【まとめ】
●東日本大震災:今後の地震活動;大地震と巨大地震は?
1,巨大地震に共通する余震活動
2011年から10年の後半5年間の地震活動は、本震前に比べて、
震源域中心部で静穏化している。
その一方で、周辺域で、活発な状態が続いている
2,東日本大震災と2004年スマトラ島沖地震の比較
東日本大震災から12年経過したが、2004年スマトラ沖巨大地震とその後12年と異なり、
周辺で、M8クラスの地震が発生しておらず、巨大地震が懸念されます。
3,日本の最近20年の巨大地震をみると、巨大地震の震源が南方に広がる傾向があり,今後は伊豆諸島沖や関東~九州~琉球にかけての海溝沿いでも巨大地震が発生する可能性がある。
【内容】
●東日本大震災:今後の地震活動;大きな地震は?
1,巨大地震に共通する余震活動
「大きくずれ動いた震源域の周辺で地震活動が活発化」
https://www.khb-tv.co.jp/news/14645596東北大学災害科学国際研究所2022/6/13;Press Release
地震のメカニズムの専門家で東北大学の遠田晋次教授は、東日本大震災から2021年までに大きな地震が相次いだ原因を突き止めるため、マグニチュード3以上の地震活動を分析した。
2011年から10年の後半5年間の地震活動は、
本震前に比べて、震源域中心部で静穏化している。
その一方で、周辺域で、活発な状態が続いている
1960年チリ地震M9.5、1964年アラスカ地震M9.2、2004年スマトラ島沖地震M9.2の余震活動も、震源域中心部は数年以内に終わり、逆に周辺域では、高い活動を保持している。
これは、超巨大地震の共通する特徴とみられる。
2,東日本大震災と2004年スマトラ島沖地震の比較
2004/12/26スマトラ島沖;マグニチュード9.1
8年後の2012年M8.2&M8.6巨大地震、
12年後の2016年M7.8巨大地震
これらの地震はプレート境界ではなく、少し離れたオーストラリアプレート内部で発生したものと見られます。「アウターライズ地震」と呼ばれるタイプの地震です。
それに対し、東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)の発生後、周辺で、M8クラスの地震は発生していません。
東日本大震災から12年経過しましたので、スマトラ沖巨大地震と同様に、M8クラスの地震が懸念されます。
3,石渡 明(2012)、日本地質学会コラム
世界のM9地震と地質学の課題
http://geosociety.jp/faq/content0365.html一部抜粋引用します。
今後もM8クラスの巨大地震が東北~北海道沖で引き続き頻発するか,これで収束するかは判断できないが,もともと日本の地震活動は世界で最も活発なことを念頭に置く必要がある。
巨大地震の震源が南方に広がる傾向があり(図1a),今後は伊豆諸島沖や関東~九州~琉球にかけての海溝沿いでも巨大地震が発生する可能性がある。
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上記図1aを下記に示した。
https://bbs2.sekkaku.net/bbs/upfile/ikaseqa--1678412757-835-741.jpg