(175) 遺産にするには惜しすぎる◆◆米米クラブ--DECADE◆◆ |
投稿者:nabes
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先日、仕事の関係で米米クラブの『SHAKE HIP!』を 探すはめになった。変な話、うちには既に1000 枚近くの、というか1000枚以上のCDがある筈で ある。〜筈であるというのは、最近数えるのが億劫 になってきたからであって、あくまで推測なのだが、 おそらくあるであろう。まぁ、それだけあるのだか ら、その中にきっと埋もれているであろうとタカを くくっていたのだが、意外にもなかった。例えば、 当時、空前のダブル・ミリオンとなった『君がいる だけで』を収録したアルバムとかはあったのだが、 (ちなみに、この文章の冒頭で「例えば」とつけた のは、決して駄洒落ではない(苦笑))『SHAKE HI P!』は無かった。少し前に辞めた上司からもらった オムニバスCDの中とか、怪しいなぁと思いながら、 それを漁っていたら『SURE DANCE』はあった。惜し い。どうしても見つからなかったので、仕方ないの でTSUTAYAでレンタルしようと思って行ってみたが、 何と大和のTSUTAYAには米米は2枚しか無く、しか もベストとかの類いとかでなく、普通のアルバムが 2枚である。少なくともベストは置いておこうよ。 仕方ないので家に帰り途方に暮れていたら、米米の ベスト『DECADE』のMDが見つかり、その中に収録さ れていた。何だったんだよ、今までの徒労は。
しかし、考えてみるとTSUTAYAに2枚しかなかった というのは、僕の中で軽い衝撃だったかもしれない。 先ほども書いたけれど、ダブル・ミリオンとかも経 験しているバンドなわけで、ある意味時代を創った バンドである、米米クラブというのは。そんなモン スター・バンドが21世紀に入り、大和という神奈 川の片田舎(というほど、田舎でもないとは思うが) のTSUTAYAで2枚しか在庫がないというのは、米米 クラブが時代に埋没されてしまったという事なのか ?そうだとしたら、あまりにも惜しいし、僕のよう なバンド・ブームに実を埋めた世代としてはあまり にも世知辛いと思うのである。
というわけで、改めて米米クラブの『DECADE』を聴 いてみたわけだが、正直古いとまでは思わないんだ よなぁ。カールスモーキー・石井の歌声や表現法法 というのは、現在の氣志團・綾小路翔に通じるし、 (というか氣志團の『恋人』はまんまです)ホーン ズを大量に使っているのだって、長い年月をかけて スカパラが花を開かせているわけだし、バラードか らパーティー・ソングまで自由自在なスタイルは、 あのショーアップされたステージや衣装からしたら、 広い意味でオルタネイティブである。そう考えると、 そんな多彩な色が混じりあった良質なバンドなのに、 80年代の遺産としてだけの位置付けはあまりにも 惜しいと思うわけだ。
でも、考えてみると僕の大好きなブルーハーツなん かと比べると、真逆なバンドなのに何故、あそこま で惹かれたのであろうか?おそらく、ひたすら楽し さを追求していたからではないだろうか。楽しいこ とに貪欲で、その時代からしたら多少、リスキーな ことも、全てこのバンドのエンタテイメント性でカ バーしてきた。スリリングな曲展開も、意味があっ てないような歌詞も。だからこそ、『君がいるだけ で』などのラブ・バラードもクサイけれど、ギャッ プも含めて思わずニヤニヤしてしまう位の楽しさを、 今聴いても感じるのである。そんな僕は『TIME ST OP』が一番好きなわけだが。
現在のある意味、総ミクスチャーな音楽ジャンルの 中では割と自然に聞こえる音だが、当時は実験的だ ったんだろうなぁ。だからこそ、世間に届くインパ クトは絶大で時代を風靡する音になり得た。彼等が いなければ、ドリカムのブレイクも、スカパラの隆 盛も、オザケンの路線も、勿論氣志團のひと回りし たシニカルな笑いもあり得なかった。そう考えると リスキーながらも新しい楽しさを見つけようと風穴 を開けた米米クラブの功績って、もっと称えるべき だと思う。カバーするなら『浪漫飛行』じゃないだ ろう、今こそ『FUNK FUJIYAMA』だろ。そして、お 願いだからBOφWYみたいに再評価という形で、過去 の映像とかのDVD化、これを切に願う次第なのであ る。あと、TSUTAYAには一応ベストは置いといてほ しいなぁという事もお願いしておきたい(笑)
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2003年05月22日 (木) 17時37分 |
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