| 矢口真里・・・垣間見た努力 |
信濃毎日
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モーニング娘の人気がメンバーの新陳代謝によって活性化され続けていることは、ご存じの通り。新たに四人のメンバーが加入しました。そして新陳代謝によってモー娘の核が揺れ動くことも、ファンのみならず多くの人の興味を引き寄せ続ける重要なポイントです。だれが一番の人気者で、モー娘。の輝きの中心になっているのかを、写真や歌うときの立ち位置、活動量などであからさまに見せつけてきました。 人気がぐっと上がったころ、核は安倍なつみでした。そして後藤真希、最近は石川梨華へ移りつつあります。そのめまぐるしい変動の中で、常にベスト3圏内とおぼしき好位置をキープしてきたのは、矢口真里です。からだは小さいけれど、元気のよさと主張の強さは人一倍というあたりがセールス・ポイント。ミニモニの結成を呼びかけたのも彼女です。 好位置をキープするための努力の一端を、先日垣間見ることができました。日本テレビ・TSBで放送されている「モー。たいへんでした」という番組でのこと。読売新聞の紙面に番組のための連載枠をもらおうという企画で、モー娘のメンバーが社長室を訪れました。そこにいたのはもちろん、巨人軍のオーナーとしてスポーツ新聞でその発言が取りざたされることも多い渡辺恒雄社長。矢口は大勝負に出ました。「この中でだれが一番好みですか?」。照れる社長の答えは「君かな」。 それが、会話の流れに沿った無難な答えとして選ばれたのか、自分と相通じるような権力への強い意志を矢口に感じとってのことなのかは、私にわかるはずもありません。いずれにしろ、高そうな葉巻を手にそんなことを答えている渡辺社長の姿に「日本のメディア王」というテロップがのった光景が、ちょっと間抜けだったことは確か。日本のメディア王をそんなふうに見せてしまった矢口には、とりあえず拍手を送りたいと思います。(放送作家)
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掲載日:01/09/19 |
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