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タイトル:突撃高等学校! アルクェイドの一日体験入学 恋愛

――普段通り学校に赴いた志貴に突如として降り掛かる非日常。常識知らずの吸血姫に対し、怒り狂う代行者。戸惑う志貴。積み重なる被害者。そこにただ埋もれるさっちん。日常の最中に訪れた非日常を、志貴は無事に過ごしきることが出来るのか!? 月夜が万を期して繰り出す二作目は、またまたラブコメ!

月夜 2010年06月29日 (火) 00時37分(31)
 
題名:突撃高等学校! アルクェイドの一日体験入学(第一章)

ガヤガヤと騒がしい、活気溢れるいつもの教室。
至るところで、生徒達が思い思いの友人と話をしている。
昨日のテレビ番組について話している奴らもいれば、今日の授業についてダルそうに語る奴らもいた。
中には、他人の恋路について興奮気味に騒ぐ奴らもいる。
そんな賑やかな朝の教室の中で、志貴は一人、自分の席で机に突っ伏していた。
「だるいな……」
力無く呟く。
貧血の気がある志貴は、一般人と比べて格段に朝が弱い。
しかも、唯一とも言える親友の有彦が、まだ学校に来ていないため、特に話し相手もおらず、従って、授業開始まで寝て待つしかなかったのだった。
全く……こんな朝っぱらから、よくもまぁそこまで元気に話せるもんだ。
こっちはしんどいんだから、静かに寝かせてくれよ。
志貴はそう心の中で願いながらも、口に出すことはなく、相変わらずの姿勢で机に寝そべっていた。

――キーンコーンカーンコーン。

と、しばらくすると、いつものチャイムの音と共に、教室の扉が勢い良く開いた。
未だに話しを止めない一部の生徒に、軽く叱りの言葉をぶつけながら、担任の教師が教卓前に立つ。
そして、いつもの号令に合わせて、志貴は重々しく腰を上げ、投げやりに頭を下げた後、誰よりも早く腰を下ろした。
毎朝恒例の欠席者チェック。
今日は珍しいことに、有彦が欠席らしい。
担任曰く、理由は風邪だということらしいが、それはまず嘘だろう。
病的なまでに健康なあいつが風邪を引くなど、到底考えられることではない。
どういう意図があってかは知らないが、ただのサボりに違いない。
志貴はそう確信していた。
まぁ、そんなこんなで朝の恒例行事は終わり、いよいよ授業に差し掛かろうというその時、担任が戸惑い気味に口を開いた。
「さて、ところでだなぁ……今日は、ちょっと一日体験入学という形で、一人このクラスに入ることになった」
担任のその言葉に、クラスがどよめき始めた。
「何でも、海外育ちということで、日本の学校を知らないらしく、体験入学をしてみたいという彼女の意見に合わせて、急遽このクラスへの編入が決まったらしい」
クラスのざわめきがより一層強まる。
「外人かよ!」
「すっげ〜!」
などなど、騒々しく騒ぎ立てる。

――まぁ、俺には別に関係ないことだな。

志貴はそんな生徒達をよそ目に、机に突っ伏したまま動かなかった。
「静かに!」
担任の喝が空気を揺るがし、それと同時に生徒達の間から一切の声が消える。
「……あー、では、お入り下さい」
担任が改まった態度で入室を促す。
「失礼しま〜す♪」
その後に、妙に明るい能天気な声が聞こえ、

――おぉーっ!!

その声を、クラス内に反響した、本日最大音量のどよめきがかき消した。
「こらぁっ! 静かにせんか!!」
担任が再び大声で怒鳴る。
だが、今度ばかりは静まる気配はなかった。
担任の怒声など完全無視で、生徒達のテンションは相当ハイになっているようだ。
中でも、一際男子の声が目立っていることから、編入生が女子であることは、何となく予想が付いた。
そんなに可愛い人なのだろうか?
ちょっと興味が湧かなくもなかったが、その好奇心を押さえ込むくらいに、全身を襲う倦怠感の方が強かった。
「すみません、騒がしい奴らばっかりで……」
「いえいえ、やっぱり学校は、これくらい賑やかじゃないと」
担任と編入生のそんなやり取りが、教室内に充満する騒音に混じって微かに聞こえて来る。
「では、こんな騒々しい中ですいませんが、自己紹介の方をお願いします」

月夜 2010年06月29日 (火) 00時40分(32)
題名:突撃高等学校! アルクェイドの一日体験入学(第二章)

「了解で〜す」
その編入生が、お気楽な調子でそう言うのと同時に、黒板の上にチョークで文字を書く時の、あの独特な音が聞こえてきた。
あれ?
この時不意に、志貴は何か妙な違和感を感じた。
何だろうか?この、胸に引っかかるような、どこかすっきりしない感覚は。
この違和感の正体は、一体何だ?

