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モノクロモーニング。の魅力




21世紀初の「紅白」 ほんとにほんとにご苦労さん、だったモーニング娘。 朝日新聞

 
 今回の紅白歌合戦、NHKホールの楽屋口で4時間15分、モニターテレビを見続けた記者の感想は、「よくやった」。華がなく地味だ、なぜ今ドリフ? どうして16年ぶり森昌子? と思わせる少々強引な企画コーナーだったが、収穫もあった。
 
 舞台と楽屋の往復回数で群を抜いていたのが「モーニング娘。」。黒ずくめでキメたこわもての業界人、マスコミ関係者があふれる中を「よろしくお願いしまーっす」と何度も走り抜ける。幼い顔の一つひとつにスターとしての自信があふれていた。が、それが週刊誌には「視聴率50%も無理『学芸会』紅白歌合戦」と映るのか。
    
 土壇場の辞退でばたついたSMAP。“みそぎ払い”の先陣を切るかに見えた今紅白だが、ふたを開ければ、SMAPなしでも「やれる」ことの先べんをつけた形。これほどジャニーズ色が薄い紅白も久々か。その分、松浦亜弥、「モー娘。」のつんくファミリーが目立ちまくった。
 
 「全員集合!」も「せんせい」も好感がもてたし、懐かしさ全開。だけど、夕日の最後の一閃(いっせん)を見るようで、痛々しさも。「これをやったらおしまい」的な企画では。次回はどうするか。まして、聖歌隊コーナーの時間は短すぎた。浜崎あゆみやGacktでも出ていれば。「NHKよ、お前もか」と期待と嫌悪半々だった加藤茶の「ちょっとだけよ」も中途半端か。ウルフルズとRe:Japanの「明日があるさ」競演は、同じくレトロだがまだしも「今」を感じさせた。
    
 阿部渉アナは緊張ぶりが初々しかったし、本番でキャイ〜ンのウドからやおらプライベートを突っ込まれた有働由美子アナも○(マル)。局アナのおかげで歌手が引き立ったし、歌手のメッセージの代読も大過なし。
    
 で、結果は。前後半の視聴率は各38・1%、48・5%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。スポーツ各紙は期待度の裏返しなのだろうか、「じり貧」「紅白真っ青」の字が躍る。でも民放がよってたかっても、紅白の後半視聴率は前回を上回った。
 
最強の裏番組として、TBSは殺し合いさながらの異種格闘技を持ってきた。もとい、注目の一戦は、まったく組み合わずに引き分けるという、平和的解決をした格好だ。紅白「合戦」の結果は26勝26敗。どちらもまるくおさまった。「こんなもんじゃないか」に落ち着いた大みそかだった。(宮崎陽介)
掲載日:01/01/04


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