煙草の問題を考える伝言板
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管理人 2006年11月14日 (火) 00時17分 No.106
Nさん、こんばんは。
煙害に関する訴訟については、原告勝訴というのは多くないと思います。つい先日江戸川区でタクシー運転手が小さく勝ったという報道がありましたが、日本では他には殆どありません。
裁判所が煙草に甘い判決を出すのにはいくつか理由があります。
(1)煙草の問題は、”政治問題”であること。自衛隊の違憲性判断などでもお馴染みの理屈です。三権分立を犯すと主張しています。
(2)科学的に知見のある裁判官がごく少数であると考えられること。司法試験には、科学の問題がありません。
(3)裁判官が世間知らずであること。司法試験に通ればいいわけです。また、一旦裁判官になると、職業上自由に他人と交流することが難しくなります。判決に予断を与えることを排するためです。
(4)裁判官には発煙者が多く居ると考えられること。原告が忌避できれば良いのかもしれませんが、どうでしょうか。
(5)責任の所在が曖昧であること。
管理者(会社)、発煙者本人、煙草会社、国等、煙草の問題は責任の所在が極めて曖昧です。裁判で相手にするのであれば、最も弱い、管理者を被告にするしかありません。直接の加害者を相手にするのは極めて難しいと思います。正しく責任逃れの構造なのです。
ご質問のような例では、当然救済されるべき、それが社会正義なのですが、実際には、そのようになっていません。私もこのあたりには疎いので、有名な伊佐山弁護士に相談してみたら如何でしょうか。
金銭的に心配ということであれば、市や県などの無料法律相談を利用することもできます。また、地方議会の議員事務所には、法律相談所などの看板を掲げていることもあり、利用できる可能性もあります。
答えになっておらず申し訳ありません。しかし、いい加減な回答も無責任なので、敢えて自分の意見を通すことはしませんでした。被害者の方には是非とも立直って頂きたいと思います。
N 2006年11月14日 (火) 20時46分 No.107
ありがとうございます
管理人様
早速のご回答ありがとうございます。
やはり喫煙問題で原告勝訴と云う判例は少ないのですね。
救済されるべき人たちが救済されない日本社会の欠陥、思いやりのなさとでも呼ぶことができるのかもしれません。
今回の化学物質過敏症の方は無料の弁護士相談をお願いしたそうですが、シックハウスの労災申請は通った事例があるのに受動喫煙の場合ほぼ無理と言われたそうです。
鬱病の原因は社内での不作法な暴煙行為を改めるようお願いしたための「いじめ」だそうです。
三人の発煙者から継続して嫌がらせを受けていたそうで、詳細は知らないので一概には言えませんが人前で排煙するような者は人間としてどうなんだろう、などと思ってしまいます。
会社内に「喫煙室」があり、「昼休みと三時のお茶の時間には排煙しても良い」と云う、発煙者にとってはかなり恵まれた環境の職場だったそうですが、ほとんどの人間が「(自分の服などが)臭くなるから」と喫煙室を利用せずに駐車場や会社の玄関脇で排煙していたそうです。
これは広義の「歩行喫煙」に該当すると思います。
日本社会と云うのは悪い状況を放置するだけで、これを改善するシステムに欠けているのかもしれません。
伊佐山弁護士というのは伊佐山芳郎のことでしょうか。
検索したところ「嫌煙権確立を目指す法律家の会」を結成した方だと分かりました。
余談ですが数週間前、夕食後に空腹を覚えてコンビニまで夜食のグラタンを買いに行ったことがあります。
骨折がまだ完治していないのでステッキをつきながら歩いているのですが、マンションの入り口に差し掛かったところで初老の品の良いおじさんが私がエレベータに辿り着くまで「開」ボタンを押したまま待っていて下さいました。
「何階ですか?」「上天気が続きますね」「はい、三階です。お先にどうぞ」
私が杖をついて歩いていることを差し引いてもかなり親切な方だと思いました。
こういう「思いやり」を日本人全員が持っていれば煙害で人を苦しめるなどと云う事例も激減するんだろうなと思った夜でした。
管理人 2006年11月14日 (火) 23時23分 No.108
こんばんは。
煙草被害の問題は、上に述べたとおりなかなか救済されない状況にあります。だからこそ、私も書き続けている訳です。今後は、健康増進法が根拠となって救済の道が開けることを期待したいのですが、日本の法体系は、悪者勝ちみたいなところがあります。挙証責任は原告側にあるのですから。他の国も同じようではありますが、判例は随分と違います。
