【まとめ】
10/9。9日朝、鳥島近海で起きた地震で、後追いで、八丈島などで津波を観測したため、関東から九州地方の太平洋側の広範囲に津波注意報を発表した。
津波を発生させるような規模の大きな地震は鳥島近海では、発生していなかった
東日本大震災時には、通常の地震による津波に、「サイレント津波」が重なり合うことで、津波が巨大化したことが解析された。
サイレント津波::「津波地震」と「海底地すべり」。
津波地震::
プレートの比較的やわらかい部分が、ゆっくりと大きく動くことで、大きな揺れが伴わずに、大きな津波が発生する。
1771年発生した八重山巨大津波。
南西諸島海溝沿いの斜面に長さ80 キロ以上、幅30キロ以上の広い範囲にわたって陥没した地形があり、大規模な海底地滑りがあったことが判明。
また数値計算によりこの海底地滑りで発生する津波の高さは、八重山巨大津波の推定津波高と匹敵することも分かったという。
「伊豆・小笠原諸島の海域には非常に多数の海底火山があり、こうしたところで海底の火山現象や地すべりが起きれば、大きな揺れを伴わずに大きな津波が発生する可能性がある。今後も最新の情報に注意してほしい」と話していました。NHK News
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20231009/k10014220141000.html皆様は、南海トラフ地震の報道などで、「大きな揺れと巨大津波はセット」と刷り込まれています。大きな揺れがなくとも、巨大津波は起きるのです。
【内容】
●10/9:太平洋側の広範囲に津波注意報 鳥島近海で地震、規模は不明
気象庁は9日朝、鳥島近海で起きた地震で、関東から九州地方の太平洋側の広範囲に津波注意報を発表しました。
気象庁は午前8時40分から会見を開き、鳥島近海では午前4時頃から地震が相次いでいたものの、津波を発生させるような規模の大きな地震はなかったと説明しました。
これまでのところ、震度1以上の地震は発生していないということです。
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今回は、後追いで、
通常は、地震発生後、数分から数十分以内に、計算式に基づいて、津波注意報や警報が発表されます。
●東日本大震災で発生したサイレント津波
「40m巨大津波」の謎に迫る “サイレント津波”とは
https://www3.nhk.or.jp/news/special/saigai/select-news/20200306_01.html抜粋引用
〇今村教授
「なぜ今回の津波が40メートル級にもなったのか、この“謎”の原因を解明しなければ、十分な将来の予測ができない。予測ができないと、やはり想定外が起きてしまう。」
〇サイレント津波::「津波地震」と「海底地すべり」。
激しい揺れを伴わずに発生する津波、いわばサイレント津波という現象が起きたのではないか。
〇通常の地震による津波に、「サイレント津波」が重なり合うことで、津波が巨大化。岩手県北部に、特に高い津波が集中したことが確かめられたのです。
〇「サイレント津波が、津波の巨大化に、非常に重要な役割をしていたと言うことができます。揺れが小さいから安心だと思ってしまうと、実はとんでもない津波が来る。非常に盲点になるわけです。今後は、このようなことをしっかりと考えて、対応していかなければいけない」
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津波地震とは
「明治三陸津波」の「津波地震」
三陸地方の沿岸各地では、「震度3程度」の揺れにもかかわらず、10メートル以上の巨大津波が押し寄せたとされています。今村さんは、このときの地震が、「津波地震」と呼ばれる特殊なメカニズムで発生したと分析しました。
通常、大きな津波が発生する時は、大きな揺れも伴います。
しかし「津波地震」では、プレートの比較的やわらかい部分が、ゆっくりと大きく動くことで、大きな揺れが伴わずに、大きな津波が発生するというのです。
〇八重山巨大津波は大規模な海底地滑りが原因だった 産総研などが解明
https://scienceportal.jst.go.jp/newsflash/20181023_01/index.html「琉球(南西諸島)海溝」沿いの斜面に長さ80 キロ以上、幅30キロ以上の広い範囲にわたって陥没した地形があり、大規模な海底地滑りがあったことが判明。また数値計算によりこの海底地滑りで発生する津波の高さは、八重山巨大津波の推定津波高と匹敵することも分かったという。