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モノクロモーニング。の魅力




モーニング娘。―アイドル史おさらい、進化続ける 日経新聞
カオリンってだれ? ヨッスィーって? 名前も顔もチンプンカンプン。ならば、大人の楽しみ方をしよう。モー娘こと「モーニング娘。」は、過去のアイドルたちを下敷きにしながら大きくなってきたフシがある。モー娘を“原典”から探ってみよう。

 「モー娘、おニャン子起源説」がある。テレビ番組のオーディションから生まれた点や、大人数のグループを母体としながら小グループやソロ歌手を次々とデビューさせる手法が、一九八〇年代半ばのアイドル「おニャン子クラブ」と似ているからだ。

 だが、モー娘のスタッフの一人は否定する。「ヒントは八〇年代に活躍した海外の男性アイドルグループ。グループ名は残しつつ、ある年齢に達したら卒業させ、若いメンバーを入れて新陳代謝させる手法が新しかった」と明かす。

 デビュー時のモー娘は、今のようなディスコ調ではなく、コーラス重視の青春ポップスを歌った。このB級アイドル時代は「年下の男の子」のころの初期キャンディーズと相似形だと思えばいい。

 だがデビューから一年半過ぎた九九年夏、モー娘は突如としてA級アイドルに浮上した。ユニークな振り付けの「LOVEマシーン」が大ヒットしたのだ。
 子供にも大人にも受ける振り付けで国民的なヒット……。キャンディーズ路線からピンク・レディー路線への転向だ。「LOVEマシーン」は「UFO」に相当する。スタッフも「格好良すぎる振り付けでは大衆がついてこない。意図的に変なダンスも入れた。その辺りの狙いは同じ」と認める。

 歴史をおさらいしよう。キャンディーズが引退し、ピンク・レディーが頂点に達したのは七〇年代末。だがピンク・レディー人気は急速に衰えた。一因は「モンスター」など子供向けの曲にシフトし過ぎて、健康的なお色気という本来の魅力が薄れたからだろう。

 モー娘はその教訓も生かした。子供向けの部分を「ミニモニ。」というグループ内の別動隊に任せ、本体のイメージを守った。この「グループ内別動隊」を駆使して、さらなる「アイドル史のおさらい」をやっているのが、今のモー娘だと思えばいい。「タンポポ」はダイアナ・ロスのいた六〇年代米国の「シュープリームス」風の曲を歌い、「プッチモニ」はライバルだった「SPEED」の路線を踏襲し……。
 
次々と目先を変え、メンバーの新陳代謝を続けるのは、ほかでもない、そうしなければすぐに飽きられ、消費され尽くしてしまうからだ。アイドル史をたどり、教訓を生かしながら、進化する。それがモー娘なのだ。(俊)
掲載日:01/07/02


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