被害者の方が相談された弁護士さんがどのように説明されたかはわかりませんが、法の正義についても説明されたのでしょうか。正義が無ければ法律には意味がないのですから。現状の運用がどうなっているか、というのとは別問題だと思います。法律の前に正義があってしかるべきなのに、悪者の保護が優先されている、というのが私の印象です。
>鬱病の原因は社内での不作法な暴煙行為を改めるようお願いしたための「いじめ」だそうです。
>三人の発煙者から継続して嫌がらせを受けていたそうで、詳細は知らないので一概には言えませんが人前で排煙するような者は人間としてどうなんだろ>う、などと思ってしまいます。
>会社内に「喫煙室」があり、「昼休みと三時のお茶の時間には排煙しても良い」と云う、発煙者にとってはかなり恵まれた環境の職場だったそうですが、ほとんどの人間が「(自分の服などが)臭くなるから」と喫煙室を利用せずに駐車場や会社の玄関脇で排煙していたそうです。
実は、次の話題は、いじめ問題について取り上げる予定で、今朝出張中に列車の中で書いていました。まだ、完成していませんが、論旨はNさんのご指摘にそのままあてはまるものです。今週末には更新したいと思っています。
>伊佐山弁護士というのは伊佐山芳郎のことでしょうか。
その通りです。著書もいくつかありますし、煙草被害訴訟の弁護団として有名です。しかし、弁護士費用については分かりません。ひょっとして手弁当に近いかもしれませんが、それなりに高額にしないと活動を維持できませんから、活動は大変だと思います。正義が勝つという訳ではないのです。
今でもあるかどうか分かりませんが、4,5年前には、公判記録をウェブで読むことができ、感銘を受けました。
>骨折がまだ完治していないのでステッキをつきながら歩いているのですが、マンションの入り口に差し掛かったところで初老の品の良いおじさんが私がエレベータに辿り着くまで「開」ボタンを押したまま待っていて下さいました。
>「何階ですか?」「上天気が続きますね」「はい、三階です。お先にどうぞ」
>私が杖をついて歩いていることを差し引いてもかなり親切な方だと思いました。
>こういう「思いやり」を日本人全員が持っていれば煙害で人を苦しめるなどと云う事例も激減するんだろうなと思った夜でした。
煙草の問題に限らず、こうした心掛けで、世の中が住みやすくなるんだろうなと思います。自分も心掛けたいですが、正しいことをするのは易しいものではありません。勇気が要るのですね。
N 2006年11月17日 (金) 00時53分 No.110
積み重ね
こんばんは。
例の化学物質過敏症の友人から電話がかかってきて、明日(今日)また労基署に出向くとのことでした。
受動喫煙で労災申告が通る可能性は低いそうですが、なんとか今回の件は通して欲しいとお願いというか応援というか、そのように返答致しました。
「受動喫煙被害者が法的に救済された」と云う前例を一つずつでも増やしてゆく「積み重ね」が大切だと感じたからです。
暴煙による労災申告が通った事例を増やしてゆけば徐々に日本社会が煙草問題に真剣に取り組むように変化してゆくと思います。
ただ、私自身は発煙者で煙が苦にならないので、この人の苦痛を100%理解したり肌で感じることはできません。相談にのることくらいしか出来ないのですが、「誰も話すら聞いてくれないからそれだけでありがたい」と言われました。
「誰も話すら聞いてくれない」と云うのもかなり問題だと思います。
管理人 2006年11月18日 (土) 23時36分 No.113
お友達の方が少しでも心神の疾患から回復されるようお祈り致します。
聞いてくれるだけまし、というのは全くその通りですが、これこそ社会問題なのだと思います。こんな世の中に誰がしてしまったのか、どうしたらいいのでしょうか。
N 2006年11月19日 (日) 11時19分 No.114
半分涙声でしたね
こんにちは。
化学物質過敏症の友人ですが、無料の弁護士相談はほとんど役立たずだったそうです。
割いてくれる時間がたったの20分。
20分で何を話せというのでしょうか。「命にかかわる」と言ったところでようやく弁護士が事の重大さに気付いたそうですが、「この問題は○○県初でしょうね。面白いですね」
「面白い」と云うのは「興味深い」と云う意味なのでしょうか。
「法の正義」を説明してくれたのは女性のM先生と云う少し遠くの女性弁護士の方だけだそうで、「この問題(受動喫煙の労災の方)はね、勝てるわよ。でも貴方の頑張り次第。つらいわよ。覚悟はできてる?」と言われたそうです。
是非、というかできれば必ず勝って欲しいと思います。
この人自身のためになるだけでなく、「受動喫煙被害者が法的に救済された」前例を増やすことが日本の国益にもつながるからです。