| 涙のたび、ひとつになれる |
読売新聞
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もーにんぐむすめ。 よく泣くグループである。昨年はレコード大賞の最優秀新人賞の獲得や「紅白」初出場などでうれし泣きしたが、今年もやっぱり泣いた。「どうでもいいことなら泣きません。私たちはメンバー全員がライバルと思い、いつも一生懸命なんです。本当にうれしい、本当に悲しいと感じるからこそ泣いてしまう」と、リーダーの中澤裕子。 四月に福田明日香が脱退した時に惜別の涙を流した。九月には代わってメンバーに仲間入りした後藤真希が、踊りをなかなか覚えられずに大泣きした。そして、“天然ボケ発言”で周囲を笑わせる飯田圭織も悔し涙を流した。夏にシングル「ふるさと」を出した時のこと。メーンボーカルを安倍なつみに譲って、残る全員がコーラスに回らされたのだ。「私が歌うところがない。最初は納得したつもりでも、やっぱり泣いちゃった」――。 しかし、この時に彼女たちが蓄えたエネルギーが、後の「LOVEマシーン」(ゼティマ)の大ヒットにつながった。中澤は「明日香が辞めてから、どうなるのか心配だった。もう必死でした。一人でも手を抜いていたら、この結果は出なかったでしょう。あの時の涙で私たちは一つになれたと思う」と振り返る。 コミカルに、パワフルに歌い踊るうちに、この「LOVEマシーン」の売り上げは百三十万枚を突破。不景気風を吹っ飛ばせとばかりに、全国の津々浦々で歌われている。会社の忘年会でも、幼稚園のお遊戯会でも。 「モーニング娘。」としてだけでなく、個々の活動も好調だ。十一月にデビューした新ユニット「プッチモニ」は、飯田たちの「タンポポ」とヒットチャートの上位を激しく競い合うまでに。お互いがライバルと公言するだけに、仲が悪くなるのではと心配する声もあるが、そんなことはなさそう。 飯田は、いかにも楽しげにこう説明する。 「今の私たちは家族という感じ。お父さんが帰って来た時に機嫌が悪かったら、心配して肩もんであげるでしょ。それと同じで、外の仕事は大変なんだとお互いに考えるようになっています。要するに以心伝心なのよ」 二度目の「紅白」出場も決まった。追い風に乗って来年も、というところで、またまた涙を流すことに。石黒彩が、「ファッションの勉強に打ち込むために」と、突然に脱退を表明したのだ。「最初から一緒にやって来たメンバーだけに、いなくなるのは寂しい。悩んでいる時に相談に乗ってあげられなかったのが悔しい」こう言って目を潤ませる中澤だが、「でもさあ、あやっぺが辞めると二十代って私一人だよ。もうダントツじゃない。二十代の女ってつまらないと言われないように、人間を磨かないとなあ」――。 気合一発、どこまでもはじける。二〇〇〇年もファンを飽きさせそうにない。
《聞かせて》 Q・安倍さんはニューヨークでレッスンを受けたそうですが、勉強になったことは何ですか。 A・基本的な発声、ヒップホップのダンス、アメリカンマイムのレッスンを受けました。アーティストのあり方や周りを見ながら人を楽しませることの大事さなどを学び、精神的に強くなりました。また、自分に足りない弱い部分も分かったので、また行きたいです。(安倍なつみ)
Q・ドラマなど歌以外の活動はしないのですか。 A・来月始まる「モーニング娘。のへそ」(テレビ東京)という五分間番組でドラマをやります。花屋とカフェでの出来事を演じますが、ドラマは難しいし時間もかかって大変。でも、ワイワイと楽しいので、今度はいじめ役かいじめられる役なんかもやってみたいですねー。(保田圭) Q・みなさんはパソコンを持っていますか。 パソコンは持っていないですけど、今度iBookが手に入るのでファンの皆さんのホームページを見てみたい。あとチャットもやってみたいな。(市井紗耶香)
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掲載日:99/12/23 |
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