【まとめ】
今回のトカラ近海地震は、横ずれ断続型地震で、2000年10月の正断層型の地震とは
異なる。鹿児島大学によると、今回の地震は、トカラギャップが影響していると考えられている。地震が多発している原因については、地震の精査が必要で、現状ではわからず。
琉球列島は大別して北琉球・中琉球・南琉球と分類されている。
それらの境界部分は水深1,000mを超える海峡を形成していることが知られており、
海底地形上の北琉球と中琉球との境界がトカラ海峡に位置するトカラギャップです。
【内容】
●専門家「横ずれ断層型」多発の原因は分からず トカラ近海地震 南日本新聞2021/4/13
https://373news.com/_news/?storyid=135539トカラ列島近海を震源地とする地震について、鹿児島大学南西島弧地震火山観測所の仲谷幸浩特任助教は「主にプレート内で発生した横ずれ断層型」と分析している。
仲谷特任助教によると、トカラ列島近海では、太平洋側のフィリピン海プレートが大陸側のユーラシアプレートを巻き込みながら沈んでいる。プレート内部に負荷がかかることで、横ずれや正断層型の地震を引き起こす。
今回の地震は、プレートが北西・南東方向に引っ張られる横ずれ断層型で、仲谷特任助教は、「トカラギャップ」が影響していると考えられると指摘。トカラギャップは、悪石島付近の海底にあるくぼんだ地形で、東西方向に延びているという。
地震が多発している原因については「震源部分の精査が必要で、現時点では分からない」としている。
トカラ列島近海では、2000年10月にも悪石島で最大震度5強を観測するなど地震が多発した。今回とは異なる正断層型の地震だった。
★★
トカラギャップの詳しい説明
「琉球列島は大別して北琉球・中琉球・南琉球と分類され(小西,1965;木崎,1985),
それらの境界部分は水深1,000mを超える海峡を形成していることが知られている。
このうち,
海底地形上の北琉球と中琉球との境界がトカラ海峡に位置するトカラギャップであり,
また中琉球と南琉球との境界がケラマギャップとなっている。
トカラ海峡については,奄美大島と種子島・屋久島の問に位置し,
琉球列島と日本列島との地質構造境界に相当し,
また生物地理学的にはいわゆる「渡瀬線」に相当する」(松本、1996)