今日は、津波防災のおさらいです。
●「たった30cmの津波でも…」東日本大震災から12年、改めて知っておきたい“本当の危険性”とは
https://www.buzzfeed.com/jp/kotahatachi/tsunami-disaster-prevention-13月11日。2万人以上の死者・行方不明者(関連死を含む)を出した東日本大震災から12年が経ちました。
たった30cmでも、大人が流されてしまうことがある津波。
1mでは想定上の死亡率は100%となります。
その速度は自動車なみで、津波を見てから走って逃げても、間に合いません。
では、もし津波に襲われそうになったら、どう命を守ればいいのかーー。いま、改めて知りたい防災のポイントを、イラストを通じて紹介します。
津波注意報が出されるのは、予想される波の高さが20cm〜1mの場合。
3mまでの高い波の場合は津波警報が、
それ以上の巨大な波の場合は、大津波警報が発令されます。
津波はどれほど危険なのか。
内閣府が2012年にまとめた「南海トラフ巨大地震の被害想定」では、インドネシア・スマトラ沖で04年に起きた津波災害をもとに、「浸水深別の死者率関数」を設定しました。
内閣府の防災担当者によると、最悪を想定したものではありますが、その数値は以下の通りです。
津波による浸水の深さ:想定上の死亡率
100cm:100%
90cm:99.7%
80cm:95.2%
70cm:71.1%
60cm:28.9%
50cm:4.8%
40cm:0.3%
30cm:0.01%
津波の力は非常に強く、浸水が深くなるほど、人の力で対抗したり脱出したりするのが難しくなっていきます。
浸水が30cmを超えると健康な大人でも歩くことが難しくなり、足をすくわれて流されてしまうことも。
30〜50cmでは車などが浮き始め、大人でも何かに捕まっていないと立っていられない状況です。50〜70cmでは健康な成人も流されるほどの勢いとなり、死亡率も一気に上がります。
津波による浸水の深さが80cmを超えると死亡率は95.2%となり、多くの人が死亡すると想定されています。
1mになると、想定死亡率は100%となります。津波が予想される事態となれば、一刻も早く避難し、巻き込まれることを防ぐのが最も重要です。
では、もしものとき、どのように身を守れば良いのか。
とにかく大切なのは、揺れを感じたり、警報や注意報などが発令された場合は、「すぐに、高いところに逃げる」ということです。
三陸地方では「津波てんでんこ」(津波がきたら、取るものも取りあえず、各自でとにかく逃げろ)という言葉で、一刻も早い避難の大切さを言い伝えています。
海水浴場や海岸沿いで「津波フラッグ」を見かけた場合も同様です。2020年から導入されたもので、避難の必要があるときに掲げられる、赤と白の格子模様の模様の旗です。これを見たら、すぐに避難して下さい。
なお、海沿いの地域には、津波に注意をする必要があるエリアや、避難場所に関する看板が設置されています。
地震による津波は、いつ起きるかわかりません。海沿いにいるときは看板を意識し、もしものときの「避難経路」をイメージしておきましょう。
津波は自動車なみのスピードで陸地に襲いかかるため、津波を目にしてから、走って逃げることは極めて困難です。
また、高いところや海から離れたところに避難をしても、想定された高さ以上に駆け登ったり、川をさかのぼり、海から離れたところに被害をもたらしたりすることがあります。
避難時は「ここなら安全」と思わずに、可能な限り高いところを目指し続けることが大切です。
さらに、津波は何度も訪れることがあります。最初の波よりもあとの波が高いこともあるため、避難をした際は、警報や注意報などが解除されるまで、元の場所に戻らないようにしましょう。