拙著『江別・北広島秘境100選』に関して、HBCに勤めておられた柏倉宏聿氏から下記のようなコメントがあり、技術者としての著者には面白いコメントなので、紹介しておきます。世の中知らないことが沢山あるものです。
ここからメールの転載ーーー
先日、本屋で「江別、北広島秘境百選」を見付け、買って来て面白く読ませて頂きました。 中波ラジオ3局については、次のような 「マル秘事項?」も入れたら面白かったかも知れません。 @ NHKは500kW(第2放送)、100kW(第1放送)と超大電力なのに、民放は50kWと控えめの電力である理由。 中波の電波は国際的に国威発揚の道具として使われているため、全国主要地点 秋田(500kW 第2、第1は10kW) 関東(菖蒲久喜500kW 第2、300kW 第1)、京阪(300kW 第2、100kW 第1)、 九州(100kW 福岡第1、500kW 熊本第2) に超大電力局が配置されている。 電波の届く範囲は我が国の領土、とまでは言いませんが、イザという時のため、電波の届く範囲を広くしておきたい、というのが郵政当局の考え。 NHKは国策会社と考え、特に第2放送に大電力を当てている。民放には決して割り当てない。 A NHKの鉄塔、1本(第1放送用)が紅白の塗り分けなのに、もう片方(第2放送用)は銀色一色である理由。 60m以上のアンテナ鉄塔類は原則として紅白に塗装することになっている。航空法。隣接する一方が塗り分けてあるときは、片方は単一色で良い。 B NHKの航空障害等は20万カンデラの閃光式に対して民放の方は赤色の点滅の理由。 地上高60m以上の構築物は航空障害灯を付けなければならない。 色(赤色、赤色点滅、閃光式)等は規模によって決められている。航空法。 C 民放側の鉄塔は比較的細い3本の鉄管を組み合わせたトラス柱なのに対し、NHKは1本の鉄管柱にした理由。 NHKはお金がふんだんにあるから。同じ強度ならトラス柱の方が30%程安い。重量の点で有利。 D HBCの鉄塔は石狩川の対岸にあった北電の火力発電所の排煙の影響で地上70m〜100mの間のラダーが腐食した。 障害燈の交換に登った職人が危うく転落するところだった。 北電は脱硫の後、排煙しているから大丈夫とは言っていたが、脱硫は困難なことを認識させられた。 発電所は閉鎖して現在は研究所になっているのでHBCは安心している。
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