「でね,ポエットちゃん。その人は言ったんだ」
「うんうん。うんうん」
「…………僕の話,つまらない?」
「話は楽しいけど……ヘンリー君がつまんない」
「えっ!」
「ヘンリー君は色々知ってるけど,何もできないもん」
「何も………できない………何も…………」
「だからつまんない」
「つまんない……つまんない………待ってポエットちゃん」
「何?」
「いい?見てて。『想像したもの』を『物体』に変える魔法!」
「それ何回も見た」
「そんな…………」
「もうお家に帰るね。バイバイ」
「うん……バイバイ………」
僕は王子として生まれ,国王となるために育った。
だから物を知っていても、人を喜ばせる芸や方法を知らない………
そうだ。ポエットちゃんが喜ぶ物を持っていって見せてあげよう。
宝石? お菓子? いや,自分が作った物を持っていくことにしよう。
「ポエットちゃん。見て」
「何?あ,花のアクセサリー」
「冠にネックレスに指輪。全部僕が作ったんだよ」
「すごい,すごくかわいい」
「これでいいかな? その…………昨日…………」
「うん。ごめんね,つまんないなんて言っちゃって」
「ううん。それよりつけてみて」
「冠に……ネックレスに……指輪………」
「あ,左手の薬指には指輪をはめちゃいけないよ」
「え? 結婚指輪ならいいんでしょ?」
「け,け,け,結婚!?」
「私,ヘンリー君のお嫁さんになる」
「あ……ありがとう」
【コメント】
ボヤージュが公式サイトでアップされたのに合わせて公開。
公式片思いなのにものすごいマイナーなヘンポエです。
ヘンリーが「ぞよ,である」口調でないのは難しいからです。
みんなそうしてますよ。
このカプには花畑がよく似合います。
ヘンリーが何かをパクったような気がするのは気のせいですよ。
『想像したもの』を『物体』に変える魔法は公式ですもん。