偶然ここにたどり着きました。モラハラ夫（おっと）って言葉、新聞で読んだ気はするけど、今から思い出せば、私の元夫も十分そうだ･･･いやあれはハッキリとDVだった。（すでに離婚して10年になる･･･）「魚の話」「モラ版夕鶴」は、あまりにもリアルでぞっとさせられる。あの事の異常さは、女性にしか理解できない気がする。
　テレクラやギャンブル通い・職場の同僚へのオゴリ等に費やす借金で首の回らなくなったアレと、７月のその日は口もきかず、最低の1日の始まりだった。（1月の阪神大震災以来、借金の事が明るみに出て、半年近くまともに話もしてなかった。）
　買い物の荷物もちの事（元夫は肩を壊している･･･というのが常套句で荷物など持った事は殆どない）・お金の事で言い争いが始まり（生活費は折半で、住まいは元夫の会社持ち、それなのに「女がいるとトイレットペーパーにも金がかかる」とまで言いやがる。それなら結婚なんかするな。）、それまでは少しずつでも定額をキチンと返済させてたのにそれも返さなくなった話題に移り、「あんたの借金は私にはカンケーない･･･」という口論の始まった10秒以内に、私は顔面（下あご）を殴られ、その瞬間「気に入らん事を言えば何回でも殴ってやる」と、捨てゼリフを吐き、古いマンションの木製のドアを蹴破らんばかりにケとばして、部屋を出て行った。呆然とした気持ちと怒り・情けなさ、そして殴られたことが何回も思い返され、恐怖となってよみがえる･･･。なんとか、気を取り直し、即引っ越すための準備を始めた。職場にも近く結婚前にずっと住んでた町へ直行し、賃貸専門の不動産屋で何軒かアパートを見せてもらい、夜になる頃には、何とか１部屋、仮押さえまで進める事ができた。次は、独身の頃によく通った質屋へ向かい、唯一の財産である結婚指輪も叩き売った。顔馴染みのオバちゃんは「結婚指輪はイニシャルが入っていて、たいした額にならなくてごめんネ」と言いながら３千円渡してくれた。家に戻るとアレが暗い部屋にいたが、３千円を目の前に突き出し「指輪売ってきた」とだけ伝え、私は黙って引越しの準備を始めた。普段から、縦の物を横にもしない、私が洗濯物を干している最中にも、寝そべったまま平然と「灰皿取って」と言う奴だったが（おまえのオカンは取ってくれたのだろうが、私はそんな事は絶対してやらなかった）、結局すべての荷造りをしたのは、私ひとりだった。その間、アレは会社の集金のお金を持ち逃げし、どこかへ旅行に行ってたらしい。そのうえ、同じ市内の実家へ戻り自分の母親に会い、生活費が足りないので援助してほしいと、恥知らずな事を頼み、市営住宅の安い家賃も滞納している一人暮らしの母親からお金をもぎ取り（そんな育て方をしたからアンナ奴になったのだが）姿をくらましていた。
　幸いな事に、元々、アレとの子どもを作る気がなかったので、離婚届も何とか滞りなく提出できた。アレに用紙を触らせないために、ちょっとした手間はかけたが･･･。あまり長続きする結婚生活とも思えなかったので、姓はこちらに変えさせてたから、こちらは何の不都合もナイ。（こんな時こそ、学歴の差を十分に利用してやる。こっちが上だ）どうして離婚届にまで証人が二人も必要なのだろうか･･･？婚姻届けは頼みやすいが、離婚届は円満な場合ばかりじゃないので、頼める人を選ぶのがムズカシイ。
　普段通りに仕事もしなければならない。腫れ上がったアゴの事も同僚に尋ねられるし、大物の引越しが終わった後も、自転車で４０分以上かかる距離を少しずつ荷物を運んだ。アレの荷物は着払いで実家へ送った。（住まいが会社のものだったので、行方不明になった社員の妻である私も、さっさと家を引き払わなければならなかった）
　元々、仕事の時間帯が異なるので、結婚してた時も別の部屋で寝起きしてたが、不健康でニコチン中毒・眠りの浅いアレは、夜中に何度も目が覚める。私がイヤホンをつけて、極小のボリュームでCDを聞いていても、いやがらせのように「うるさくて眠れない！」と声を荒げていた･･･。
　最近、奈良で小学生の女の子を手に掛け命まで奪った男と、同じ職業・同じ姓で、新聞でフルネームを見るまで、犯人がアレだったらどうしようとビクビクしていた。（アレは、一人で遊ぶための趣味さえ持ってなかった･･･。えらそうな事を並べ立てても、風俗かギャンブルか、他人の用意してくれたものに乗っかるだけのツマラナイ奴だった。）
　離婚して一番すっきりしたのは、暑がりの清潔志向で一日に２回風呂に入るアレのために、朝晩２回、毎日していたアレの洗濯物を洗わなくてよくなった事だった。こんなモノ料理じゃないと、罵声を浴びせられる事もなくなって、スッとした。
　モラ夫は最近特に増えた訳じゃなく、黙ってた女の人たちが、少しずつ自分の言葉で、自分の事を考え始めたから、明るみに出てきたんだと思います。また昔タイプと今タイプと、２種類のモラ夫がいるような気がしますが、どんなものでしょうか･･･？とりとめもない内容で、ゴメンナサイ。

過去形である事がせめてもの救いです。
今はお幸せですか？
・・・あれ以上の不幸は無いって笑われそうです。

　思い返すと、実は、私は子どもの頃から、ただの一度も、不幸とか幸福とか、考えた事がナイ！なぜかなあ？高校受験の直前に、働きすぎで過労死直前だった父が脳梗塞で倒れ、集中治療室に緊急入院した時でさえ、しんどかったけど、不幸とは思わなかった。お金はなかったけど、がんばった母のおかげで、自分も妹もその上の学校まで進学させてもらえたし･･･。（時々、不幸・幸福についてよく思い巡らす友人からは、そんな人生を送ってきて、不幸と思わなかったのか？と質問を受けるが、いまいち実感が湧かない。）
　たまの休みの時間の使い方までウダウダ言われた、あの思い出したくもない結婚生活に比べたら、今は男友達とブラブラ梅見物に出かけたり、好きなところで立ち止まって、偶然出会った犬の背中を撫でてやる事もできる。これがササヤカな幸せ？私のモノローグに対して、まじめに問いかけて下さったのに、答えになってなくてスミマセン。
　でもあの時は、離婚にいたる状況を、時間がたっても絶対に忘れたくないと、新聞チラシの裏側に、毎日日記をつけていた･･･。だから、この欄に、様々な状況の女の人たちが書き込みされているのは、とてもよくわかります。