初めは、変わった眼鏡ぐらいにしか見えなかった。今では、フルタイプのヘルメットのような形になった。
それは、僕が一人暮らしを始めてからようやく余裕ができ始めた日のこと、ひとつの小包が届いた。送り主が書いてないが、ま、いいか。僕は、包みを開けた。中には、一枚の紙が入っていたそこには、モニターに当たった事、一ヶ月に一回ぐらいアンケートに答えることなど規約が書いてあったが、別に疑うような内容ではなかったのでそのまま受け取ることにした。
入っていたのは、水中眼鏡のような形をしたものと幾つかのケーブルの束だった。
取扱説明書によるとコードの先の電極を指につなげば良いようなので早速その様にしてメガネをかけてスイッチを入れてみた、
すると、少しくらっとしたような気がしただけで、別に特別な変化はすぐには感じられなかった。しかししばらくして慣れて来ると、違和感があるのがわかった。部屋が広く感じるのだ、しかもどうやら外のような感じがするみたいなのだ。しかも時速にして五十キロぐらいで走っているようなのだ。これがバーチャルなのかなーと思った。しかもこれは、ネットワークしている様なのである　ちょうど、ハビタットみたいなものか？そうすると、頭を変えたりも出来るのだろう。今の自分の格好は､判らない、自分が見えないのだハビタットなら自分が見えるので頭を変えたりするのも良いかも知れないが、これでは、変える意味がない。しかしまあ何にせよ、ちょっと気に入ったので、しばらく使わせて貰う事にした。