| 背が低くても魅力的、元気与えるアイドル |
日経新聞
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「白上げて 赤上げて 大阪弁じゃインジャンぴょい ジャンケンぴょん ジャンケンぴょん」――四人の女の子がぴょんぴょん跳びはねながら、こんな珍妙な歌を楽しげにうたい踊っている。 「へんてこな歌だな。はないちもんめみたいな遊びのわらべ歌かな。それにしても今まで聞いたことないな」と私が言うと、「おじさん、わかってないな」という顔をして、こう説明した。「これ、『ミニモニ。』のデビュー曲で、『ミニモニ。ジャンケンぴょん!』っていう歌なんだよ、ね」「うん、いま超ヒットしてるんだよ」 女の子たちは、東京都内の小学五年生で、いつもカラオケごっこを楽しんでいる仲良し四人組。彼女たちの解説によれば、「ミニモニ。」とは、いまや人気アイドル・グループに成長した「モーニング娘。」の中から、身長一五〇センチ以下の少女たちを中心に結成した四人組ユニット。ちびっこであることをチャームポイントにして売り出した元気印の十代アイドルグループである。 「五年になると、同級生はみんな急に背が伸びてかっこよくなるのに、私たちはちっとも伸びないで、みんな一四〇センチ以下なんだよ。男の子からはちびってからかわれるし、いつもひけめ感じていたんだ」「だけどミニモニが出てきて、私たち勇気と希望を与えられたよね」「うん、だって『私たち、背が伸びないでよかった。ちびがチャームポイント』って胸はって言ってるんだもん」 「ミニモニ。」も「モーニング娘。」も飛び抜けて美人でもないし、歌がうまいわけでもない。しかし、みんなが親しみを感じて一緒に歌い踊りたくなるように、元気で明るい魅力をアピールしている。このアイドルグループは、日本のごく普通の女の子たちに「みんなそのまんまで十分に魅力的で輝いているよ」と激励のメッセージを送り続けている。
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掲載日:01/02/02 |
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