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grad all over-腐れ縁の音楽達-

うちには自慢じゃないけどCDが1000枚近く(2003.7.31現在)あります。日々音楽を聞き漁る僕の独り言、雑文です。御意見等あったら、よろしく。ちなみに下項よりメルマガGRAD ALL OVERにも登録できます。

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(207) 小粋にサヨナラしよう◆◆thee michelle gun elephant--chicken zombies◆◆ 投稿者:nabes MAIL URL
敢えて、表記は小文字表記でいかせてもらう。個人
的には、小文字の方が字面としては好きだ。関係な
いけど、GLOBEもglobeの方が好きだったな。まぁ、
そんな事はどうでもいい。とにかく、またもやの感
が強い。thee michelle gun elephant(以下ミッシ
ェル)解散。本当に良質のロックンロールを鳴らす
バンドが解散してしまう。もちろん、世の中には永
遠なんてものがないのは、周知の事実だ。いくら、
見えない方向に叫んだとしても、熱心に説き伏せよ
うとしても、物事には必ず、終わりが来る。必ずで
ある。バンドというある種、魂を持った生命体もま
た然りであり、その命は割と短い事が美徳とされて
きた節があるのも、これまた事実である。特に初期
衝動で鳴らしてきた音に翳りを持った瞬間、そのバ
ンドの命は花火の残り火のようにフェード・アウト
していく。各々のバンドはそれぞれ、抵抗を試みつ
つ色々な可能性を模索、その果てにその短い命を全
うしていくのが、大抵、見受けられるパターンであ
る。しかし、ミッシェルはどうだったろうか?確か
に小文字から大文字表記になった。1万人を超える
ハコでライブも行えるモンスターのような存在にも
なった。初期のトレードマークである全員揃いの黒
スーツは、なんとなく無かったことになっていった。
そして、アルバムの端っこにいつも付いている筈だ
ったトライアドのロゴもいつの間にかなくなってい
た。それでもミッシェルはミッシェルのままだった。

こんなこと書くと書き手の倫理が欠如していると言
われても仕方がないかもしれないが、ラスト2枚、
つまり『サブリナ〜』シリーズをまだ購入していな
い。なんだろう、やっぱ僕からしたらミッシェルと
いうのはトライアドの横顔骸骨のロゴであり、黒ス
ーツだったのかもしれない、そして小文字表記の似
合うバンドでいてほしかったのかもしれない。そん
な彼等のベスト・アルバムを選びなさいと、もし言
われたら迷うことなく『chicken zombies』を選ぶ
だろう。
荒く乾いた地面の感じとか、インディーズの特定さ
れた閉錯感のない、それでいてメジャーにどっぷり
漬かった感じもない、ニュートラルに向き合う姿勢、
そしてほんの僅かの実験性とスタンダードの螺旋を
ぐるぐる回る倒錯した感じとか、時代が産んだ名ロ
ックンロール・バンドのこれ以上ないくらいのタイ
ミングで産まれた良いアルバムだと思う。やはり、
全方位に音楽を聴きだしてからは、そのロックにチ
ラッと見えるポップネスがなくては自分の中では満
足できないように思える、そういう意味ではこのア
ルバムはポップに聴けるという利点もあるわけで、
それぞ、ロックンロール!と高らかに宣言の出来る
アルバムではないかと思う。

そう、ある意味ポップに聴けないロックって、僕は
少し引いてしまう。たとえ、自分ウケでもいいわけ
さ、僅かなジョークとか、マニアックな曲展開でも
いい、変な話、音楽に関係ないところでバンドのキ
ャラクターでもいいだろう。そこに馬鹿馬鹿しいま
でのくだらなさを携えてないというのは、聴いてて
痛々しく感じる。正味な話、ブランキーが僕の中で
はあまり受け付けられなかったのは、あまりにも真
面目すぎたように今更ながら感じる。だから、そん
なブランキーを経て自由なフォルムでドラムを叩く
ロザリオスの新譜は非常に興味深く、近いうち購入
してみようと思う。(とかなんとか言っておきなが
ら、解散ライブは当時つきあっていた彼女につき合
っていったんだけどね)さて、話を戻そう。ミッシ
ェルは、そういう意味では微妙にニヤッと詞てしま
う、一見無意味なような非現実的な歌詞のセンスと
か、メンバー各々の個性が見事に分かれていて、硬
派なんだけど俗っぽいところが、何とも微笑ましか
ったわけだ。(特にキュウちゃんとかね)そこにこ
のアルバムでいえば、『BOOGIE』のような壮大な爽
快感に満ちた曲を鳴らされた日には、この盤はその
瞬間に愛聴盤と化してしまい、解散に際し、まず何
を聴こうと思ったときに、迷わずこの盤を選んだ最
大の理由である。

あわよくば、チバが敬愛し、バンドの冠の「thee」
のモチーフとなった、thee headcoatsのように枯れ
るまでやっていて欲しかったし、そんな人達が無常
に歌う『世界の終わり』とかって凄く泣けるような
気がするのだが、やはりバンドという生命体は短命
であるべきなのかもしれない。やりたくなったらや
ればいいし、そんなスタンスも粋なジョークの一環
で少なくとも僕は許してしまうかもしれない。その
時はやはり黒スーツで横顔骸骨のロゴの付いたアル
バムを出してほしい。とにかく、あと1ヶ月も切っ
た彼等の解散、観にいくことはできないが、最後の
大きな花火を打ち上げてほしい。それが、ここまで
大きくなったロックンロール・バンドの解散という
ケジメの正しいつけ方を爽快にしでかしてほしい。

さよならだけが人生だよ、
でもありがとう、ミッシェル。
最強でした。

2003年09月17日 (水) 15時21分




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