を
けっして持ちません。
戦争で人を殺すのは罪ではない
という特権を国に
みとめません。
とても分かりやすくて、あらためて憲法9条のすばらしさが理解できるような文であると感じます。それにひきかえ、先ごろニュースで流れた野田総理大臣の自衛隊観艦式での訓示は領土問題の平和的外交努力もなしの不手際を顧みず逆にこれ幸いと自衛隊の重要性を強調しているように見えました。こういう人たちが上に立っているのは怖いことです！そういう人たちに政治は任せられない、、憲法9条を守ろうという運動は最近うねりをつくりつつありますが、平和な世界を実現するためには確かにウォンさんのおっしゃるようにそれなりの覚悟と勇気が必要でしょうね。私の覚悟と勇気は世界各地で活動されているウォンさんの1０分の一以下しかなさそうですが、それでも、このままでは・・という思いは増してきています。
すみません、長くなりました。ちょっとここで述べるようなことではなかったかも知れません。しかし<音のことば>は人に力（勇気）を与えてくれることは確かであると思います。ウォンさんのミュージックとコンサートが、これからも人々に優しさと勇気をもたらしてくださることを願っています。
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