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ポップンノーマルCP小説

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(17) スマリデ「墓所のワルツ」 投稿者:

「おはよう,私の領域の全て」




今日もこの殺風景な墓地を眺めながらの起床。
永遠に眠っていられるのならばそうしたい。
けれども,夜が来る度に私は目覚めてしまう。
この墓地に楽しみは無い。でも外で生きるアテもない。
色の無い日々をぼんやりと過ごす生活はこれでどのくらいになるのかしら?






「ギャンブラー ゼェットォー」

キャアァァァァァァァァァーーーー
誰ですの,あの人は!あやうく叫んでしまうところでしたわ。
怖い,どうしてこんなところへ。



「こんばんは」
「こ,こんばんは。お散歩ですか?」
「うん,楽しそうだったから」
「あの・・・もしかしてあなたは・・・・透明人間さん,ですか?」
「そう,透明人間だよ」
「私はゾンビなんです。ここに住むリデルと申します」
「リデルちゃん,いい名前だね。僕はスマイル」
「スマイルさん。親しみを持てる温かい方ですわ」
「リデルちゃんは何をやっていたの?」
「私ですか?生前は女優でした」
「女優!?すごーい」
「・・・・・外見の華やかさがありますが,実際には
 この墓地のように荒れ果てたもの。私が死んでなおこうして現世に
 居続けるのは,生前の名声にしがみついていたいという
 あさましい心があるからかもしれません」
「苦労していたんだね」
「あっ,ごめんなさい。私ったらつい愚痴を」
「ううん,いいの。リデルちゃん,笑ってみて」
「え,そんな突然・・・・・」
「笑ったら幸せになれるよ」
「笑ってみます・・・ニッコリ」
「か,カワイィーー!かわいいよリデルちゃん!!」
「ありがとうございます。なんだか気分が軽くなりましたわ」
「僕はもう帰るね。明日また来てもいいかな?」
「ええ,お待ちしております」


この胸の高鳴りに似たものは何かしら?
明日はさらに幸せなことが起こるような気がする。
きっと体験したことのないような,ウットリとした・・・・


2004年05月27日 (木) 19時55分


(59) 「ハロウィン」 投稿者:

「ねえ,今日は何の日か知ってる?」

秋も深まり,肌寒い日。
夕焼けに染まる墓地でスマイルは尋ねる。

「ええと,そうですわね………」

リデルは考え込んでしまう。
墓地に住んでいるため,日付を知らないのだ。

「初めてお会いしたのは夏でしたし,お誕生日でも……」

ひょっとするとなんの日でもないのでは,と考える。
時々スマイルはそういう意味の無い事を言うから。
それでも『何かある日』と定めて推理を始める。



「ん………ハロウィンですか?」
「当たり!」

リデルはクイズに答えることができて,安心すると共に嬉しかった。

「それでハロウィンなんだけどねぇ」

どうやらクイズがしたいだけではなかったようだ。
スマイルが前置きをして話すとき,それは必ず大事な話。
それを知っていたリデルはじっと話を聞くことにする。

「変,だよね」
「ええ……(?)」
「吸血鬼や狼男,透明人間が普通に生活してるのに」
「ああ,仮装の事ですね」
「そうそう」
「もしかして私が外に出な……」
「!」
「あ,いえ。何でも無いです」

話に集中しすぎて,唐突に核心を突いてしまった。
図星だったのでスマイルは何も言えなくなる。

「………」
「あの,ごめんなさい」
「あ,ううん。そういうつもりで言ったんじゃないよ」
「はい……」
「でも,ね。本当は外に出て欲しいよ」
「………」
「今日はうちでパーティがあってさ」
「だって私……ゾンビですもの」



やはりその事になってしまう。
今までもこんな話をすると,リデルは「ゾンビだから」と答えた。
そうなるとスマイルも何も言えなくなる。
「僕だって透明人間さ」とか「そんなの関係無いよ」とか
言ってしまえればいいのに。

次の一言を心に留めたまま,スマイルは立ちすくむ。
しかし,リデルもまた心に言葉を留めていた。




「でも」

先に口を開いたのはリデルだった。

「今日は………行ってみようかしら」

ひとり言のように呟く。
そしてスマイルの方を見て続ける。

「だって今日はハロウィンですもの。ゾンビも外に出ますわ」
「本当!? じゃあ行こ!」
「あっ」
「お菓子もごちそうもたくさんあるよ」


スマイルは手を取って,グイグイと引っ張っていく。
こんな風にして歩くのも悪くないな,とリデルは笑った。











“今日は何の日かご存じですか? ゾンビが透明人間さんと街を歩く日ですよ”


















<コメント>
ハロウィンと聞いて、真っ先に思い浮かんだのが「禿山の一夜」のような、
死者や悪霊などが群れを成している情景でした。
まあ、あれは夏至の前夜らしいのですが、母によれば
「死者が歩くのはハロウィン」だそうです。
最近「蠢く骸骨」やら「歩く死体」やらが出てくるゲームをやってるせいかもしれません。
『奴らが墓から出てくるのは、居心地が悪いからだよ』とかなんとか。

リデルは自分の存在に「負い目」を感じているような、そんな少女だという設定です。
その正反対にあるのがスマイルということで。

皆様の夢の中にカボチャ大王の現れんことを!


2005年10月31日 (月) 16時48分




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