予想通り過疎化が進みますが、見ている人がいらっしゃるかどうかわかりませんが、一ヶ月ごとにネタはきちんと投入します。意地です。作った人の。
今回は第61魔法分隊。電撃文庫から出ている小説です。現在四巻。先月最新刊が出ました。
とりあえず、ちょっとしたあらすじを説明。
法力、というエネルギーが存在する世界。 その法力を扱う技術者を「契法士」と呼ぶ。
そんな法力技術が飛び抜けて発達した国「ギースニデル王国」を舞台に凍土緑地化計画「ベルマリオン計画」を中心にして繰り広げられる国家間の争い、人々の動きなどが語られるのが本作。
そしてその混乱の激動の中で、後にバラバラになりながらも活躍するのが題名の「第61分隊」のメンバー。
第一巻は話の導入部&キャラ紹介なので後々のシリーズとはえらい違いです。第61分隊の一年間の日常とカリス教団、禁止器を巡る戦いを描くお話。主人公はロギューネ・リーベルタ。短縮詠唱を用いて高速で術を組み立てる青年。
第二巻は軍隊に占拠された水の都、ファルマスで繰り広げられる数日の解放までの動き。海を舞台に繰り広げられる戦艦との戦闘シーンや集団魔法シーンは圧巻。主人公は前巻のサブヒロイン、デリエル・グリックシュテン。分隊中最強の長距離&高出力の術を撃つ少女。
第三巻は首都を舞台に今まで様々な目的で利用されてきたカリス教団の誕生の歴史、そして崩壊に至らせた者たちを語るお話。主人公は一応メインヒロインのはずと思われるシュナーナ・グリックシュテン。デリエルの姉。法力治癒を得意とする。
第四巻は王家のいざこざに決着がつけられるまでを語るお話。主人公は全編に渡って多大な影響力を持つ男の娘、キキノ。隠れた才能を持つ少女。
第五巻で終了予定。残された問題はただ一つ。ベルマリオン計画。おそらくそれを実行するか否か。そして隣国との争いの問題は?という内容になるかと予想されます。
恐ろしく世界設定、魔法設定が緻密で特に魔法理論は正に物理学並みのレベルをこの世界では持っているんだなぁ、というほど緻密。基本的にはただの光のエネルギー物体なのに、かなり扱いに幅を持たせています。どのような形でどんな魔法が成り立つか、がこの小説の魅力の一つでもあります。
読み応えはありますし、1冊1冊でとりあえず完結はしているのでとっつきやすいです。
ただ、欠点も多数あります。
まず設定がバリバリに多いので、一旦説明に入るとそれはもうダラダラダラダラと延々と長くてわかりにくい講義が入ります。わかりにくいのがネックです。
また、一巻以降どんどん話の緩急の付け方、盛り上がりのさせ方などが欠けて来てさらにダラダラ度が高まっています。盛り上がったー!と思った展開でも急速に萎みます。泣けてきます。
キャラクターも心理描写があまり入らず、何を考えているのかよくわからない。口調に特徴があるキャラが少ない割にはキャラが多いので誰が喋っているかわからない、というところがあるのも問題。
それでも、魔法の面白さ、戦争シーンの書き方の上手さ、などの魅力はあります。
巻数も少なく、きちんと毎回完結させているのは確かなのでもし合わなかったら続きをさして気にする必要もなく続刊は買わなくていいので、安心して読めます。
ちょっと堅い話を読みたくなったら、ぴったりかもしれません。
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