少し前の話になりますが、『チャーリーズ・エン
ジェルズ・フルスロットル』（以下チャリエン２）
を観に行ってきました。その２週間前に『マトリ
ックス・リローデッド』も観に行き、その月はや
たら映画づいた月だったわけですが、僕はハッキ
リいってしまうと、『チャリエン２』の方が好き
ですね。『マトリックス』が面白くなかったわけ
ではありあません。『マトリックス』はあの、ス
ピーディーなところとか、異常な映像が前作より
はるかにパワーアップしていて、確かにこの映像
を超えるのは至難の業なのではないのだろうかと
いう気もしました。ただ、やはりわかりにくさが
先に出た事も否めなかった、そんな気がします。
それは公開の次の週に『ぴあ』誌上で『マトリッ
クス』に関する１００の疑問みたいな特集が組ま
れたことでも明らかな訳で、そして、明らかに秋
に公開する『〜レボリューション』への伏線的な
意味合いが見え見えで、終わった後に若干の虚脱
感みたいなものがあったわけです。

そこいくと、『チャリエン２』は完全な１話完結
型の娯楽作品として楽しめたわけですし、また、
これも頃合をみて、続編！といくのでしょうけど、
実にクールにそして、キャラの馬鹿馬鹿しさも増
幅して、楽しめました。前にも書いたのですが、
映画は大衆娯楽として、観た後にサッパリした爽
快感に包まれないといけないという持論がありま
す。そんな観点から考えると、『チャリエン２』
の爽快感は全身に渡って染み渡るものがあり、ひ
たすら笑顔で観てしまう良い作品だと言い切れる
でしょう。
そんな中でひときわ、僕を惹き付けたのが劇中に
流れる音楽の数々でしょうか。とにかくここまで
アッパー系の音をメジャーマイナー問わず入れる
作品があったのだろうかという位、挿入してあり
これは！と思い、映画を観終わり次第、すぐさま
サウンド・トラックを購入しました。

前作ではデスチャを全面に押し出したサントラで
したが、今回は『ムーラン・ルージュ』でもひと
きわの存在感を出したPINKに託し、NICKELBACKか
ら、DAVID BOWIE、BEACH BOYS、果てはMC HAMMAE
Rと脈絡や節操のない選曲がズラズラ並んでいて、
『チャリエン２』のサントラとしてだけでなく、
パーティー・アルバムとしても楽しめる作品にな
っています。
以前、『チャリエン』のサントラについて雑文を
書いた時に、商業サントラの最高峰という形容を
した。商業サントラ、つまり映画に関係がないよ
うな曲をバンバン詰めて、その中に新曲とかを挿
入することにより、話題性をも産むサントラの事
を言う。最近の映画というのは（特にハリウッド
系）殆どが、その傾向にあり、中には「おいおい」
とツッコミも辞さないものもあるのだが、今回は
前作以上に節操がないかもしれない。でも、それ
は製作側もよくわかっているのか、本編の中とは
直接関係ないシーンの音楽が割と入っていて、そ
れはチャリエンの映画同様、潔いものがあってち
ょっとスカッとする。（欲をいえば、デミ・ムー
アとの戦闘中に流れるプロディジー〜ケミカルの
流れが入っているとありがたかったが）

ただ、今回の作品はそこよりも、話の流れに重点
を置いた気がする。なので、前作より話がしっか
りしてる分、その辺の脈絡の無さがまたチャリエ
ンっぽくてニンマリする次第である。このサント
ラではJOUNEYの『ANY WAY YOU WANT IT』が大の
お気に入り。未聴だったこのバンドをこれをキッ
カケに聴いてみよう、そんな意識が生まれた時点
で、僕の中でこのサントラは◎なのである。まぁ、
しかしドリューは可愛かったなぁ。今回は彼女と
観にいったのだが、ちょっと、一人でもう一度観
に行きたい、ゲラゲラ笑いたい、そんないい映画
だと思いますよ。是非、続編もまたご考慮したい。
パーティはひたすら続くんである。