投稿日:2006年05月04日 (木) 17時54分
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二期会の「皇帝ティトの慈悲」をご覧になった方はいないでしょうか? 大変な舞台で皆さんはどんなご感想かと私はこの欄を楽しみにしていたのですが、誰もお書きにならないので、私に書かせていただきます。 私は先にゲネプロを見に行き、最初は馬鹿馬鹿しくて半分寝てしまったのですが、次第にこうしたやり方も面白いかもしれないと感じ、改めて本公演最終日の3月19日にもう一度ちゃんと見たと言う訳です。 お出でになsらない方のため簡単にご紹介すると、ハンブルク歌劇場との共同制作とのことで、ドイツのコンヴィテュニーという演出家の演出(編作と言うべきかもしれない)で、モーツァルトのオペラ・セリアをかなりどぎついオペラ・ブッファのスタイルで見せたもの。 全体に「昔のローマはこんなだった」という但し書きがあるのですが、例えば舞台中央に「殿方用」と書いた小ボックスが作られ、群集の前で王様が出たり入ったりする...... etc.etc.という具合です。 文句なしに感心したのは、各歌い手がよく勉強して、モーツァルトの難しい装飾樂句いっぱいのアリアを、すべて及第点で歌いこなしたことと、セッコのレチタティーヴォで、日本人としては恐らく初めての感情豊かな表現が出来たことです。中には声もよく出て、海外の一流歌手に負けない歌い手もいました。初めて聞いた音楽も予想外に立派で、オーケストラはいい響きを聴かせました。 問題の演出ですが、野心的に喜劇仕立てにしたのが、多少の手直しでは風刺性も中途半端の上、装置・衣装・演技がかなり安っぽくて、戴冠式のため作ったオペラ・セリアとは余りにもかけ離れた舞台で、最初はがっかりしたのですが、考えるとモーツァルトの性格では彼自身が見たら大喜びするに違いないし、またまともに上演したら、セっコの部分などそれこそ退屈になったと思うので、こうした扱いも成り立つのではないかと、やや納得させられた次第です。 皆さんはどんなご感想でしょうか? 管理人さんはご覧になりましたか? ご意見をお聞かせください。 |
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