〇本年3-4月に日本の南側の海域で巨大地震発生:204報告続報
【まとめ】
1,日本における1991-2011年のM7.6以上の地震発生状況:石渡明先生
千島海溝から日本海溝沿いでM8クラスの巨大地震が多数発生しており,2011年3月11日の超巨大地震はこの海溝型地震の南端で発生した。
今後は、伊豆諸島沖や関東〜九州〜琉球にかけての海溝沿いでも巨大地震が発生する可能性がある
2,昨日報告の北緯:30-34度、東経:136-140度で囲まれた地域の最近2年間のM4.5以上の地震活動
南海トラフの地震活動に比べ、伊豆諸島周辺の地震活動が断然活発です。特に、八丈島から鳥島沖です。
3,直近の巨大地震発生前後のM6以上の地震活動
日本の直近の巨大地震は、2015/5/30:小笠原諸島西方沖:M8.1超深発地震です。この巨大地震で、プレート(スラブ)の下部マントルへの引きずり込みが発生したようです。その結果、同日伊豆鳥島沖でM6.2の地震が発生した。
以上まとめますと、
昨日報告の本年、3-4月に発生が予想される巨大地震。
特に、八丈島から鳥島沖が注目される。
伊豆諸島
【内容】
今日は、昨日報告した本年3-4月に日本の南側の海域で巨大地震発生について
補足します。
1,世界のM9地震と地質学の課題:石渡明先生
http://geosociety.jp/faq/content0365.html最近マスコミでは、南海トラフ地震の報道がしきりに流れますが、もう少し、視野を広げて、世界と日本の巨大地震について、著名な石渡明先生が2012年にまとめた報告から紹介します。
世界各地の超巨大地震の起き方を比較すると,次のようなことが言えるとして、
1.M9クラスの超巨大地震がもう一度来ることはあるか
2.M8クラスの巨大地震が今後頻発することはあるか
3.M7クラスの内陸直下型大地震が今後頻発することはあるか
本日は、第2項を紹介します。
下図をご覧ください
https://bbs2.sekkaku.net/bbs/upfile/ikaseqa--1675526907-817-739.jpg日本における1991-2011年のM7.6以上の地震発生状況です。
図中のAからIの順にM7.6以上の大地震が発生していきます。
千島海溝から日本海溝沿いでM8クラスの巨大地震が多数発生しており,2011年3月11日の超巨大地震はこの海溝型地震の南端で発生したことがわかります。
上記報告では、
「巨大地震の震源が南方に広がる傾向があり(図1a),今後は伊豆諸島沖や関東〜九州〜琉球にかけての海溝沿いでも巨大地震が発生する可能性がある。」
2,北緯:30-34度、東経:136-140度で囲まれた地域の最近2年間のM4.5以上の地震活動
その地震活動を下図にまとめました
https://bbs2.sekkaku.net/bbs/upfile/ikaseqa--1675526907-673-746-159-423.jpg南海トラフの地震活動に比べ、伊豆諸島周辺の地震活動が断然活発です。
特に、八丈島から鳥島沖です。
3,直近の巨大地震発生前後のM6以上の地震活動
最近発生したM8以上の巨大地震は、2015/5/30:小笠原諸島西方沖:M8.1深さ682kmです。
その巨大地震発生前後のM6以上の地震活動は次の図です。
https://bbs2.sekkaku.net/bbs/upfile/ikaseqa--1675526907-942-571-452-931.jpgこの巨大地震は、新妻地質学研究所報告によると
「海溝から沈込むスラブは深度660kmの下部マントル上面より下に沈込めないことが常識とされてきたが,それを覆して小笠原スラブの深度682kmで5月30日にM8.1さらに6月3日に深度695kmでM5.6が起こり,
太平洋スラブの下部マントルへの突入を確実にした」
また、JAMSTECの報告では、
https://www.jamstec.go.jp/j/about/press_release/quest/20161208/•2015年5月30日20:23に小笠原諸島西方沖で発生した地震(Mw7.9)の震源は海底下約680qで、異常に深かった。
•その震源について地震波トモグラフィーなどで解析した結果、沈み込んだプレート(スラブ)の折れ曲がり部分で下へ行こうとする力が働いていた。
•地震は、上部マントルの底にたまっていたスラブが下部マントルへ突き抜ける前兆だったと考えられる。
この巨大地震で、下部マントルへの引きずり込みが発生したようです。
そのため、上記図では、伊豆鳥島沖で、プレートが引きずり込まれたことによる
M6.2の地震が2015年5月30日、同日に発生した。