 またもや前回から時間があいてしまいました。本当に気まぐれですみません。
前回は「今年は桜の開花が早い」との予報が出された頃でした。計算間違いなどのすったもんだがあり、結局平年並みの開花だったように思えます。そんな桜もすでに散り始めています。
スギ花粉はどうだったのでしょう。我が家族にスギ花粉症患者がいませんので、状況がよくわかりません。ただ、なんとなく目に違和感を覚える頃もあったようにも思えます。
レオの左目が涙目になっています。おそらく草か木で少々傷ついたと思うのですが、寝起きなどに片目だけをショボショボさせています。「これが安かったの」と言いながらカミさんが目薬を買ってきました。毎日、点眼しています。でも一進一退で完治していません。ラベルを見ると「花粉症目薬」でした。抗生物質入り目薬を頼んだのに・・。“片目花粉症”とペーパー獣医が診断しましたので、しばらくは花粉症目薬で治療してみます。
3-3-6 皮膚病(剥離) 皮膚の表面、つまり表皮細胞が脱落してしまう皮膚病が剥離性皮膚病です。「最近、フケのようなものがいやに多いなあ〜」で気づくことが多いようです。剥離の原因により原発性剥離と続発性剥離があります。
表皮細胞は遺伝的にその増殖・成熟が制御されていますが、角化という成熟過程がおかしくなって起こるのが原発性剥離です。2歳までに特定の犬種で認められます。脂漏症、ビタミンA欠乏、亜鉛欠乏(マラミュートは要注意です)などで起こります。脂漏症についてはあとで追加説明します。
他の病気のため、表皮細胞の正常な増殖・成熟が阻害されることがあります。これが続発性剥離です。これは年齢に関係ありませんし、好発犬種もありません。どんな年齢でも、どんな犬種にも見られます。皮膚アレルギー、内分泌異常、細菌感染、腫瘍などの基礎疾患が引き金になります。加齢、不適切な食餌も要因の一つになります。
飼主さんが重要な情報を動物病院に伝えることができます。病歴はどうだったか、痒みはあるか、元気はあるか、体重はどうか、おしっこの頻度と量はどうか、体毛の再生はあるかなどです。飼主さんの稟告から先生は病気を絞り込み、的確な検査・診断・治療をしてくれます。
治療は原因によって様々です。シャンプー、モイスチャークリームの処方、そして全身療法の組み合わせです。
軽症には低アレルギー性シャンプー、ややひどい場合は薬用シャンプーを使います。薬用シャンプーは含有成分でいろんな作用があります。角質溶解作用(硫黄、サリチル酸、タール、過酸化ベンゾイルなど)、角質形成作用(硫黄、サリチル酸、タールなど)、保湿作用(乳酸、ラノリンなど)、抗菌作用(過酸化ベンゾイル、クロルヘキシジンなど)などです。シャンプーに時間をかけ過ぎないことと、シャンプー成分をきちんと洗い流すことが大切です。
シャンプーが終わったら、皮膚の水分を保持させるためにモイスチャークリームなどを使います。原因が明確であれば根治療法として全身療法を行います。例えば原因が亜鉛不足であれば亜鉛サプリメントを与えたりします。いずれにしてもきちんと診断できれば、動物病院で的確な薬を処方してくれます。
さて、脂漏症について少し追加します。脂漏症は角化異常を特徴とした犬の慢性疾患です。鱗屑の増加が見られ、ときとして皮膚や被毛に著しい皮脂が見られますし、二次的に炎症が見られることもあります。二次感染があるとさらにやっかいな膿皮症へと進んでいきます。好発犬種は、アメリカンコッカースパニエル、バセットハウンド、ウェスティ、ダックス、ラブ、ゴールデン、シェパードなどとされています。家族性に見られることから遺伝的要因の関与も考えられます。5歳未満の発症ではアレルギーが最も疑われ、それ以降の発症なら内分泌疾患や腫瘍が疑われます。
2007年04月07日 (土) 10時08分
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