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grad all over-腐れ縁の音楽達-

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(91) 鈍色と黄金色の前進◆◆東京スカパラダイスオーケストラ--stompin'on DOWN BEAT BALLEY◆◆ 投稿者:nabes MAIL URL
「元気ですか〜!!元気があれば何でもできる!」

この台詞が代名詞となっているアントニオ猪木。
かつて、ジャイアント馬場に反旗を翻し、新プ
ロレス団体を設立、半年で潰れてしまったり、
モハメド・アリとの世紀の一戦の為に莫大な借
金を抱えたり、政治家時代、腹心ともいえる秘
書から糾弾されてしまったりしながら昭和〜平
成をサヴァイブしてきた猪木だからこそ、この
台詞は言えるしそれ故に深い。

東京スカパラダイスオーケストラ(以下スカパ
ラ)の新作『stompin'on DOWN BEAT BALLEY』を
聴き終わった時、この台詞が頭をよぎった。長
いキャリアの中で、このバンドはいつのまにか、
そんな深い貫禄を手に入れるバンドとなった。

昔から、とても好きなバンドだった。10人以
上の編成で、一体となるグルーヴ。スカという
お気楽なジャンルから、色々なジャンルに波及
していくまろやかなコクのある感じ。多種多彩
なミュージシャンからのリスペクトを集め、色
んなアルバムに参加して、その仕事を全うする
職人的な仕事ぶり。プロフェッショナルという
言葉がこんなに似合うバンドはいないと思う。


がしかし、そんな長いキャリア、そしてそんな
大編成の中で苦労というか、いくつも苦しみも
勿論味わってきた。知ってる方も多いだろうし、
触れられたくない傷だが、メンバーの死という
事件は彼らの歴史の中でも大きなトピックスと
して残るであろう。もし年表があるとしたら赤
線・太字級の出来事である。しかも、二人。
彼らの「魂」としてのアイコンを担当していた、
グリーンヘッド・ギムラ氏、そして彼の死後、
リーダーとして、そしてドラムとして大編成の
文字どおり柱として縦横無尽の活躍を見せた青
木達之氏の自殺。

そんな二つの事件から僕はいつのまにか、この
バンドを不幸なバンドして見ていた節がある。
大編成の悲しい性ともいえるし、そういった悲
しい事件の起きる可能性が、他のバンドより多
いという偶然から、彼らのスカをも鈍色の音色
として聴いていた。だがしかし、本当に悲しい
のはもちろん、残ったバンドの人間である。そ
の都度、「この後、どうしたらいいのだろう」
という光の見えない迷路に迷ってきただろうし、
それでもスカというジャンルにこだわり続ける
事が、果たしていいことなのかという自問自答
もあった筈である。
でも、彼らはスカというジャンルにこだわり、
大編成というバンド形態にこだわった。悲しみ
の倍、元気でいること、それが彼らのやり方と
してスカを黄金色に輝かせた。そう、それこそ
トランペットや、トロンボーンのような黄金色
に。

今回のアルバムは田島貴男、チバユウスケ、奥
田民生の「歌モノ3部作」というものが一つの
核になっている。僕もこのアルバムを聴くにあ
たり、この3曲を聴く機会が多い。がしかし、
実際はその他のナンバーにこのバンドの本質は
色濃く現れている。アルバムタイトルのように
ビートを、そしてその終わりなき旅を踏みしめ
る事でスカパラの団結をそして、アンサンブル
をより強固なものにさせている。

苦悩なんてしたくないし、そこから前進する事
の勇気というのは、本当に体力のいる作業だ。
でもその一歩を踏みしめたからこそ、スカパラ
は本当の黄金時代を迎える事が出来た。今作は
並みいる強豪を押さえチャートのトップに躍り
出た。きっと、天国の二人も喜んでいるに違い
ない。鈍色と黄金色の鮮やかなハーモニーに。
そしてそんな重くて深くて、でも軽快なスカの
リズムに僕は最初の猪木の台詞のように元気を
頂く事ができました。御馳走様でした。

2002年08月07日 (水) 17時55分




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