今の今までオフ会というものに2回
ほど参加したことがある。チャット
やら掲示板なんかで匿名ながら知っ
ているもの同士が何かのキッカケに
大挙して会う。まぁ、それがオフ会
というものなんだが、何とも気恥ず
かしいものを感じる。何と行っても
ハンドル・ネームでお互いを紹介し
あうのである。チャット上などでは
気安く呼び合っていても、いざ会う
ということになると、「あ、どうも
○○ですぅ」なんて紹介する。しか
も、いい大人がである。何とも間抜
けなもんである。ちなみに僕のHNの
nabesは「ワタナベ」のnabe「シンヤ」
のs。それだけなので、大して変な話
題になることもない。そういうオフ
会用の対策というわけでもなかった
けど、案外気に入っているHNである。

しかしオフ会って初めて行く人には
結構つまらない場合がある。理由は
簡単、いつも話している人たちのイ
メージがこっちが想像してる人と、
かけ離れている、これに尽きる。ま
あ、逆にいえばこっちのイメージも
向こうから言わせれば全然違うのだ
ろうが、人の事など知ったこっちゃ
ないので、自分勝手に書かせてもら
おう。

そんなオフ会に初めて行った時の話
だが、これがまた、つまらなかった。
主催者の友達か何かのライブを見せ
られ、んで改めて飲みに行くという
展開だった。そのライブもなんだか
ショボくて「とほほ・・」な感じだ
ったが、飲みにいったとこも貸し切
った割には席の場所とかが離れてい
て、明らかに設定ミスのような気が
した。まぁ仕方ないということで、
同行した友達と、酒でも飲みながら
BGMでも楽しむかなんて事になった。
そこで、流れていたのが今回紹介す
るGIL SCOTT-HERONの『THE REVOLUT
ION WILL NOT BE TELEVISED』だっ
た。その店はリクエスト・カードで
曲のリクエストが出来たので、オフ
会そっちのけで、今流れていた曲の
詳細を教えてもらった。

しかし、名前は聞いたが探すのに苦
労した。ジャズっぽくも聞こえるし
ラップぽい感じもする。まぁ、とは
いうても黒人なんだろうなと、思い
ながら、やっとの思いでベスト盤を
購入した。
どうやら70年代に活躍した人のよう
で、色んなジャンルを取り込んだあ
る種、オルタネイティブな作品だっ
た。ポップ、ブラック、ジャズ、フ
ァンクなどを一つのボウルにまとめ
て入れた感じは結構気持ちよくって
今でもよく聴くものだ。

何かまとまりなくなってしまったけ
ど、今回の項で言いたかったのは、
人の一期一会があるように音も一期
一会もあるということ。たとえ、そ
のキッカケが何とも「とほほ」なキ
ッカケでもそこで、出会ったのが良
質の音楽であるなら、オフ会にでも
出向いてみようと思い立った自分の
気持ちというのはおそらく間違いで
はないんだろうし、今となっては、
ショボかったライブもGIL SCOTT-HER
ONに出会うための通過儀礼だとした
ら、まあ許せてしまう。そんな都合
のいい機会だったと思う。おそらく
色んなところにキッカケは転がって
いる。そんなキッカケとの一期一会
のために僕は今日も生きている、そ
んな気になるのは大袈裟なようで、
大袈裟じゃない気がする。