――……。

ふと気付いてみれば、今さっきまであれほどうるさかった教室が、いつの間にか水を打ったような静寂に包まれていた。
「……で、では、静かになったところで、自己紹介をして頂きたいと思います」
そう言う担任の声も、どこか遠慮しているというか……何か、一線身を引いているような感じがした。
「は〜い」
それに応える編入生の声が、今度はしっかりと聞こえてくる。
その声を聞いた瞬間、志貴はこの違和感の正体を悟った。
間抜けとさえ感じる程に明る過ぎる声色。
どこかで聞いた覚えのある声だと気付くまでに、そう大した時間は要さなかった。
……何だか、圧倒的に嫌な予感がする。
だが、面倒に巻き込まれたくない一心で、志貴は顔を上げようとはしなかった。
しかし、それが甘い考えだったということを、志貴はその数秒後に知ることとなる。
「え〜っと、今日一日、このクラスでお世話になることとなりました、アルクェイド=ブリュンスタッドで〜す♪」

――ガタンッ!!

志貴は漫画さながらに、机ごと後ろへと倒れ込んだ。
中に入っていた教科書類が散乱し、横に掛けていた鞄ごと床に散らばる。
軽く後頭部を打ち付け、ちょっとくらくらする視界のまま、志貴は何とか体を起こし、教卓の方へと視線を向けた。
その視界に映ったのは、何故かこの高校の制服を着て、笑顔でこちらを見つめるアルクェイドの姿だった。
後ろの黒板には、この世のものとは思えないくらいに歪みまくったひらがなで、『あるくぇいど』とだけ書かれている。

――な……何であいつがここに……。

「おい、遠野、どうかしたのか?」
「い、いえ、何でも……」
志貴は、遠退きそうな意識を何とか呼び戻し、こめかみを押さえ付けながら応えた。
笑顔満面でこちらに手を振るアルクェイド。
「……はぁ」
その姿を見ながら、志貴は大きく溜め息を付いた。

月夜 2010年06月29日 (火) 00時42分(33)
題名:突撃高等学校! アルクェイドの一日体験入学(第三章)

――キーンコーンカーンコーン。

昼休みが待ち遠しくなる4時限目、教室内に授業終了のチャイムが鳴り響く。
「起立、礼」
教師が促すよりも早く、日直の生徒が号令をかけた。
そして、その挨拶が終わるや否や、沢山の人だかりが最前列の中央付近に出来る。
その中心にいるのはもちろん、今日突如としてこのクラスにやってきた、体験入学形式のアルクェイドだ。
「ねぇねぇ、君ってどこの人なの?」
「わぁ〜、綺麗な金髪〜」
「すご〜い、モデルみたいなスタイルねぇ」
などなど、彼女を取り巻く人々によって形成された厚い壁と、そこへ投げ掛けられる多種多様の質問攻めにより、アルクェイド本人の姿はおろか、その声すらこちらには届かない。

――よしよし。今の内に、俺は保健室にでも避難しておくか。

そんなアルクェイドを脇目に、志貴はそろそろと立ち上がると、何故か忍び足で(別に忍ぶ必要は無いと思うかもしれないが、これは彼の条件反射的行動である)教室内の後ろの扉へと向かった。
「あっ、志貴〜! どこ行くのよ〜!」
だが、その背に掛けられた声に、志貴は思わず立ち止まってしまった。
彼自身、聞こえないフリをしてしまえばいいものを……と思いつつも、そうできないのが、志貴の志貴たる由縁である。
とりあえず、一度立ち止まってしまった以上、今更無視をする訳にもいかない。
諦めたように振り返った志貴の視界に、人混みをかき分けてこちらへと歩みを進める、アルクェイドの必死な姿が映った。
「昼休みだし、食堂にでも行こうと思ってね」
彼女が自分のすぐ手前まで来るのを待ってから、志貴は言った。
正直言うと、あんまり食欲はなかったのだが、昼休みに教室を抜け出て行く場所といったら、そこくらいしかないので仕方がない。
「食堂かぁ。ねえねえ、私も連れてってよ」
アルクェイドが、興味津々な眼差しで志貴を見つめる。
まぁ、こうなるであろうことは予想済みだ。
「いいよ」
そして、大して断らねばならない理由も無かったので、志貴はその申し出をあっさりと承諾した。
ここで下手に断って、余計な面倒に巻き込まれたくないというのもあったが、何より、他の生徒から羨望の眼差しを浴びるのも、そんなに悪い気分ではなかった。
いや、寧ろ、どこか得意気な気分だったりする。
「じゃあ行こうか」
志貴はちょっとした優越感に浸りながら、アルクェイドを引き連れて、ざわめき止まない教室を後にした。
「ねぇ、志貴、食堂ってどこにあるの?」
「別校舎の一階。すぐに着くよ」
アルクェイドの質問に答えながら、志貴は妙な感覚にとらわれていた。
制服姿のアルクェイドと、肩を並べて学校内を歩く。
日頃からは想像も出来ない光景だ。
今だって、実は半分以上信じられない。
もしかしたら、これは全部夢なんじゃないだろうか。
目が覚めたら何もかも忘れていて、まだベッドの上に横たわっているんじゃないか。
そんなことを考えてしまうくらいに、この状況は現実離れしていた。
「……き……し…き……志貴……志貴ってば!」
「うん?」
ふと気が付くと、つい先ほどまで隣にいたはずのアルクェイドが、いつの間にか志貴の眼前に回り込み、その表情を訝しげに見つめていた。
「どうかしたのか?」
志貴が歩みを止めて尋ねる。
「それはこっちのセリフよ。急にぼーっとして、どうしたの?」
アルクェイドも立ち止まり、小首を傾げて不思議そうに尋ね返す。

