もうすぐクリスマスですね。慌ただしい事この上な
い年末ですが、イブも含め２４、２５日だけは、パ
ーっとやりたいもんです。僕の店でもパーティとか
やるのですが、仮装しなくてはいけません。さて、
何をしようか考え中です。今、筆頭に挙がってるの
は山下達郎のコスプレ（笑）名盤『RIDE ON TIME』
の衣装、そのまま完コピという案が笑えるかなと。

さて、それはともかくクリスマスというと、洋楽と
邦楽の温度差に微妙な変化がありますね。どういう
ことかというと、基本的に邦楽はアッパーな感じの
お祝い的クリスマスソングが多いかも。キック・ザ
・カン・クルーの『クリスマスイブRAP』やジュデ
ィマリの『クリスマス』、もちろん前述の山下達郎
の名作やら、サザンとかだと聖なる夜のバラードと
いうのも、多いですが日本人的な気質から考えると
アッパーな方がいいかもしれません。基本的には無
宗教な国ですからね。

しかし、これが外国だと、こうはなかなかいきませ
ん。何故ならクリスチャンの国ですからね。クリス
マスに対する基本的な考え方が違う訳ですから。や
っぱり、神聖なものなんですよ。家族でキリストの
誕生を祝う温かい儀式なんですよ。うちの近くに外
国人の住んでいる一軒家があるんですが、１２月を
境に家中にライティングを施し、夜になるとパッと
華やぐ異空間として「ああ、これが本来のクリスマ
スなんだろうな」という事を確認する事が出来ます。
昔、駅で売っている１０００円くらいのクリスマス
CDを購入した時も暖炉の前で聴きたい暖かみのある、
クリスマスソングというものが、ほぼ主流でした。

では、外国は絶対というほど、ホームパーティか？
といわれると、そうでもないんでしょうね。やっぱ
中にはアッパーなものもあるものです。アイドル的
グループの企画モノのクリスマスCDとかは、そのグ
ループの音とトラディショナルなクリスマスソング
とのミックスとか毎年のように作られて、それはそ
れで若者の中には街に出て大騒ぎ！みたいなのはど
この国もきっと共通なんでしょうね。外国のクリス
マスというものを体感した事のない僕としては、妄
想が膨らむばかりです。

DESTINY'S CHILDの（以下デスチャ）去年リリース
された『8DAYS OF CHRISTMAS』も、そんな企画盤の
一つでした。去年飛躍的大ブレイクを果たしたデス
チャの象徴として出されたこのクリスマスCDは、デ
スチャの音とクリスマスソングの見事な融合として、
企画モノと一言で片付けられない何かがあるような
気がします。
１曲目の表題曲からして、モロ『INDEPENDET WOMEN
PART1』（チャリエンのテーマソングでお馴染み）
じゃねーかという軽いツッコミが入るし、２曲目の
『WINTER PARADAISE』も別に鈴の音を入れなければ、
普通にオリジナル・アルバムの中の１曲として成立
してるんでは？という事も考えちゃうくらいの硬質
なビートと柔らかいコーラスの入り交じった綺麗な
メロディだし。でも、ちゃんと聖なる夜に対するち
ゃんとした想いもあるようで（？）バラードなんか
もしっかり入っているところも心憎い。大スタンダ
ード『WHITE CHRISTMAS』なんかは天晴れというべ
きなR&Bとの好ミックスといえるでしょう。ただ、
このアルバムがただの企画モノに終わらないのは、
デスチャの中心人物ビヨンセがかなりの割合で陣頭
指揮をとっていたようで、近くリリースされるであ
ろう新作への期待も膨らませるという意味でもちょ
うどいい塩梅の繋ぎを果たしているといってもよで
しょう。まるで最後の曲である『EMOTION』のスト
リングスバージョンが次回へのイントロに聴こえて
きます。個人的に好きな曲なので、そういう関係も
あるのでそ聴こえるのは僕だけかもしれませんが。

このアルバムは聴こえようにとっては、アメリカの
商売魂溢れる作品ともとれますが、きっとそれだけ
ではない事がアーティスト側の歌声から伝わってき
ます。今、自分達のグループにとってどうすれば、
聖なる夜を演出、祝福できるかという問いへのアン
サーとしてデスチャというモミの木に装飾を施した
クリスマスツリーとなり、ときに御家庭でときに街
中でうたを響かせる。結構、コレって素敵な事だと
思いませんか？うちの近くのデコレートしてある家
と同じで音楽による本来のクリスマス、それがこの
作品から聞こえてくるのは果たして僕だけなんでし
ょうかね。とにかくクリスマスくらいはパーっと華
やぐ笑顔でいたいもんだなぁと感じる師走なのでし
た。