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grad all over-腐れ縁の音楽達-

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(209) 刹那への通夜◆◆産まれてこなかった小沢健二『刹那』への鎮魂歌◆◆ 投稿者:nabes MAIL URL
小沢健二のアルバム未収録分のシングルを網羅し
たアルバム『刹那』が発売中止になったようだ。
僕の情報ではだが。もしかしたら〜延期なのかも
しれない。がしかし、この業界における延期とい
うのは大体が無期延期のことだろう。つまりは、
小沢健二の『刹那』は残念ながら、陽の目を見る
事がなかった。今回のGRAD ALL OVERは少しテー
マから逸れるようだが、そんな『刹那』を随分前
から予約しておいた僕の思いを書き連ねていこう
と思う。

まぁ、予兆はあった。本来8月の発売予定だった
このアルバムが9月26日にスライドしたという
電話をTSUTAYAからもらった時点で、「ああ、ヤ
バいなぁ」という不安が駆け抜けた。思えば、久
しぶりのオリジナル『ECLECTIC』に関しても、延
期延期で果たしてどこまで本気なのだろうかが掴
めない部分があった。しかし、アルバムタイトル
まで決まっているわけだから、さすがに出ないと
いうことはないだろう、という祈りにも似た感じ
の期待も少なからずあったわけだが。

しかし、その期待は残念ながら届く事はなかった。
実際、このアルバムを楽しみにしていたファンは
多かったであろう。おそらく、このメルマガを読
んでいる方の中にも、このアルバムを待ち焦がれ
ていた方は大勢いたようにも思える。なので、今
回の雑文はそんな方々とシミジミと、この世に生
を受ける事のなかった『刹那』に対するお通夜の
ようなものだと考えていただければ幸いである。

冒頭にも書いたように、要は『刹那』はベスト盤
である。歴史に残る名盤『LIFE』から『ラブリー』
で世間に風穴を開けた小沢健二という歌手は以降、
その路線を踏襲するシングルを立続けにリリース
していく。『カローラ?にのって』では、素朴な
がら「カローラ?」という商品名をいやらしく思
わせない、エヴァーグリーンを吹き込み、昭和か
ら平成を駆け抜けた御大筒美京平とのコラボレー
ト、『強い気持ち 強い愛』『それはちょっと』
で小沢のポップスは確立された。そうかと思うと
『さよならなんて云えないよ』では世界のポップ
・アイコン、Mジャクソンはパクってみたりする
ような遊び心を入れてみたり、『痛快ウキウキ通
り』では、カローラ?に続き、プラダという固有
ブランド名まで出してきた(しかも冒頭に)。こ
の辺から次作『地球の奏でる音楽』に連結するよ
うなジャズ路線に傾倒していくのは、『流れ星ビ
バップ』を聴けば自ずと見えていく筈だ。このよ
うなクールな流れも彼の特徴といってよい。そし
て結実した『大人になれば』で、その意向は結実
する。

ただ、若干この辺りから彼に世間との隔たりを感
じる事が出来てきて、彼の作品は迷いに入ってい
く。和のロマンを取り込んだ『夢が夢なら』、サ
ンプリングを全面に押し出し、ヤケクソ的にも感
じられる『BUDDY』は、その他に2曲未発表曲が
入っているのだが、どれもジャンルの統一感はな
く当時はお得感さえあったが、今考えると迷いに
もとれる。その後の『指さえも/ダイスをころが
せ』を経て、『ある光』では全盛期の路線を模索
しつつ、スピリチュアルな部分が見えかくれして
いき、袋小路に入った部分は否めない。そして、
『春にして君を想う』で再びジャズ・タイプの文
学チックな曲で小沢は完全に世間と、しばらくの
サヨナラをした。

おそらく、この辺の曲が入っている予定だったの
だろうが、こう考えると推測だが小沢が『刹那』
にストップをかけたようにも思える。前も書いた
が、きっと小沢はこういうタイプのシングル・ヒ
ッツ的な盤を出す事は本意ではないだろうと思う。
それは、過去にリリースされたアルバムを聴けば
分かる通りだが、一貫したコンセプトのないアル
バムに芸術性はないと考えているのかもしれない。
そのシングル・リリース分を刹那と言い切ること
にも、彼は違和感を感じたのかもしれない。こう
考えると、小沢健二の人格は、やはり根本的には
フリッパーズ時代から変わってないなとリリース
されなかったことに逆に安心できるのだから不思
議なものだ。

しかし、僕も含めて『刹那』を待ち焦がれていた
人は多かったはずだ。いくら迷いに満ちようが、
一つ一つの曲の完成度は、群を抜くのだから。2
1世紀の今でさえも、それは色褪せる事なく現在
活躍しているアーティストの中に混じってもケタ
違いだと思う。ならば、アルバム・タイトルを変
えちゃえばいいのになんてことを思う。実際、刹
那なんかじゃないだろう。言葉的には綺麗な響き
だけど。僕らが小沢を聴いてきたあの瞬間は刹那
なようで刹那なんかじゃない。まぁ、アルバム・
タイトルは浮かばないけど、やはりまだそのタイ
ミングじゃなかったんだなとは思う。ならば、小
沢には大いに迷ってほしい。その中で新しい方向
性があってもいいし、一生陽の目を見なくてもい
い。それを決めるのは、やはり小沢健二というア
ーティストの判断なのだから。その迷いの時期を
刹那というのなら、僕らも全然待てるというもの
だ。そしたら、この発売中止も後々になって、納
得のものへと変貌していくことだろう。『刹那』
の中止が刹那になる日を、また気長に待つとしよ
う。

2003年09月30日 (火) 07時49分




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