月夜 2010年06月29日 (火) 01時02分(34)
題名:突撃高等学校! アルクェイドの一日体験入学(第四章)

どうやら、自分でも気付かない内に、己の世界に入り込んでしまっていたようだ。
「いや、ちょっと未だに信じられなくてさ」
「何が?」
「アルクェイドと今、こうして学校にいるってことがだよ。もしかして、これは全部夢なんじゃないかって……?」
志貴の言葉が途中で途切れる。
その視界に、アルクェイドの背中越しに近づいて来る、何かの姿が映った。
「? どうしたの?」
アルクェイドもそんな志貴に気付いたのか、怪訝そうな表情で自分の背後を振り返る。
その目にも、志貴が見つめる先と同じものが映っていた。
人間としての限界速度を軽く超越した速さで、急激に距離を詰め寄る何者か。
初めは遠かったその何者かの輪郭が、こちらに近寄るにつれて次第にはっきりとしていく。
この学校の制服を着込んだ、短い青髪を持つ女子生徒。
その両手に握られた何かは、女性が持つには余りにも巨大すぎた。
そしてそれは、一塵の迷いも見せることなく、真っ直ぐにこちらへと突進してくる。
だが、志貴の視線からだと、アルクェイドが邪魔になって、どうしてもその正体が判別できずにいた。
「おっと」
と、アルクェイドが軽く横に飛び退き、その直線上からいち早く身を避ける。
その瞬間、志貴の目にも、それが何であるかはっきりと視認できた。
……が、時既に遅し。
すぐ目の前まで迫ったそれは、もはや回避不可能な距離にまで縮まっていた。

――ガァン!

何かが発射された時のような鈍い重低音が、大気ごと校舎を大きく揺るがす。
「ぐぶぉっ!?」
それと時を同じくして、未だ嘗て味わったことの無い激痛と共に、凄まじい勢いで吹き飛ばされた志貴は、これまた今まで出したことのないような悲痛なうめき声を上げて、まるで弾丸のように中空を奔る。
「きゃあっ!?」
その道程で、数人の不幸な生徒達を巻き込みながら、最終的には廊下の端の壁に激突した。(これは後日知ったことだが、最初に聞こえたあの悲鳴は、どうやら弓塚のものだったらしい)
理不尽な思いを全身に表し、そのまま動かなくなる志貴(と弓塚を含むその他諸々)。
「あ、志貴、大丈夫?」
遠くからアルクェイドの声が聞こえてくる。
……大丈夫な訳が無い。
「よくぞ避けました! 吸血鬼!」
廊下中に響き渡る程の大声で、先ほど志貴をぶっとばした兵器を手に、一人の女生徒―シエルが怒鳴った。
その形相はまさに鬼の如く、厳しい目つきでアルクェイドを睨み付けている。
「あら、シエルじゃない。どうしたの? そんな怖い顔しちゃって」
そんなシエルに対して、アルクェイドの方はいつもと何ら変わりない表情で受け答える。
「とぼけるんじゃありません! 一体どういうつもりですか!」
「どういうつもりって……何が?」
「この期に及んでまだあなたは……何故、あなたがここにいるのかと聞いているんです!」
「何故って……別にいいじゃない。私がどこにいようと、そんなこと私の勝手よ」
「そうはいきません! 私がここにいる以上、あなたの好き勝手にはさせません!」
「それより、あんたこそいいの? こんなに人目に付く校舎内で、真っ昼間っからそんな危なっかしいものぶっぱなして」
「そんなもの、ちょちょいと記憶をいじれば問題ありません!」

――……先輩……そういう問題じゃありません。

心の中でツッコミを入れる志貴。
「そんなことはどうでもいいんです! 貴女には、即刻この場から立ち去っていただきます!」
そんな志貴の姿など完全に眼中無し。
二人の間で、互いの視線が交差し激しく火花を散らす。
廊下中の人々の眼差しが、異様な雰囲気を撒き散らす二人の姿に注目する。
そんな訳で、廊下隅にて力尽きる志貴(と弓塚を含むその他諸々)の事を心配する者など、誰一人としていなかったのは、言うまでもない。

月夜 2010年06月29日 (火) 01時04分(35)
題名:突撃高等学校! アルクェイドの一日体験入学(第五章)

