(82) おんなのこばんちょう◆◆CHARA--LIVE 97-99 MOOD◆◆ |
投稿者:nabes
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まず、裏ジャケのCHARAの顔がたまらなく可 愛い。色々な装飾を施しているものの、本 人の顔はポカーンとしている。たとえると、 トーテムポールだ。誰でも一度は見た事が あろう。一つの木に色々な顔が装飾されて いるあれだ。うちに地元の小学校の卒業製 作だった。見た目は鮮やかに出来上がって いるものの、所詮、木なんだよなと冷めて、 あまりやる気にならなかった。まぁ、そん な事はどうでもいい。
別にCHARAの顔がトーテムポールだといって る訳ではない、断じて。ただ、装飾されて いるメイクなり飾りが虚像のCHARAであるな ら、その間をかいくぐるように、人間浅野 某さん(本名知らないんだよね)の素顔が 見隠れしていて、そのアンバランスさが見 てて可愛い。それがそのまま、女の子のア ンバランスさを象徴しているようで、やっ ぱりCHARAが女の子に支持を得るのも頷ける というものである。
このCD『LIVE 97-99 MOOD』はその名の通り 97〜99年に行われたライブからピックアッ プされたライブベストである。時期的な点 から『JUNIOR SWEET』、『STRANGE FRUITS』 からの楽曲が中心だが、YEN TOWN BANDや初 期の作品も要所要所で押さえられており、 初心者的には嬉しい作品である。
まぁ、しかしこの作品で歌うCHARAは異常で ある。ある意味、神がかっている。という より、お経を唱える僧のようであるといっ た方がいいか。静かな歌を淡々としかし、 エモーショナルに表現したと思うと、ミド ルなロックナンバーではソウルフルに、が しかしクールにシャウトする。それはまさ に念仏のようである。
CHARAは基本的には声量がある方ではない。 故にCDとして録音される声と違い、ライブ ではひたすら太い声に終始する、もちろん 長いライブツアーによる体力の疲労という のもあろうが、こっちの方が生々しくて好 きである。まぁ、それがライブというもの であろうが。 この生々しさが、CHARAの最大の魅力のよう に思える。例えばドリカム等に代表される ような歌詞と実体験の距離の近さによる共 感と違い、生々しい感情の起伏こそ女の子 の本質という事をわかっているからこそ、 それを表現できるからこそ、世の女の子に 共感を得る事ができる。そういえば、この ライブ盤の中には男のオーディエンスの声 なんて殆ど聞こえない。
僕の中では、このライブのベスト・トラッ クは1枚目の『DUCA』と2枚目の『やさし い気持ち』。特に『やさしい気持ち』では、 共感とうより、オーディエンスの奥の奥の 方をほじくり起こし、グイグイ引っ張って いってる。鬼気迫る「YEAH!!!」のコール& レスポンス、そしてラスト近くの「1、2、 3、4!!」では血管が切れそうなテンシ ョンを感じる。そうかと思うと『DUCA』が 終わった後のちょっとした照れ笑いが、ま た前述の裏ジャケの顔に近い素の可愛さが ある。
結婚しようが、子供を産もうが、女の子は 女の子である。不安定な時もあり、それで も確かなものに向かって進もうともする。 それこそ、そんな時は脇目もふらずに。 そんな本質を楽曲にて表現するCHARAは女 の子道を邁進する「おんなのこばんちょう」 なのである。
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2002年07月12日 (金) 17時01分 |
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