押忍、白石です。

先日サザンでの研修を終え、帰国したのですがグアムで失態を演じまして、帰国が一日伸びるという事態が生じました。まぁでもこれが浪花節の始まりだったのですが．．．。

グアム空港に着いたのは、まだ未明でした。
寝ぼけ眼でゲートをくぐり、福岡行きのゲートNo.21を探していたのですが、後ろを振り返ると出てきたゲートがNo.21です。
そのまま引き返して歩いていくと、グアム人らしきポリスが英語で話し掛けてきます。「ユー　コッチ　ダメダメ」この後にも何か続けて言っていましたが、正直英語が聞き取れ
ません。何か解らないまま、「ミー　スリープ　ウォント　ウォントね」とテープをくぐってベンチに座り込みました。

暫く時間が流れNo.21が賑やかになり、私も並びます。
順番が来ましたので、パスポートとチケットをスタッフに渡すと、ニコニコしてたスタッフの顔が豹変してエマーソンのおっ母ぁ並になにやら喚いています（いやいやバナナ切ったのは社長ですからって感じです。）。
よーく耳を澄まして聞いていると、なにやら『イミグレーション』と言う言葉が引っ掛かり、その時気付きました。
「ノー、ノー。　ミー　イミグレ　ディドント　ね」
それからです。搭乗口のスタッフがトランシーバーで目まぐるしくやり取りを始め、いろんな人が搭乗口に来て俺のパスポートのコピーを取りに行くわ、質問責めやらで．．．。
そんなこんなで結局、CO954便は俺を残して飛んでいきました。
（※グアムに着いたときに移民局へ行って入国審査を受ける必要があったらしく、それをしないでテープをくぐってベンチの上でひっくり返って屁ぇこいて寝ていたという事実が、大袈裟に言うと『不法入国』に値したそうです。）

結局一日飛行機をズラすのと引き替えに俺の財布の中から$50が飛んでいき、スッカラカンになったのです。仕方なく空港のベンチで貧じい一日を過ごすことになったのですが（わしゃターミナルの「トム・ハンクス」かいって言う話や。）、グアムの人って優しいんですねぇ。
コンチネンタルの日本人のスタッフのねぇさんはグアム観光にお連れしますよと声を掛けてくれるし（貧乏人だからやめといた）、日本に電話を掛けるためのテレホンカードもくれました。
その後セキュリティーの人は朝食をおごってくれました。
（丁重にお断りしたが、断れば断るほど悲しそうな顔になっていくので、喜んでよばれることにしました。）
ありがたい話しです。

昼前になると、搭乗口のスタッフの人が売れ残りのパンケーキを持ってきてくれました。（メープルシロップべたべたに付けて、これがまた美味い！）

夕方頃には「コーラを飲むか？」と聞かれ、「大丈夫です、結構です。」と返すと、「ユー　一日　ノット　ドリンク、　ノーグッドね」と言い残すと３分後にコーラを持って来て「ミー　コレ　バイね」とくる始末。

他にも搭乗口のスタッフのねぇさんの内の一人が「ミー　ディナー　クック　フォー　ユーね」と言って帰り、もう一人のねぇさんは「ユー　バーガーキング　イートね」と言って持ってきてくれました。ひもじい一日になるはずが蓋を開けるとお腹一杯です。

夜中になると朝飯をおごってくれたセキュリティーのおじさんが「ユー　イート　ブレックファストね」と私にお金を渡します。
なんぼ何でもこれはアカンと思い断るのですが、断れば断るほどこのおじさんは悲しい顔になります。「これはアカンやろ〜」と思いながらも、彼が立ち去った後の私の手には$30も握りしめられていました。

グアムって良いところだなぁって思いました。
「困った人が居たら助けてあげる。」と言う男気というか人間の基本的なところがキッチリ出来ているという所に、「勉強になりました押忍！」と言う気分です。
それと共にパラオ人ももう少し．．．って感じです。

再び未明。
考えたあげく、テレフォンカードをくれたねぇさんを探し、助けを求めることに。
「すみません。昨日朝食をおごってくれたセキュリティのおじさんなのですが、俺に朝食を食べろと＄３０もたくすのです。」
俺は彼の行為を無碍にしたくなかったし、尚かつこれは貰えない物だったので上手いこと返してくれないかと頼んだのでした。
彼女曰く、「彼らは一度出された物が帰ってくると悲しむよ」と言います。
しかし俺も「貰えない」と食い下がると、一つ提案してくれました。
「では＄１０だけ貰ってご飯食べて、＄２０余ったから返しておきましょうか？」
「ミー　ソレ　アグリーね。」

こんなやり取りの後、グアムを離れました。
どうです？グアムって暖かいですねぇ。
No.21で「ホワイ　ユー　カット　バナナ！」ばりにまくし立てられた時はブルーになりましたが、最終的にすごく気分良く帰国できましたよ。
押忍！！

※12月にパラオにカムバックする際はグアムの方々にあやからないように気を付けます。押忍！