「……き……し…き……」
どこかから、誰かの声が聞こえてくる。
「……しき………志貴……」
深く暗い深淵へと沈んだ意識の、その水面を撫でるような、優しく暖かい声だ。
失いかけていた、自我と外界の境目が明確になってゆく。
心地よい夢から、現実へと舞い戻る時に似た、独特のけだるい倦怠感。
その最中を漂いながら、志貴は納得していた。
あぁ、やっぱり、あれは夢だったのか。
薄々そうではないかと感じてはいたが、所詮は自分が脳内で創り出した、ただの儚い幻想に過ぎなかったのか……と。
「志貴……起きてよ、志貴」
そんな志貴の耳に、聞き覚えのあるあの声が、やけにはっきりと届いてきた。
……おかしいな?
志貴は思った。
さっきまでのあれは、全部夢だったはず……。
なら、今聞こえるこの声は、一体何だ?
「う、うぅん……」
そんな疑問を感じ、志貴はやっとの思いで、重い瞼をうっすらと持ち上げた。
その視界に最初に飛び込んできたのは、見慣れた白い天井だった。
だが、自分の部屋のものじゃない。
じゃあ、ここはどこだ?
「あっ、志貴! やっと起きた?」
唐突に枕元から掛けられた声に、志貴がその方へと首を捻る。
その目に映ったのは、こちらを覗き込む、アルクェイドの純真無垢な笑顔だった。
「あれ? 俺は……」
志貴はゆっくりと上体を起こしながら、自らの置かれている状況を確認するため、周囲をくまなく見回した。
左手側には窓があり、そこから外を見渡すと、普通の通行人に混じって、ちらほらと下校中の学生達の姿が見える。
右手側はカーテンで区切られており、向かい側には幾つかのビンや救急箱が並べられた、大きめの薬品棚があった。
間違いない。
ここは、志貴が頻繁に利用している、学校備え付けの保健室だ。
だが、いつの間にここへ来たのか、全く身に覚えがない。
また、例によって例の如く、授業中に貧血でも起こして運ばれたのだろうか?
「何で、保健室なんかに?」
そんな疑問に答えてくれたのは、枕元の椅子に座るアルクェイドだった。
「シエルに吹っ飛ばされて、今まで気を失ってたんだよ。……覚えてないの?」
「……あっ!」
その言葉で、志貴は全てを思い出した。

――そうだ。確かあの時、俺はアルクェイドと食堂に行こうとしてて、その途中で先輩に出くわして、何故か急に思いっきりぶっとばされて……。

……その後は覚えていない。
だが、言われてみればまだ、腹部に鈍い痛みが残っているような感じがする。
それに、あの頃はまだ昼過ぎだったにもかかわらず、窓から射す西日が赤み掛かっていることから、今はもう夕刻らしかった。
「……夢じゃなかったのか」
志貴は小声でぼそっと呟いた。
「夢? 何が?」
「いや、何でもない」
アルクェイドの問いに軽く首を振ると、志貴は重々しくベッドから立ち上がり、足下に揃えて置かれていた靴に足を通す。
「この時間ってことは、もう授業はとっくに終わってるよなぁ」
どこか弱々しい口調で、志貴が唐突にそんなことを切り出した。
「当たり前じゃない。そんな勉強ばっかりやってられないわよ」
傍らに立つアルクェイドも、それに反応して志貴へと言葉を返す。
「……ってことは、教室はもう閉まってる訳だ」
言いながら、志貴が力無く肩を落とす。
「そりゃそうだろうね。でも、何で教室に行く必要があるの?」
そんな志貴を、アルクェイドが不思議そうに見つめる。
「何でって……鞄を教室に置きっ放しにするわけには……」
「ふふっ……はい♪」
そう言ってうなだれる志貴の胸に、アルクェイドが何かを押し付ける。
「あ、これ……」

月夜 2010年06月29日 (火) 01時05分(36)
題名:突撃高等学校! アルクェイドの一日体験入学(第六章)

それは、志貴の愛用している、古ぼけた通学用の鞄だった。
「これで、わざわざ教室に戻る必要は無いでしょ?」
「あぁ。ありがとう、アルクェイド」
どこか得意気に微笑むアルクェイドに、志貴は軽く礼を告げた。
そして、机の上に置かれた用紙の利用者名簿の欄に、クラスと氏名、それに退室時間を書き記す。
その後、保健室を後にした二人は、校門をくぐり学校の敷地外へ出た。
「さて……じゃあ……」
「遊びに行こ〜っ!!」
疲れたので帰ろうと言おうとしていた志貴は、アルクェイドのその発言に、危うくこけそうになった。
「はぁ?」
「はぁ? って何よ? 学校終わった後は、みんな毎日のように遊びに行くもんでしょ?」
「いや、そんなに毎日毎日ということは無いぞ」
「でも、今日くらい良いじゃない。二人とも高校生同士なんて、今日が最初で最後なんだからさ」
ねえねえと、アルクェイドがねだるように志貴の服を引っ張る。
そのだだっ子のような姿を見ている内に、何となく雰囲気的に断り辛くなってきた。
「はぁ……仕方ないな」
結局断り切れず、志貴は溜め息混じりに頷いた。
「やったぁ! そうと決まれば、早く行こ♪」
その言葉に、アルクェイドは満面の笑みを浮かべ、腕を掴んで引っ張るようにして、志貴を連れて走り出す。
「おい、そんな引っ張るなよ」
そんな言葉とは裏腹に、志貴の口元は微かな笑みで綻んでいた。

