| リーダー中澤ゆうこさん――いま夢多きお母さん |
日経新聞
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「モーニング娘。」のリーダーとして十人の大所帯を引っ張る。春に加入した新メンバー四人のうち、二人はまだ中学一年生。二十七歳になった中澤は「お母さんのように接しています」と苦笑い。お茶の間にいる三十代以上の視聴者と十代前半のメンバーのギャップを埋める橋渡し役として、今や貴重な存在だ。 「昨年の前半は、これから私たちはいったいどうなるのか、不安でたまらなかったんです」。このままでは芸能界から消えていってしまうという危機感がピークに達したのは一年前の夏。売り上げも伸び悩み、「 頑張っても空回りしている感じでした」。 そんな流れを吹き飛ばしたのが昨秋の「LOVEマシーン」の大ヒット。「危機感から、メンバー全員の気持ちが一つになったんです。とにかく必死でした」。その必死さがもたらした破天荒なダンスと不景気を吹き飛ばす明るい曲が受けて、大人も子供もカラオケで歌い踊り、七〇年代のピンク・レディーに通じる大衆性を獲得した。 「実は私、幼いころピンク・レディーにあこがれていたんですよ。夢がかなったわけですけど、近ごろモーニング娘という名前が独り歩きし始めた気もします」と明かす。「ちまたにあふれるモーニング娘の中に、確かに私もいるんだけど、その存在をなかなか実感できないんです」と急速に巨大化するグループに戸惑いを隠せない様子だ。 ソロ歌手としても活躍中で、新曲「上海の風」を出したばかり。「中澤ゆうこにとって、モーニング娘は強力なライバルであり、怖い怖い存在。まだまだモーニング娘には勝てないけど、将来グループを卒業する日が来たら、絶対にソロ歌手として頑張っていこうと思っています」。グループでは「お母さん」役を自任する彼女だが、素顔は夢多き若者であった。
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掲載日:00/07/27 |
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