| モーニング娘。8人で快走中 新曲、元気で前向き |
朝日新聞
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テレビのオーディション番組から生まれたグループ「モーニング娘。」が好調だ。最新シングル「LOVEマシーン」は、ヒットチャートで3週連続トップを続けている。5人組でスタートし、「増減」「分派」を繰り返しながら、その過程が茶の間にさらされる8人組。リーダーの中澤裕子をはじめ、市井紗耶香、後藤真希の3人に話を聞き、「人気の秘密」を探った。
新曲はノリのいい曲調。コミカルなダンスを踊りながら歌う。最近の「いやし系」ブームなど、どこ吹く風とばかりに、日本の閉そく感を吹き飛ばせという応援歌のように聞こえる。「前の曲がバラードだったから予想はつきました」と中澤。プロデューサーのつんくから曲を受けとった時は「前向きな歌詞で元気な曲、すぐに気に入った」(市井)という。 しかし、振り付けには驚いた。盆踊りのような動きなど三枚目的なダンスだったからだ。戸惑いに対し、つんくは「ダサかっこいい方がいい」と言った。ダサいけれども、かっこいい。そんな発想は、メンバーたちがもともと「落選組」だったこととも結びつく。メンバーはテレビ東京系の番組「ASAYAN」のオーディションに応募、最終選考の十一人に残ったが、別の人が選ばれた。落選組から五人が集められたのが「モーニング娘。」。番組はCD五万枚を手売りしてデビューにこぎつける姿を放送した。 後に市井ら三人が参加し、昨年、紅白歌合戦の出場など大活躍。今年四月にはオリジナルメンバーの福田明日香が脱退、九月から後藤が加わった。先ごろ解散を発表したSPEEDと異なり、グループを母艦としながら、八人は次々と分派活動もしている。中澤は演歌歌手としてソロデビュー、三人組の「たんぽぽ」、市井らによる新三人組の結成も発表された。 よく「平成のおニャン子クラブ」と呼ばれるが、「もともと、お互いにライバル同士」と中澤。市井ら三人が増えた時も、ギスギスしたムードが流れたという。「私たちがデビューまでにした苦労もしないで、という思いはありました」
市井は「無視されたら、新加入の三人だけでも仲良くやろうねと約束していた」という。後藤は「娘」の過去もヒット曲も知らず、コンサート前に過去の曲と振り付けをすべて覚えなければならなかった。「甘い気持ちは吹っ飛びました。覚えるしか認められないわけだから」 中澤は「よく話題先行といわれます。後藤が入ったから一位になれた、なんて言われるとくやしい。だから、ほかのメンバーはもっとがんばる。分派活動もライバル心を持ち、いい意味で刺激になっています」と話している。
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掲載日:99/10/09 |
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