月夜 2010年06月29日 (火) 01時06分(37)
題名:突撃高等学校! アルクェイドの一日体験入学(第七章)

「ふぅ……楽しかったね〜♪」
「……そうだな」
アルクェイドと志貴の二人は、肩を並べて、しかし、その表情だけは両極端に、片方は意気揚々と、もう片方は意気消沈とした面持ちで、ゲームセンターの自動扉をくぐった。
ふと腕に付けた時計に目をやってみると、時刻は既に夜8時を示していた。
高校生の基本概念から考えるに、これはなかなか遅い時間だ。
最初、アルクェイドは「遊園地に行きたい!」などとほざいていたが、志貴は秒を待たずとしてその案を却下した。
資金面でも無理だったし、何より時間が遅すぎる。
こんな夕暮れ間近の時間帯に、どこのバカが遊園地になぞ特攻するものか。
しばらくの間、アルクェイドは口を尖らせて文句を垂れていたが、志貴の頑な拒絶に、仕方なく身を引くことにした。
そして、次にアルクェイドが候補として言い出したのが、「じゃあ、映画見に行きたい!」だったが、その提案も志貴は跳ね除けた。
理由は……言わずとも、何となく分かるだろう。
資金面的には、確かに大分厳しいものがありはしたが、絶対に無理というほどではない。
だが、志貴が本当に恐れていたことは、そんなことではなかった。
良い言い方をすれば、明朗快活。
悪い言い方をすれば、落ち着きがない。
そんなアルクェイドと映画を見に行こうものなら、一体どうなることか……。
アクションモノのような楽しいやつならばまだいい。
だが、万が一、恋愛モノのような退屈極まりないやつを見ることになったら……。
場の空気を読むという能力に、著しく乏しいアルクェイドのことだ……もしかしなくても、上映中に「これ、つまんないよ」などと言い出しかねない。
周りを埋め尽くす観客達から向けられる、明確な非難の目線。
その真っ只中に佇まざるを得ない自分の姿。
……考えるだけでも末恐ろしい。
よって、最終的に二人の行き着いた先は、無難な線ということでゲームセンターとなったのだ。
だが……。
「どうしたの、志貴? 何かげんなりしてるみたいだけど……楽しくなかった?」
「いや、そういう訳じゃないけど……」
アルクェイドが心配がちに志貴を見つめる。
まぁ、いつも明るいアルクェイドが不安を感じるくらいに、志貴は落ち込んでいた。
その理由は、約三時間程前に遡る。

「へぇ〜、ここが俗に言うゲーセンかぁ」
ゲームセンター内に足を踏み入れるなり、好奇心の塊のような眼差しで、キョロキョロと辺り一面を見渡すアルクェイド。
「俺も、ここに来るのは久々だな」
その後をついていく形で、一足遅れて入った志貴が小さく呟く。
有彦に連れられて行く位でしか、志貴もここへ来ることは滅多にないし、それも久しく訪れていなかったため、妙に懐かしく感じられた。
「ねぇねぇ、志貴! あれ何?」
「ん?」
アルクェイドに肩を叩かれ、志貴が彼女の方を振り向く。
その指差す先には、一際大きな筺体が置かれており、その脇にはハンドガン系のガンコンが差されている。
備え付けられているガンコンで、画面内の的を撃ち抜いていく、いわゆる一般的なガンゲーだ。

――二人用だし、ちょうどいいかもな。

志貴はそう思い、その大まかな内容をアルクェイドに説明した。
「面白そう! ねぇ、一緒にやろう♪」
アルクェイドは興味津々なご様子だ。
志貴の腕を引っ張り、待ちきれんばかりに移動を始める。
「わかった、わかった。だから、そんなに引っ張るなよ」
アルクェイドに引き連れられるまま、志貴は筺体の前まで半ば強制的に連行されると、自分とアルクェイドの分の硬貨を取り出し、チャリンチャリンと立て続けに投入した。

それから、約15分後。

「くぬっ! くぬっ!」
かなり興奮気味に、孤軍奮闘するアルクェイドの隣で、
「……」
志貴は、いつの間にか傍観者と化していた。

月夜 2010年07月01日 (木) 23時15分(38)
題名:突撃高等学校! アルクェイドの一日体験入学(第八章)

もはや異次元とすら思えるほどのハイレベルの中、アルクェイドは一人、神的な離れ業をやってのけていた。
敵の姿を視認した時には、既にこちらが撃たれているといっても過言ではない状況で、アルクェイドは素晴らしい、と言うか、もはや変態レベルな動体視力と反射神経で、画面上に表示される敵を、次から次へと射殺していく。
その速度たるや凄まじいもので、知らず知らずの内に出来ていたギャラリー達の間から、次々と感嘆の声が沸き上がる。

