(134) 天使のため息◆◆TLC--3D◆◆ |
投稿者:nabes
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前回の夏川りみまでは文章自体、おおよそ去年 に出来上がっていたので、2003年最初の雑 文は、この文章からになります。ということで すっかり、皆様仕事も始まってると思われます が、今年もよろしくお願いします。
ということで、このアルバムは去年の年末前に ほぼ、発売日というタイミングの中、購入した。 洋楽に関して言えば、これってかなり珍しい。 輸入盤や国内盤など発売日というものが不明瞭 なだけに、邦楽ほど発売日というものには無頓 着なわけで、気がついたら購入しようというノ リが常なのだが、たまたま行ったらまさに本日 入荷とかそういう感じでディスプレイされてあ り、予定していなかったが、早速購入したとい うわけだ。何だよ、たまたまじゃないか、と言 われたらその通りなんだけど、こういうものに 運命を感じてしまうプチ運命論者の僕としては、 こんな時は何かの思し召しと受け取っている。 そういう方が人生、ドラマチックでしょ?
もちろんTLCというグループは好きである。お そらく、ヒップ・ホップ/R&B系のグループの 中でも3本の指に入るくらい好きなグループで ある。好きな理由は後で書くとするが、彼女達 の作品は基本的に期待を裏切らない。見事なま でにリスナーの求めるTLCと本人達の提示するT LCが一致していて、ある意味、安心して買える。 そして、結果この『3D』も見事なまでに誠実な TLCの音を響かせてくれていた。
単純にいい。これが、全部聴き終えての感想で ある。単純にいいアルバムだった。もちろん、 その意味は可もなく不可もない感じの及第点っ てやつでは断じてない。機械的な感じのトラッ クと、緩やかなメロディ、そしてコーラス・ワ ークが混じりあっていて、さきほども言ったよ うにTLCにしか出来ないメロディを紡ぎだして いる。そう、今出てきたコーラス・ワーク、そ れこそが僕のTLCを好きな理由である。 緩やかで切なくて、そしてセクシーで。聴いて ると思わずふわっとしてしまう真綿のようなコ ーラスは、まるで天使のコーラスである。そん な意味で僕が、最もふわっときたのが、1曲目 の『3D(INTRO)』のサビとサビの間の「アーゥ」 という一瞬のコーラス。その一瞬にセクシーと クールさ、そしてほんのり漂う可愛さや切なさ など、女の子の全ての引き寄せられる要素が入 っていて、聴いていて思わず昇天してしまう勢 いである。
知っての通り、レフト・アイの死により残念な がらこの3人として出されるオリジナル・アル バムはこれが最後となるが、紛れもない最高傑 作であるといってよい。2度とこの3人の見事 なコーラスが聴けなくなるのは、単純に寂しい。 でも寂しかったらいつでも、この「アーゥ」を 聴くといい。この3人が最後に響かせた天使の ため息はいつまでも記録としてCDに残り、そし て、僕達リスナーの記憶にいつまでも残り続け るだろう。最後に、残った二人の新たなる前途 それにも期待して、この文章を終わるとしよう。
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2003年01月06日 (月) 14時54分 |
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