北アルプス玄関口で地震多発 「落石注意」相次ぐ地鳴り
朝日新聞:2020/5/7
https://www.asahi.com/articles/ASN536VJGN4ZUOOB00T.html抜粋引用します。
北アルプスの玄関口、上高地(長野県松本市)周辺で、4月下旬から地震が続いている。
(中略)
先月29日、取材のため上高地を訪ねた。バスターミナルから徒歩約1時間の明神池への遊歩道では、地震の影響とみられる地割れ(幅約5センチ、長さ約10メートル)が1カ所あった。また、明神池手前では、ひと抱え以上もある巨大な落石が遊歩道をふさいでおり、「落石注意」の看板があった。
明神池では、地鳴りのような音が鳴り響いた。直後に足元が数秒間揺れ、湖面もわずかに波打った。気象庁のホームページを見ると、マグニチュードは2・7。地図上で震源を示すバツ印は上高地付近を示していた。観光名所の河童橋(かっぱばし)近くのホテルの従業員は「23日は余震も多く、雪崩が多発した」と話す。河童橋からは真っ白に雪化粧した穂高連峰が望め、谷筋には雪崩の跡が確認できた。
長野地方気象台によると、22日未明に震度3を観測して以降、5月1日正午までに県中部で計57回の揺れを観測。ほとんどの震源が上高地付近に集中し、最も大きな揺れは4月23日の震度4だった。
上高地周辺では1998年夏にも約3カ月間、震度1以上の揺れを200回以上観測。うち2回はマグニチュード5以上で、上高地の入り口、大正池付近を走行中のタクシーに落石が直撃するなどの被害があり、客足も落ち込んだという。今回の地震では、遊歩道に落石や地割れが何カ所もあり、上高地温泉ホテルでは26日に従業員らを避難のために下山させたという。
「山に囲まれているので水や電気が止まってしまわないだろうか……」。バスターミナルからほど近い、小梨平キャンプ場の支配人斉藤正仁さん(62)は心配する。最初の地震があった22日未明、地鳴りと大きな揺れで目が覚めた。その後も小刻みな揺れで寝付けない夜だったといい、「電気が止まればラジオしか情報がなくなるのがこわい」。
同気象台は、地震の原因を「特定できていない」としている。大正池近くにそびえる活火山の焼岳(2455メートル)の活動には特に変化は見られないという。同気象台は「過去にも地震が起きているので、今後も地震活動がしばらく続くことが考えられる」と注意を呼びかけている。
★★
20200507報告その2で報告した通り、
「長野県北部から中部に未完成さざ波雲と同時に、愛知県西部で、磁力の低下が観察された。
長野県北部から中部方面で、強い地震が予想されます。」
京都大学防災研究所年報より引用
「1998年8月から始まった飛騨山脈・上高地付近の地震活動は約1年6ヶ月程度継続し, この地域において地震観測が始まってから, 規模(M5.4)及び期間ともに最大の活動であった。この一連の活動は, 活動初期には飛騨山脈北部全域で活発な活動を示していたが, 1999年にはいってからは, 上高地, 穂高岳付近で活動が短期間に集中して発生する状態に変化したことがわかった。この群発地震活動が周辺域の地震活動域に及ぼした影響について調べた結果, 隣接する長野県中部地域において活動が活発化したことが明らかになった。」