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モーニング娘。の記事データベース

モノクロモーニング。の魅力




21世紀挑む若者たち/99新年号 北海道新聞
<・第8部 道央圏特集>(2の1)*自分信じ頑張る
■「モーニング娘。」のメーンボーカル 安倍なつみさん(17)
 
不況にあえぎ続ける北海道。しかし、どんな時代でも、常に若い力は次の一歩への希望と原動力だ。ふるさと道央を舞台に、あるいは故郷の応援を背に受けて、伸び続ける芽がある。未完の才能とひたむきな努力が出会う時、夢は必ず大きく羽ばたく。一九九九年。二十一世紀は目前だ。世紀を超えて飛翔(ひしょう)する若者たちに会いに行った。
 
街のあちこちで、メンバー八人の個性的な歌声を耳にした。昨年一月、テレビ局のオーディション番組からデビューした「モーニング娘。」。三枚目のシングルがCDの発売枚数を公表する週刊誌・オリコンで一位を記録、NHK紅白歌合戦にも初出場するなど、一気にトップスターの仲間入りを果たした。メーンボーカルは室蘭市出身の安倍なつみさん(17)。メンバーのうち飯田圭織さん(17)、石黒彩さん(20)も札幌市と、三人が道央圏出身だ。
 
安倍さんが「歌手になりたい」と強く思ったのは、中三のとき。学校で靴を隠されたり、友達に「むかつく」と理由も分からないまま、いじめに遭っていた。「落ち込む日が続いたんですが、そんなとき、ラジオから流れてきた函館出身のバンド『ジュディ・アンド・マリー』の曲に元気づけられて。人に勇気をくれる曲を、自分も歌いたいって思ったんです」
 
オーディションでは、落選して夢を絶たれかけた。「敗者復活」で与えられたデビューの最後のチャンスは「五日間でCD五万枚を完売する」という難しい条件。CDにつけるサインを書きながら、眠れない日が続いた。不安が膨らんだ。「でも『ここまで来たんだから、夢を逃したくない』というやる気の方が強かった。最後は自分が続けてきた歌の練習や発声を思い出しながら、『成せばなる何事も』の心境でした」
 
その頑張りと成功は、二歳年上の姉にも影響を与え、姉は中断していたデザインの勉強を再び始めたという。「無理と思うことがあっても、希望の職業や学校でなくても、すぐに信念を曲げないで」。そして、続けた。「今年は自分で歌詞を作るという、次の夢に向けて勉強を始めようと思っています。みなさんも自分を信じてお互いに頑張りましょう」
 遠く離れた故郷の友に呼び掛けるような言葉が、東京のスタジオに響いた。
<用語解説>
*モーニング娘。
 一九九八年一月、シャ乱Qのつんくの命名、プロデュースでデビュー。当初のメンバーは道央圏出身の三人を含む五人だったが、同五月に八人に増員された。年齢も十四歳から二十五歳までと幅広く、出身地も東京や京都などさまざま。飯田さん、石黒さんは十一月から別ユニット・タンポポとしても活動している。                                    ◇

☆流星都市さんの推薦記事です
掲載日:99/01/01


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