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grad all over-腐れ縁の音楽達-

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(108) 湿度の奏でる音楽◆◆THE BOOM--SINGLES+◆◆ 投稿者:nabes MAIL URL
ロック・イン・ジャパン・フェスで見たTHE BOOM
のステージはまさに、圧巻という言葉で表現され
ていいものだと思う。言葉と音がここまで死なず
に一体化して、そして真夏の抜けた空に溶けてい
った瞬間に、僕は今まで出くわした事がなかった。
そしてその記念すべき瞬間をこれまでちゃんと聴
いた事が無かったTHE BOOMで体験したという意外
性も、僕にとっては意外な事だった。

勿論、今まで聴いていなかった訳では無い。高校
の頃、軽音楽同好会に在籍していた頃、後輩の女
の子達がコピーしてたのはTHE BOOMの『君はTV
っ子』だった。軽快なスカのビートと、シニカル
な歌詞に、「へぇ、こんな歌があるんだ」と感心
した。僕の友人が、当時つきあっていた彼女の好
きなアーティストが、THE BOOMで『サイレンのお
ひさま』というアルバムを彼に買ってあげていた
事も思い出す。『島歌』も勿論、知っているし、
『風になりたい』とかもカラオケでたまに歌う。
全く知らないわけでもない。どちらかというと、
絶えず気にかけていたと言う方が正しい気がする。

それでも、何故かTHE BOOMにそこまでハマる事は
無かった。おそらく、イマイチ抜けていなかった
ように感じられていたのだ。あまりにも真面目だ
ったのかもしれない。当雑文でも、さんざん取り
上げているように僕は、ある意味、馬鹿であった
り、下世話であったり、どこか抜けているものを
好んでいた傾向がある(今でも)。エレファント
カシマシにも同じような事を感じるのだが、あの
バンドは宮本という最大のアジテーターの存在が
時に滑稽に映る時もあり、それが世間様から見れ
ば、どこか抜けた感じに見えているのだが、THE
BOOMに関して言えば、宮沢和史のキャラがイマイ
チ抜けていない。僕から見ると「真面目に音楽に
取り組んでいる人」というイメージから逃れられ
ていないように思えた。だから、南米や沖縄の暖
かい気候の音楽をしていても、日本人特有の湿度
をそこに感じていた。
しかし、フェスで観たTHE BOOMにはその湿度が、
海風と相まって非常に心地よく感じられた。そう
か、そういう事だったんだな。日本人として生ま
れ、日本で主に活動をしていれば、独特の湿度も
取り入れてこそ、日本の音楽である。ワールドワ
イドな音を貪欲に取り入れる一方、湿度さえも味
方につけ、つまりは日本風味に仕立て上げてると
いうのは、真面目に分析してこその結果であると
思う。

『神様の宝石でできた島』という歌がある。これ
はTHE BOOM名義ではなくMIYA&YAMI名義なので、
ボーナスディスク収録だが、とても印象深い楽曲
だ。レゲエのカラッとしたリズムに、センチメン
タルでロマンティックな日本語歌詞が湿度を加え、
そして宮沢の優しいうたに風景を生んでいて、凄
く好きである。フェスの2曲目に演奏されたが、
(ちなみに1曲目は『星のラブレター』)涙腺が
一気に決壊してしまった。僕の好きなアーティス
トというのは、あくまで感覚で物事の本質を歌に
していく人が多いが、こんな形で本質を追求して、
歌にしていく人もいるんだと、その瞬間に尊敬の
念さえ感じての涙だったのかもしれない、と自分
の中では述懐している。

真面目であるが故に損をする事もあるし、躊躇し
てしまう事も世の中には沢山ある。真面目に無難
に過ごそうとと思ったら、尚更その傾向は顕著で
ある。でもTHE BOOMというバンドは、たとえ損を
しても失敗をしても、真面目に前を向いて歩いて
きたバンドだと思う。目はしっかり前方を見据え
て、形のない完成型に向かってまっすぐ歩いて行
く。風のように、ゆっくりと漂うように。でも確
実に。

「何一つ、いいことなかったこの街に、
 沈みゆく太陽、追いこしてみたい。
 生まれてきたことを幸せに感じる。
 かっこ悪くったっていい、あなたと風になりたい」
                (風になりたい)

真面目には最後は叶うものはない、『手紙』とい
う歌のように、ただ音楽を愛していたいだけ、ロ
ックンロールにこめかみを撃ち抜かれたいだけ、
それだけを追求して、宮沢そしてTHE BOOMは今日
も歌っているのだろう。この世界のどこかで。

2002年10月06日 (日) 14時46分




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