Kjことドラゴンアッシュの降谷健志が20 世紀を代表するアルバムにブルーハーツ の1st、2ndそしてこのアルバムを挙げ ていた。正しい。
この雑文も実に50回を数えた。まさか、 こんな形で書き連ねていき、そしてメル マガになるなど思ってもいなかったので、 かなり嬉しい。密かに50回記念は、やは りブルーハーツしかあり得ないと思って いた。僕に多大な影響を与えた、愛しき ロックバンド。THE BLUE HEARTS。
出会ったのは中学生だった。当時、おニ ャン子クラブ全盛で、よく僕はニッポン 放送のラジオなんかを夜中に聴いていた。 日曜日なんかはおニャン子の他にも菊池 桃子やら南野陽子やら、アイドルが30分 交代で番組をやっていたので、ずーっと ラジオにかじりついていた。事件は午後 10時、国生さゆりの『走れ!メロン』で 起こった。
今でもそうなのか知らないけど、NHKに出 るにはNHKの審査というものが必要で、わ ざわざ国生がその審査に出向いた時の事 だった、おニャン子という事もあり風当 たりは結構強い。凄い緊張が彼女を襲っ たらしい。その時、彼女の前のバンドの 声が聴こえてきた。
「♪ど〜ぶね〜ずみ〜みたいに〜」
歌詞の冒頭からドブネズミ、彼女は一気 に緊張から抜けて審査にパスしたらしい。 そのお礼に自分の番組にゲスト出演した バンド、それがTHE BLUE HEARTSだった。 そしてそこで改めて流れた『リンダリン ダ』。僕と後にハイロウズまで続く関係 はここからスタートした。
そして、彼らは一気に日本のミュージッ クシーンを駆け上がり『TRAIN TRAIN』で トップに上り詰める。そして『情熱の薔 薇』で安定した位置に上り、ある意味過 渡期にさしかかったアルバム、それが、 『HIGH KICKS』であった。 このアルバムは初期のような衝動的なパ ワーも、晩期の凸凹盤のような完成度の 高さもない。だけど、僕の中ではかなり 好きなアルバムである。何なのであろう か?
考えるに気軽なとこがいいのかもしれな い。ただ、飛び跳ねてるだけじゃない。 暑苦しいわけでもない。誰にでもわかり やすい優しい歌も歌える、勿論、パブリ ック・イメージにも応えるよ〜んみたい なナンバーもある。そして、ロックする 事は彼らにとって楽しいっていう事を自 然に受け取れる、要は肩の力が抜けてい るのだ。
この頃、今ではごく自然な話だがピアノ の白井さんが準メンバーという形で入っ てくる。それに対して僕も含めて昔から のファンって少し抵抗があった。以前に 比べてソフトになったからだ。もう昔の 彼らじゃないのだろうか。そんな疑問に 後半、初期のナンバー『TOO MUCH PAIN』 を初めて収録している。そこで初めて僕 は気がついた。気軽に出来る今だから、 この歌なんだろうって。そしてこの曲は ピアノがあって初めて完成したのだろう と。
よく考えると、この気軽さはハイロウズ に繋がっていく。ロックは楽しい。もっ とロックは気軽なもんだ、という意味で 一番ハイロウズに近い分だけ今聴いても 古さも感じられないし、普通に聴く事が できる。ヒロトの可愛いとこ、マーシー のクールな部分、河ちゃんの優しいとこ 梶くんの悠然としたとこ。この全てがTH E BLUE HEARTSだった。このアルバムで、 「完成」したのだった。
おそらく節目節目で僕はまた今後もTHE B LUE HEARTSを聴くだろう。それでも節目じ ゃなくても、たまに聴きたい時はこのアル バムを聴くだろう。肩の力を抜いて、ごく 自然な体勢で、優しい気持ちで。
僕はTHE BLUE HEARTSというバンドが好きだ。
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