――……何だか、俺だけが惨めな気が……。

大勢の人混みに取り囲まれながら、志貴は一人、とてつもない疎外感に苛まれていた。
その後もしばらくの間、アルクェイドの独壇場は続いていたが、
「うぅ……あぁっ! もぅ!」
彼女は突如として奇妙な声を上げると、手に持っていたガンコンを筺体へと戻してしまった。
「行こう、志貴」
「えっ?」
そして、アルクェイドは戸惑う志貴の手を引くと、ざわめくギャラリーの中をかき分けて、一旦人混みの外へと退避した。
ゲームオーバーを告げる低く沈んだ効果音が、背後から微かに聞こえてくる。
「どうしたんだ? 急に止めたりして」
「だって、いつまでも私一人でやってたら、志貴は見てるだけでつまんないでしょ?」
不思議そうに尋ねる志貴に、アルクェイドが笑顔で答える。
おぉ、なかなか嬉しいことを言ってくれるじゃないか。
その言葉に、志貴は素直に感動した。
「ねえ、今度はあれ、やってみようよ」
そう言って、アルクェイドが次に指し示した先にあったのは、ゲームセンターと名の付く場所ならばどこにでもあるであろう、ワニ叩きのゲームだった。
さすがのアルクェイドも、これは聞いたことがあるようで、「これ知ってる〜♪」などとはしゃいでいる。
「じゃあ、まず最初に志貴からやってよ。私、これ聞いたことはあるけど、やったことないからさ」
「わかった。それじゃあ、まずは俺がお手本を見せてやるよ」
アルクェイドに背中を押され、志貴はワニ退治用のハンマーを手に、自信満面な面持ちで硬貨を入れた。
……正直、かなり自信はあった。
ここ最近はともかくとして、昔は様々な罰ゲームを賭けて、有彦とよく決死のサバイバルを繰り広げていたという、確かな実績に裏付けされた確固たる自信が。
そして実際、成績は自分でもそれなりに満足のいく得点が出たのだ。
「わぁ〜! 97点だって! すごいじゃない!」
志貴の後ろで、アルクェイドが拍手する。
「じゃあ、次はアルクェイドの番だな」
「うん! よ〜し!」
アルクェイドが志貴の手からハンマーを受け取り、ワニ達の前で腕捲りをして身構える。
「準備は良いか?」
「いつでも来〜い!」
その声を待って、志貴は硬貨を投入した。
お気楽なノリの音楽を鳴らしながら、ワニ達が顔を出し始める。
「てやっ! このっ! くぬっ!」
それら目がけて、アルクェイドが烈々たる気合いの声と共に、勢い良くハンマーを叩き下ろしていく。
賑やかなゲームセンター内に、叩き付けられたハンマーの鈍い音と、叩き潰されたワニ達の悲鳴がこだます。
残像が見えるのではないかと思うほど、まさに叩き壊すという表現そのままに、何度となく振り下ろされるハンマー。
次々とワニ達が叩き潰されていき、その度毎にカウンターが得点を刻んでゆく。
そしてゲーム終了後、その評価は勿論のように『まいった』で、結果はと言うと……。
「やった! 99点だ!」
喜びの余り、無邪気に飛び跳ねるアルクェイド。
「…………」
その隣で、志貴は唖然としていた。
何だ、これは?
訳が分からない。
普通、97点以上のスコアなんて、そうそう簡単に取れるものじゃない。
ましてや、99点なんていうでたらめなスコアは、今まで一度も見たことがない。
第一、99点なんてハイスコアを叩き出そうと思ったら、顔をちょこっとだけ出して、すぐに逃げる臆病なワニまで叩き殺さないと取れないはずだ。

月夜 2010年07月01日 (木) 23時16分(39)
題名:突撃高等学校! アルクェイドの一日体験入学(第九章)

そんな残酷なこと、自分には到底出来ない。
逃げる奴を、追い縋ってまで殺すなんて、そんなこと……。
これが、真祖の吸血姫と人間の差なのだろうか……。
「どしたの? 志貴?」
現実逃避モードに移行しつつあったその意識が、アルクェイドの言葉でふと我に返る。
「何か、朝目が覚めたら、隣で裸の妹さんが寝てた……的な顔してるよ?」
アルクェイドのその言葉に、志貴は一瞬そんな状況を想像して……思わず背筋が凍り付いた。
無表情だけど、その内に激しい怒りを秘めた翡翠。
顔は笑ってはいるけれど、目は全然笑っていない琥珀さん。
そして、勁烈たる怒りを孕み、今にも髪が赤くなろうかという、恐ろしき我が妹。
……洒落にならない。
そんなことは、例え冗談でもよしてくれ。
そう志貴は本気で思ったが、いちいち言い返すのは面倒だったので、その話題についてはあっさり流すことにした。
その代わりに、別のあることが志貴の口を突いて出た。
「……もう一回勝負だ!」
平和主義な志貴にしては珍しく、言葉の随所に激甚たる闘志が感じられる。
「いいよ〜♪」
アルクェイドもあっさりと承諾し、手に持っていたハンマーを志貴に手渡した。

――今度こそは……!

