(85) モーニングプロレス。◆◆モーニング娘。--4TH いきまっしょい!◆◆ |
投稿者:nabes
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かつて、アントニオ猪木に藤原喜明に反則 パンチを振い勝ちを収めた後、前田日明が 蹴りを放ち、リング上でこう言った事があ った。
「猪木なら何をやっても許されるのか!?」
誰もがわかっていながら、そんな事を触れ るのはナンセンスな、ある意味、暗黙の了 解だったわけだが、前田は言わずにはいれ なかった。猪木というブランドに侵される プロレス界に蹴りを放ったのである。前田 という男が寵児として浮き上がったのは、 この一言からであろう。 がしかし、一方でこういう意見もあった。 そう、猪木は何をやってもいいのだ。とい う意見だ。猪木は長嶋であり、田中角栄で あり、そんな存在を皮肉にも再確認させて しまったのだ。それだけのカリスマ性、そ して世間への認知度を浮き彫りにしてしま ったのも事実である。まさに前田日明の功 と罪がそこにはある。
〜なら何をやっても許される。いま、その 言葉を使う事ができるのはもしかしたら、 モーニング娘。くらいなのかもしれない。 強引だろうか?いや、そんな事はない。と にかく、僕はそう思う事にしている。その 方が、モーニング娘。というキーワードは 導きやすい。
この雑文を長く読んでいる方の中には「何 だよ、またハロプロかよ。このアイドルオ タクが」とお思いの方もいるかと思われま すが、しばし御容赦を。とはいうものの今 ではすっかり王道と化している娘。ではあ るが、最初は邪道以外の何ものでないスタ ートであった。 娘。同様、邪道なつんくというプロデュー サーの起用。オーディションという暗部の テレビ放送。そのグループ名の違和感。考 えるとASAYANという番組自体が、かなりゲ リラ的でエグイ番組であったが、そのゲリ ラ的な手法で娘。は見事にトップの地位を 確保している。
前述の猪木も今では日本人の8割以上が知 っているメジャーな(元)プロレスラーだ が終生のライバル、ジャイアント・馬場に、 少しでも追いつけ追いこせという精神のも と、ゲリラ的な戦法を用いた、邪道なプロ レスラーだったといってよい。
そんな娘。の『4TH いきまっっしょい!』 は安定感に溢れたメジャープロレス団体の 雰囲気を醸し出している。曲ごとに違う、 メインボーカル陣に見る複数スター性な感 じ。その曲がそのトップごとに違うスタイ ルを表している差別化。そこに中堅陣の追 い上げを助長するプロデューサーのプロモ ーション、そして若手は来るべき売り出し の日までに実力をつけるべく切磋琢磨させ る、その姿勢。まさにモーニング娘。って プロレス団体じゃないか。
あえて、このアルバムのベスト・トラック を2曲目の『ザ☆ピース』ト6曲目の『そ うだ!WE'RE ARIVE』にしておこう。なんだ よ、シングル曲じゃないかと思った人もい るかと思うが、このグループにとって、シ ングルはビッグマッチ、つまりオールスタ ーなんである。トップ、中堅、若手の魅力 を全て渾然一体として、至上の盛り上がり を見せる空間、それこそ「対世間」を意識 した一番モーニング娘。をわかりやすく提 示させる見事なコラボレーションといって よい。最近、総合格闘技界に押されっぱな しのプロレス界はマジでモーニング娘。か ら学んだ方がいいと思う。エンタテイメン トは面白ければ何をやっても許されるのだ。
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2002年07月23日 (火) 18時39分 |
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