(100) 始まりはいつも。◆◆JOHN LENNON--ROCK'N ROLL◆◆ |
投稿者:nabes
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僕にとって音楽というものは、不可欠なものだ。 今さら言う事でもないのだけれど。よくあるじ ゃん、「無人島に持っていくのならこの○枚」 みたいな企画。頼むから100枚は持っていか せてくれ。なるべく沢山の音にまみれていたい。 それによって、気分を高揚させたり、沈むとこ まで沈んでみたり、思い出を美化させたり、髪 を切りたくなったり、料理をしたくなったり、 新しい事をしてみたくなったり。そう、新しい 事をする時には必ず聴くCDがある。JOHN LENNO Nの『ROCK'N ROLL』もし、仮に3枚しか無人島 に持っていってはダメですよ、と言われたらこ のCDは選ぶと思う。
ジョン・レノンというとビートルズである。そ してイマジンである。大多数の人はこう答える でしょう。それこそ、愛と平和の使者、みたい な言われ方をされるが何をおっしゃる、ジョン は俗物まみれの真人間である。断じて聖者なん かじゃない。クソまみれのロックン・ローラー である。
そんなクソまみれのジョンが、育児休暇前に出 したアルバムが、本作『ROCK'N ROLL』である。 このアルバムではジョンが敬愛した、オールデ ィーズナンバーで埋め尽くされている。『BE B OP A LULA』、『STAND BY ME』、『SWEET LITT LE SIXTEEN』、『PEGGIE SUE』などなど。 ここでのジョンは誠にクソ野郎のクールな演奏 をエンジョイしている。一番、自分がロックン ロールというものに対して純粋だった頃、明確 に自分が欲しているものがわかった瞬間の音楽 にまみれて、極めて『ROCK'N ROLL』というタ イトルにも関わらず、ピースフルな40分であ る。ジャケットの若かりしジョンは、傍目には 分かりにくいが、尖ったナイフの先のような視 線を、ほんの少しの上からバレない程度に斜か ら俯瞰して見ている。きっと、友達にしたくな いタイプだったような気がする。随分前に『バ ックビート』という旧メンバー、スチュアート ・サトクリフを主としたビートルズ映画があっ たが、あれのジョン役の非じゃない、尋常じゃ ないテンションだったのだと思う。もちろん、 『ROCK'N ROLL』録音当時その頃のテンション に戻す事など、サラサラ出来るわけ無いという 事も知ってるだろうから、このような肩の力を 抜いた柔らかい演奏になっているが、彼の『R OCK'N ROLL』は、ジャケが全てである。
しかし、何でだろう。このCDは僕にとって何故、 何かを始める時には必ず聴くのだろうか?もっ と激しいロックンロールは他にも山程あるし、 カバーという観点から見たら、自分のリアルタ イムに合わせたものの方が(要は昨今のカバー アルバムとかね)、シンクロ感はあると思う。 そして、どんなにジョンが凄かろうが、ビート ルズの普遍性と比べると、頭一つ落ちてしまう のが仕方のないところだ。考えるに、やっぱり タイトルなのかな。 「ロックンロール」という7文字の言霊からこ ぼれ落ちる、ひどくピュアな雫が僕を潤し、新 たな土俵に立ち向かわせる活力になっているよ うな気がする。そして、それを紡ぐジョン・レ ノンというキーワード、それは数字に例えると 「1」、漢字に例えると「日」、のような全て の基本のような気分に立ち向かわせてくれる。 そう、僕にとっての「ジョン・レノン/ロック ンロール」は、「初心忘るるべからず」のよう なものじゃないんだろうか?という事を書きな がら実感した。「すべての道がローマに通ず」 というのなら、その最初の一足、それのようだ と思えば全てに合点がいく。
お陰さまで、このGRAD ALL OVER。WEB上では下 書きと言いつつも、のべ100件目の雑文となった。 おそらく、貯金がなくならない限りは、メルマ ガ上でも100号目はこれにする予定である。そん な区切りを機に、今後ともよろしくお願いいた します、という挨拶と同時に、兜の緒を締める 意味で(勝った負けたではなくね)改めて、コ イツを聴いてまた、新しい一足を踏み締めよう と思った次第である。始まりはロックン・ロー ル!なんである。そう、このアルバムの最初の ジョンの「woo,yeah〜」のように。
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2002年09月13日 (金) 18時49分 |
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