志貴はそのハンマーを受け取り、硬貨を入れると、再びワニの群れと対峙する。
その眼鏡の奥の瞳は、先ほどの雪辱を晴らすという意思で、ギラギラと光っていた。

……そして、その後も志貴はことごとく敗け続け、今に至るのである。
あの後、ワニでは勝てないと悟り、ちょっとパターンを変えて、モグラ叩きでもチャレンジしてみたものの、やはり結果は同じだった。
一人辺りトータル約10回の、二人合わせて計約20回。
アルクェイドはまだまだ元気いっぱいのようだったが、基本病弱少年な志貴の場合、さすがにそうはいかない。
上腕二頭筋の周辺がズキズキと痛む。
恐らく、明日はほぼ間違いなく、極度の筋肉痛を味わうこととなるだろう。
しかも、志貴にとっては計20回分のゲーム代金が、全て自分持ちであることも考えると、懐の被害もかなり甚大だ。
別に、十分過ぎるほど裕福な屋敷に住んでるんだから、その程度ならどうってことないと思うかもしれないが、裕福なのはあくまでも彼の屋敷なのであり、当の本人は結構貧乏な学生生活を送っているので、この出費はかなり手痛いのである。

――はぁ、これからしばらくの間、どうやって暮らしていこう……。

大きな溜め息を付きながら、志貴は軽くなった財布を、ズボンの後ろポケットにしまった。
ふと気付くと、分かれ道の交差点が迫っていた。
ここから、志貴とアルクェイドは各々の自宅に帰るため、別々の方角へと歩みを進めることになる。
「色々とあったけど、今日は楽しかったよ」
その直前で立ち止まり、志貴が小さく語り掛ける。
「うん、私も楽しかったよ」
アルクェイドも小さく頷く。
その彼女にしてはどこか控え目姿に、志貴は妙な違和感を感じた。
だが、もうとっくに日は暮れていたし、これ以上帰りを遅くしてしまう訳にもいかないと思い、志貴は特に気にしないことにした。
「じゃあ、今日はこれで……」
「……ねぇ」
そして、志貴が別れを告げようとした時、不意にアルクェイドが口を開いた。

月夜 2010年07月01日 (木) 23時17分(40)
題名:突撃高等学校! アルクェイドの一日体験入学(第十章)

「もうちょっとだけ……付き合ってくれないかな?」
つい先ほど、遊んでいた時のものとは対照的に、弱々しく静かな口調だ。
「付き合うって言っても……もうこんな時間だぞ? 俺は……」
「……お願い」
アルクェイドの真摯な眼差しが、志貴を真っ直ぐに見つめる。
無邪気な子供みたいに、ねだるような訳でもなく、相手の意思を無視するかのように、乱暴な強制力を持つ訳でもない、優しく純粋で、何より真剣味に溢れた澄んだ瞳。
そんな瞳に直視されて、志貴は断る気になれなかった。
「……わかった。でも、ちょっとだけだぞ?」
渋々と言った感じで、だがしっかりと志貴は頷いた。
「うん、ありがとう」
それに対し、アルクェイドは小さく礼を述べると、志貴を先導するようにしてどこかへと歩き始める。
「なぁ、一体どこへ行く気なんだ?」
「えへへ〜♪ それは、ヒ・ミ・ツ♪」
「別に教えてくれたっていいじゃないか」
「ダ〜メ♪ 着いてからのお楽しみだよ」
しかし、何度聞いても、アルクェイドは全然教えてくれようとはしなかった。
歩いている方向から考えて、彼女の自宅という訳ではなさそうだ。
なら、一体どこに連れていく気なのだろう?
その内、二人はある場所へと辿り着いた。
街灯もほとんど建っていない、街外れの広場だ。
「ここか? お前の来たがってた場所は?」
「違うよ、もう少し上の方」
そう言うと、アルクェイドはその広場の一角へと歩いていく。
そこには、大きな木の陰になっていて、昼夜を問わず大分目立たないであろう丸太の階段が、広場の上方へと向かって伸びていた。
「暗くて見えにくいし、ちょっと上りにくいから、足下には気を付けてね」
「あぁ、わかった」
先を進むアルクェイドの忠告を聞きながら、志貴は一段ずつその階段を上っていった。
丸太で作られているだけあって、一段ごとの段差がかなり不規則だ。
しかも、暗くて足下が見にくいせいもあって、確かになかなか上りにくい。
だが、上りにくいというだけであって、別に無理というほどではなかった。
前にいるアルクェイドの姿を頼りに、志貴は慎重に歩みを進める。
そして、それから少し……恐らく10分ほどだろうか、行ったくらいの所で、暗闇に慣れた志貴の目が、最後の段を微かに捉えた。
「さぁ、志貴」
「ありがとう」
差し出されたアルクェイドの手を借りて、志貴が最後の一段を上りきる。
そこで見たものは……。
「…………」
志貴は思わず言葉を失った。
それくらい、ここから見える景色は素晴らしかった。
絶景と表現してもいいかもしれない。
見下ろせる下界の街並みは、そこに立ち並ぶ家屋の明かり一つ一つが、まるで大地に点在する星のようだった。
街灯のような無駄な灯りが近くに無く、ここが暗闇に近いということも、この景色がより一層美しく見える要素の一つだろう。
そこにたった一脚だけ、設置されていた古ぼけたベンチを見つけると、どちらから言うともなく、二人はその上に並んで腰掛けた。
「……綺麗でしょ?」
「……あぁ」
アルクェイドの言葉に、志貴はただ一言だけ呟いた。
言葉では言い表せないほど、それは綺麗で雄大な景観だった。
「私ね……一度こうしてみたかったんだ」
アルクェイドが静かな口調で語り始めた。
「志貴と一緒の学校に行って、お昼には志貴と一緒にお弁当を食べて、放課後は志貴と一緒に遊びに行って……」
アルクェイドの手が、ゆっくりと志貴の手の上に重なる。
「……志貴とおんなじ学生として、志貴と肩を並べて歩いてみたかったんだ」
志貴の肩に、アルクェイドがそっともたれ掛かる。
「今日は、その願いが叶って、私、とっても幸せだよ……」
アルクェイドの穏やかな声が、耳元を心地よく撫でる。
それだけで、何だかすごく優しい気持ちになれた。
このまま、ずっとこうしていたい……そう思った。
「志貴は……どう?」
「え?」
「今……幸せ?」
アルクェイドが尋ねる。
「あぁ……幸せだよ」
志貴は迷うこと無く即答した。
「……嬉しい……」
そう囁いたのを最後に、アルクェイドは安らかな寝息を立て始めた。
その、とても穏やかで、嬉しそうに綻んだ表情は、まるで本当にあどけない子供のように見えた。
「お休み……アルクェイド」
隣で眠る少女に、志貴は小声で囁き掛けると、愛しむようにその髪を撫でる。
夜空に浮かんだ皓皓と輝く月だけが、二人を包み込むように照らしていた。

