最近の僕のキーワードとして「花」というのが
ある。「花」をどうというわけではない。ただ、
何となく「花」なのである。よく考えると好き
な歌には「花」が登場する歌が多い。エレカシ
の『悲しみの果て』にも、民生の『花になれ』
も去年のバラード２作に比べると好きだ。そし
て、ブルーハーツは『情熱の薔薇』が一番すき
だったりする。ミスチルにもあるなぁ。そのま
んまのタイトルが。そして常々、思う事だが、
色々な人が歌っている「泣きなさい、笑いなさ
い」の『花』は、近い未来、日本の国歌にして
もいいと思うのだが、いかがなものだろう。
ということで、「花」は自分の頭の中にある意
味、キーワードとして成り立っている。

今月の２１日、僕は誕生日を迎えた。満を持し
てMONGOL 800（以下モンパチ）の『MESSAGE』
を買った。何を今さらである。がしかし、その
時まで待った訳でもなく、吸い寄せられるよう
にそのCDを買った。

一番最初に聴いたのは去年の秋から冬に差し掛
かる頃だったろうか。うちの裏のラーメン屋さ
んで『小さな恋の歌』を聴いた。もちろん、そ
の頃は曲名も知らないし、それがモンパチが歌
っていることも知らない。ただ、モンパチの名
前は知っていて、そういう感じの音を出してい
るという事も予備知識として知っていたので、
「きっと、これがモンパチなんだろうな」程度
で聴き流していたのだが、印象的な歌だなとい
う事は瞬時に感じた。

そして不思議な事だが、この歌はラーメン屋で
聴く機会が異常に多かった。横浜西口のラーメ
ン屋さん。実家茨城のラーメン屋さん、などな
ど。。僕は別にラーメン大好きなわけでもない
のでラーメン屋なんてそんなによく行く訳でも
ないんだが、とにかくよく聴いた。
という事で購入して今の時点でまだ１週間経っ
ていないのだが、かれこれ、３０回は聴いてい
る。特に『小さな恋の歌』は本当によく聴いて
いる。こんなに連続して聴くのは本当に珍しい。
何なのだろうか？

さて、一番最初に書いたキーワード、「花」は
この歌には出てこない。では何故、「花」につ
いて書いたのか？この歌に花のような美しさを
感じたからである。エレカシしかり、民生しか
り、ブルハしかり、歌詞の中、タイトルに「花」
がついたりして、そこからのインスピレーショ
ンで「花」を感じたのだが、この歌には行間か
ら「花」が滲み出てきたのである。誰にでも理
解のできる簡単な言葉、誰にでもわかりやすい
シンプルな音、誰にでも聞き取り易い説得力の
ある歌声、これらが化学反応を起こし満開の花
を咲かしたのである。

「花」というのは興味があろうがなかろうが、
綺麗なものである。つまりはそれである。前述
した「花」のつく歌にはイノセントな美しさを
感じるものを感じるのだが、モンパチにはズバ
リ、ビューティフルの美しさが表されている。
その場のわずかな一瞬、それは人間の一生にも
関係する。広い地球から見たら確かに一瞬の命、
それは人間にもそして「花」にも。その儚い命
の一瞬に全てのエナジーを燃やして、焦がれる
様をモンパチ独特の感性で提示されてある。実
に簡単でビューティフルな方法で。

「夢ならば覚めないで、夢ならば覚めないで
　あなたと過ごした時、永遠の星となる」
　　　　　　　　　　　　　　（小さな恋の歌）

どうせなら生きてる間に満開の花を咲かせたい
ものだね。そしたらその花は死んでも、永遠の
星となるってもんであるから。ホンットに美し
い歌である。もちろんこの歌だけでもなく『あ
なたに』『MELODY』など、外れ曲なしでこのア
ルバムは展開されている。

「世界を変えるメロディを歌い続ける事
　それが人生の夢」
　　　　　　　　　　　　　　（MELODY訳詞）

もう、このアルバムで完成されているような気
もするが、それでもこの夢を貪欲に果てぬ夢と
して追いかけるモンパチいうバンドは本当に美
しいと思う。