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ポップンノーマルCP小説

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(61) 短編集「ツンデレバレンタイン」 投稿者:

<アルロサ>

お嬢様の机の上に菓子作りの本が置いてある。

「お嬢様,その本は?」
「こっ,これは何でもないわ」
「私がお作りしましょうか?」
「暇だからちょっと見ていただけよ!」
「そうですか」
「ところで……甘いものは好き?」
「はい」
「そう。別にあなたに作る訳じゃないからね!」
「え,ええ。はい」





<タイニャミ>

「おはよう」
「おはようダーリン」
「おはよう」
「うん」
「おはようってば」
「一体何なの」
「だから,今日はあの日でしょ?」
「あの日って何?」
「もう,僕の口から言わせる気?」
「バレンタイン」
「ピンポーン」
「欲しいの?」
「く,くれるよね」
「全国からトラック満杯送られてくるくせに」
「そんな事言わないでよぉ。ニャミちゃんってば〜」
「……ほら」
「えっ」
「本当はミミちゃんにあげようと思ってたんだよ」
「ありがと」

 チュッ

「! ヤアァァーーッ」
「じゃあね」
「はぁ,はぁ………鼻血出そう」





<イケチヨ>

「これ,やる」
「これは? 根付けですか?」
「お守りだ」
「はあ。でもどうして」
「今日は……あの日だ」
「はい。で,どうしてお守りですか?」
「チヨコのチョコなんで言ったらブッ飛ばすぞ」
「ええ。ですから何故………」





<アシュカゴ>

「あ,カゴメさ〜ん」
「 ビクッ 」
「お出かけっスか」
「あなたに会おうと思ったから」
「で,何隠してるっスか」
「これは別に……」
「もしかして俺へのプレゼントだったりして」
「 コクン 」
「開けてみていいっスか?」
「ええ」
「 ゴソゴソ (ああ,やっぱりチョコっスね)」

  ポリッ ポリッ

「うまいっス。菓子作り上手っスね」
「お世辞はいいわ」
「お世辞じゃ無いっス」
「私のお菓子なんて……」
「………」

 パキッ

「自分でも食べてみるっス」
「………おいしい」
「でしょ?」
「い,今のは本心じゃないわ。ちょっとホロッと来たのよ」





<睦菫>

「キャンディとチョコ,どっちが好き?」
「え,何急に」
「いいから早く答えなさい」
「チョコ……かな」
「そう。じゃああげるわ。たまたま持ってただけだからね」
「ありがとう。本当はどっちでもよかったんだ」
「何よそれ」
「だってスミレちゃんからプレゼントされるんだもん」
「ば,馬鹿。早く食べちゃいなさい」





<オクロキ>

「ほら」
「あ! これはもしかして……」
「作りすぎて余っただけだからな」
「作りすぎて?」
「そうだ。お父様にお兄様に………」
「……」
「その次が……ええい。今日はそれを渡しに来ただけだからな」

 ピューッ

「あ,帰っちゃいましたね。 ……カードが付いてる」


 『【Happy Valentine】 なんて言わないからな』

「わざわざ書き加えてある。ロキさんかわいい」





<ナカメリ>

「チョコレートって何でできている?」
「……カカオ?」
「お砂糖とカカオと素敵なものたくさん。そんなものでできている」
「チョコはもらわない主義だから。いらない」
「あ,そう。じゃあ持って帰るね」
「ちょ,ちょっと待って。せっかくだからもらってもいいよ」
「欲しいんなら最初からそう言えばいいのに」
「べ,別に欲しい訳じゃないさ」


2006年02月14日 (火) 20時48分




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