(187) あの頃の僕は間違ってなかった◆◆MATT BIANCO--A/COLLECTION◆◆ |
投稿者:nabes
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先日、ちょっと夏っぽい感じのBGMを探しにTSUTAYA まで出かけた。毎年、自分の中では「よし、今年の 夏は、○○だ!」という一貫したテーマを決めてお くものなのだが(○○に入るのはジャンルでもアー ティストでも可)、今年は特にそれを設けるわけで もなく、無差別に何枚かセレクトしてきた。あえて 言えば、賑やかな感じ、それでいて夏の匂いがプン プンするようで、それでいてクールな感じを自分の 中では重点を置いた。もちろん、簡単な訳よ。ベッ タベタに夏のアルバムを借りる事は。だって、極端 な話TUBEでいいじゃん、ということになるわけだが、 長く音楽を聴いてる身としては、それではダメなん である。まぁ、TUBEにはTUBEのいいところが、ある だろうからここでは、それについて触れる事は出来 るだけ避けよう。
というわけで、グダグダ店内を物色していると、あ るCDに目がいった。思わず、「懐かしい〜」と目尻 の下がるアーティストなんだが、よくよく考えてみ ると夏系のアルバムだし、実は僕の好きな音なんで は?と、しばし熟考。気がついたら、そのアーティ ストを起点としたCDを次々と借りていった。アーテ ィストの名前はMATT BIANCO。このセレクトは結果 的に大成功となった。 借りたのは、とりあえず彼等のベストとなる『A/CO LLECTION』。一番、無難だろう。この名前を聞くと、 僕は広告代理店時代を思い出す。初めて就職したと ころが、高田馬場の広告代理店だった。10人以内 の小さな代理店で、風俗やダイヤルQ2関係の広告 を中心とした、端からみたら非常に如何わしい会社 なわけだが、僕はそこで21〜23才くらいまで、 営業として働いていた。イヤなことも一杯あったし、 まだ自分が若い事もあり、沢山の衝突もあったりし たが、基本的にはアットホームで、ある意味、今の 自分の仕事という事に対する気構えみたいなものを 築いた会社だったかもしれない。そういう部分では 今でも感謝している。
少し話が逸れたが、なぜ、MATT BIANCOからその会 社の事を思い出したかという点だが、その会社では 基本的に営業なので、午前中はファックスや電話に よる得意先や新規に対する営業、午後は外回りとい うのが一つの流れになっていた。そんな中、会社の 中では絶えずJ-WAVEが流されていて、自分はそこで 「おっ、この曲イカスじゃん」と思ったものを外回 り中、時間が空いた時に試聴して、買ってくるなん てことをしていた。日によって気分の乗らない時は、 殆ど一日中、CD屋を大小構わず覗いていたのだが、 会社で「凄いカッコいいなぁ」と思ったのが、先に も触れたMATT BIANCOであった。
当時、90年代中盤はアシッド・ジャズにも代表さ れるようにハウス・ミュージック全盛。四つ打ちの リズムにレゲエやサルサや、その他南国系のリゾー ト感とスリリングな展開の彼等の音楽は、耳にスン ナリとも入るし、今思うと、自分が今でもそういう 四つ打ちのビートを好む原点なのかもしれないが、 その当時は何故か、購入することはなかった。きっ と、オシャレすぎて敷居が高かったのと、そういう 風に情報を求めながら、心のどこかで、それには踊 らせられないぞと思う、天の邪鬼な僕が顔を覗かせ たのかもしれない。 時は経ち、ようやく、そういう音楽を取り込める器 になったのか、節操がなくなったのかわからないが、 自分の中では何のわだかまりもなく、今回MATT BIA NCOを借りて、やはりあの頃の僕は間違ってなかっ たと自己確認を噛み締めるのであった。
しかし、こういうリゾート感溢れる音楽を聴くと、 仕事なんてしたくなくなるのが本音であろうか。次 にMATT BIANCOをちゃんと聴く時は、本格的にリゾ ート地で聴くのが、一番いいかもしれない。ああ、 早く旅行したいなぁ。思えば、しばらく仕事を休ん でいない悲しい現実にぶち当たってしまったのであ った(涙)。
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2003年07月03日 (木) 17時48分 |
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