【まとめ】 地震動が弱い割に大きな津波を発生させるいわゆる「津波地震」があります。 1605年の慶長地震。1677年の延宝房総沖地震。 1771年の八重山地震。1993年の昭和三陸地震などの例があります。 なんといっても、恐ろしいのは、ほとんど揺れないのに、巨大津波が襲ってくる津波地震。 この点が、南海トラフ地震とは、大きく異なります。
【内容】 ●地震動が弱い割に大きな津波を発生させるいわゆる「津波地震」
津波地震とは、、断層が通常よりゆっくりとずれて、人に感じられる揺れが小さくても、発生する津波の規模が大きくなるような地震を意味します。 津波地震の例としては、1896年の明治三陸地震が有名です。
津波地震では、ゆっくりとした揺れが長く続くことも多いため、仮に震度が小さくても、このような揺れを感じた場合には、津波に警戒する必要があります。
●日本国内・近海における歴史地震での例 〇1605年の慶長地震。 地震動の被害としては淡路島の千光寺、および阿波宍喰の被害程度しか知られていない上に、この二つの震害記録については疑問視する見方もある。 にもかかわらず、地震動がほとんど記録されていない房総半島から九州にかけての広範囲で沿岸を波高10 m以上の津波が襲い、溺死者5,000 - 10,000人とされている。 津波襲来範囲から震源域は南海トラフと考えられて来たが、波源域は伊豆・小笠原海溝付近であると仮定すれば津波が説明できるとする説がある。
〇1677年の延宝房総沖地震。 地震動による被害が確認されないのに対し、津波被害が顕著な津波地震。 2014年の東北学院大、東北大などのチームによれば、M8.34、津波の最大高は17m(銚子)、最大遡上高は20m。標高10mの池の堆積物を調べ、コンピュータシミュレーションをした。
〇1771年の八重山地震 推定されるマグニチュード (M7.4) に対し津波が大きく、津波マグニチュード (Mt) は8.5と推定する説がある。 黒島海丘で生じた海底地すべりによって大きな津波を発生させたとする研究や、Mw8.7程度のプレート間の断層を仮定すれば津波が説明できるとする説など、諸説ある。
〇1993年の昭和三陸地震 正断層型のアウターライズ地震です。 地震規模M8.4に比べて揺れによる直接の被害は少なかった。揺れは、震度5程度。 しかし、地殻変動によって発生した大津波が襲来し、被害は甚大となった。 最大遡上高は、岩手県気仙郡綾里村(現・大船渡市三陸町の一部)で、海抜28.7mを記録した。
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