月夜 2010年07月01日 (木) 23時18分(41)
題名:突撃高等学校! アルクェイドの一日体験入学(あとがき)

おはようorこんにちはorこんばんは。
管理人の月夜です。
さて、これが二作目の作品ですが、今回は真祖の吸血姫をメインとさせていただきました。
最初は、「さすがに若作りし過ぎかな?」等と思いつつも、結局は「考えるのは面倒だから、とりあえずいってまえー!」みたいなノリで書いてみました。
いかがでしたでしょうか?
高校の制服に身を包んだアルクェイドというのも、それはそれでアリかなと思うのは、私だけでしょーか?
そんなことありませんよね〜。
きっと、制服好き且つアルク好きな人は、一度はやらせてみたかったはず……。
その想いを、力の限り空想具現化してみました。
(頼まれてもいないのに)
まぁ、それはともかくとして、やっぱりアルクメインにするならば、シエル先輩との絡みは外せませんな〜。
今回は学校関係ということだったので、さりげなくさっちんを登場させてみようと、当初から考えてはいました。
そして、どのように登場させようかも、色々と考えました。
……信じて下さい!
本当に考えたんです!
考えに考えて、考えぬいた結果……ああいう風になっちゃいました……。
さっちんファンの皆様、誠に申し訳ありませんでしたm(__)m
この場を借りて、深く深く謝罪させていただきますm(__)m




(作者反省中につき、しばらくお待ち下さい。)




よし!反省終了!(早っ!?
さて、今作ですが、前回の秋葉メインのものに比べて、いささか真面目です。
笑い少なめに、真面目に志貴君とアルクの純愛を描かせていただきました。
いつも賑やかで楽しいのが魅力のアルクですが、だからこそ、今回のようにおしとやかな彼女は、それはそれでまた別の魅力を醸し出していて、なかなか良いんじゃないかと思います。
特に、最後の方になりますが、分かれ道でアルクが志貴を引き止めるシーンは、書いている最中に、結構明確な図が頭の中で描けましたね。
これは、私の個人的意見になりますが、やっぱりアルクの最大の魅力は、子供っぽいけど実は大人で、大人っぽいけど実は子供で……みたいに、どっちつかずな所にあるんじゃないかと思います。
さて、今回もそろそろ幕引きとさせていただきます。
素人小説に時間を割いてまで付き合っていただいた皆様には、本当に感謝感謝で、言葉ではとても言い尽くせません。
こんな私に、何か感想やアドバイス、はたまたリクエスト等ございましたら、下の「小説感想アンケート板」または「小説感想掲示板」、「月夜に吠えろ」の方に、じゃんじゃんカキコ、お願いします。
これからもまだまだ作っていく気なんで、これからも月夜のアトリエを、よろしくお願い致しますm(__)m

月夜 2010年07月01日 (木) 23時19分(42)


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